窯業協會誌
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89 巻, 1029 号
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  • 加藤 哲郎, 吉村 昌弘, 宗宮 重行
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 221-229
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    窒素1気圧, 1600℃におけるCr-Si-N 3成分系の反応及び相関係を空冷及び急冷法で研究した. その結果, この等温断面は, 四つの3相領域: Si3N4+Cr5Si3+N2, Cr5Si3+Cr3Si+N2, Cr3Si+液相+N2及び液相+Cr2N+N2並びに一つの2相領域: 液相+N2から成っていることを明らかにした.
    領域 [I]: Si-Cr5Si3-N及び領域 [II]: Cr5Si3-Cr3Si-Nにおいては, CrとSiの混合物の窒化側の反応あるいは窒化物の脱窒素側の反応双方の結果から, Cr5Si3及びCr3Siが平衡相であることを確認した.
    格子定数の測定結果では, Cr5Si3相の格子定数の値は, β-Si3N4と共存する場合a=9.169±0.008Å, c=4.634±0.005Åであり, Cr3Siと共存する場合a=9.162±0.005Å, c=4.639±0.003Åであって, それらの値の間には有意な差は認められなかった. また, Cr3Si相の格子定数の値は, Cr5Si3と共存した場合a=4.559±0.002Å, 融液から析出した場合a=4.561±0.002Åであり, 両者の値は実験誤差内でほぼ一致していた. これらの結果はCr5Si3, Cr3Siにいずれも固溶域がないことを示唆している.
  • 山口 明良
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 229-235
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Cr2O3-ZrSiO4粉末成形体を焼結によってち密化するための研究を行った.
    Cr2O3粉末 (0.2-1μmの粒径) とZrSiO4粉末 (1-75μm) を混合し, 成形体を作り, その成形体を空気ふん囲気中と炭素粉末中とで1200°-1500℃で焼成した. 空気ふん囲気中焼成では, 1500℃であってもほとんど収縮しないのに対し, 炭素粉末中焼成では1250℃ほどの低温から収縮を生じ, 20wt%以上にCr2O3を含有する試料では, 1500℃の焼成で真密度の95%以上にち密に焼結した. このような炭素粉末中での焼結によるち密化はCr2O3によってもたらされ, ち密化機構はCr2O3単味の場合と同じであるとみられた. 得られたち密質Gr2O3-ZrSiO4素地の熱膨張係数は, 素地中のZrSiO4量の増加とともに小さくなった.
  • 稲垣 道夫
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 236-243
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    13種の難黒鉛化性炭素を5kbar加圧下, 1300°-1900℃に1時間加熱処理し, X線回折線図形の測定, かさ密度の測定, 及び走査型電子顕微鏡観察を行い, 高圧下黒鉛化挙動及びち密化過程について検討した.
    いずれの難黒鉛化性炭素も1700℃以上で完全に黒鉛化することが明らかとなった. それと対応して, 1500°-1800℃で著しいち密化が, そして, 球状粒子についてのSEM観察から, 粒子間に頸部の発達などの焼結現象が認められた. 黒鉛化過程は乱層構造成分と黒鉛構造成分とが共存する不均質過程である.
    黒鉛化挙動及びち密化に対して試料の予備加熱処理温度が強い影響を持っている. 2700℃の高温に予備処理された試料の黒鉛化は高温側にずれ, 1900℃以上で完全に黒鉛化した. 著しいち密化は1500℃以上に予備処理されたすべての試料で認められるが, 1500℃以下で予備処理された試料は, 焼結はするが, 著しいち密化は生じない. また, これらの試料では, その粒表面に, 揮発性物質に原因すると思われる, サボテン状の突起物の生成が認められた.
  • 鷹木 洋, 小久保 正, 田代 仁
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 243-251
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Na2O・1.3SiO2 (モル比) 組成及びこの組成100mol中の5molをMgO, TiO2又はZrO2で置換した組成のガラスをpH 1.1-12.6の水溶液中に浸漬し, ガラス表面の侵食状況を光学顕微鏡下で直接, 連続的に観察した. また侵食中形成される内部と屈折率の異なるガラス表面層の機械的強度を測定した.
    その結果, いずれのpHの水溶液中でもZrO2含有ガラスの侵食速度が最小であること, ZrO2含有ガラスの侵食速度はpH 1.1-11.7の範囲の水溶液中でほぼ一定で, pHが11.7を越えると急減すること, pH 1.1-12.3の範囲の水溶液中では, 内部と屈折率が異なり, ZrO2成分に富む表面層が形成されること, またこの層の機械的強度は大きく, その中にき裂が発生しにくいことを見いだした.
    これらの結果より, ZrO2含有ガラスの侵食速度が高アルカリ水溶液中でも小さいのは, 形成されるZrO2に富む表面層の構造が強固なために, その層中のNa+イオンとH+イオン (又は水分子を伴ったH+イオン) の相互拡散係数が小さく, また層中にき裂が発生しにくいためであると推論した.
  • 鈴木 傑, 小林 種雄, 高橋 実, 今岡 稔
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 252-259
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    酸化物ガラス中, 3, 2, 1次元ネットワーク構造をもつ, B2O3-GeO2系, P2O5・(MO or M2O) ガラス及び修飾イオンにより次元構造を変えるSiO2-Na2O, B2O3-Na2O系ガラスを選び, 圧縮法により転移温度付近での粘性流動を調べ, その活性化エネルギーと粘性流動のメカニズムを検討した. 活性化エネルギーは, GeO2, SiO2のような3次元ネットワーク構造では, ネットワークを形成するGe-O, Si-Oの結合エネルギーに近い値をとり, 2次元ネットワークのB2O3ではB-O結合エネルギーよりも低く, 鎖状構造のメタリン酸塩ガラスは, P-O結合エネルギーよりもはるかに大きな値をとった. またSiO2-Na2O, B2O3-Na2O系ではNa2Oとともに増加した. ガラス転移領域での粘性流動は面でのすべりが主であると考えると, (1) 3次元ネットワークでは結合の切断, (2) 2次元ネットワークでは層間の状態, (3) 修飾イオンが入ると層間での接触点が増し, すべりの摩擦抵抗が増え, 重要な影響を与えると考えられる.
  • 井上 悟, 近江 成明, 山根 正之
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 260-265
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    シェルブスキー法によって, バッチフリー直後のガラスから光学ガラスのような高均質ガラスに至るまでの広範なガラスの均質度を定量的に測定するために, 2種以上の屈折率の異なるガラスを種々の割合に混合した試料の透過率と標準偏差の関係を求め検量線を作成した.
    屈折率差が約3×10-3の2種の光学ガラスを等量混合した試料を測定した結果, 光路中に配列する粒子数が少ないと透過率曲線が二つに分離してしまい, 単一のピークを有する透過率曲線を得るには, 光路長対平均粒径の比の値を13以上にとることが必要であった. この条件を満たす混合試料について測定した透過率曲線の最大透過率と半値幅は, 特別の場合を除いて, 屈折率分布の形と関係なく一定の関係があり, 同一標準偏差を有する試料について同一の値となった. しかし, 屈折率が約2×10-3以上異なる2種のガラスを混合し, その混合比が1:1から大きくずれた試料では, 他の試料と比べて, 半値幅が小さく観測された. 最大透過率と半値幅が一定の関係にある試料について測定曲線より求めた標準偏差と混合割合より計算した標準偏差とから作成した検量線は, 1.0×10-4-20×10-4の範囲に適用でき, バッチフリー直後のガラスの均質度測定に使用できる.
  • S. N. KHOSLA, R. K. BEDI
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 265-270
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    天然に産出する6種の粘土の熱伝導率を, 焼成温度と保持時間を変えて測定した. 熱伝導率の測定結果を, 化学組成, 気孔率, 結晶度と関連づけて検討した.
  • 長田 清, 本江 秋弘, 藤井 欽二郎
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 270-275
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    試作した横型ガス炉を用いて, SiO2-Al2O3系小型錐の溶倒温度 (T1) を測定した. 昇温速度はゼーゲル錐使用による耐火度測定時の規定による. 石英及び石英ガラスの粉末でつくった錐の溶倒温度は1723℃及び1713℃であった. 一方, アルミナ錐では, 錐にIr板製くつ (沓) をはかせた状態でT1: 2042℃を観察した. SiO2/Al2O3混合比を異にする錐の溶倒温度T1をこの系の状態図にプロットして液相線T2と対比すると, 共晶点を含む高シリカ領域ではT1T2より異常に高く, また約20wt% Al2O3組成物でT1の最低値を示した. 錐の原料混合物はあらかじめ加熱してから使用したが, その予熱温度は, 15-50wt% Al2O3の組成錐のT1をかなり変動させた.
  • 田中 英彦, 太田 進啓, 藤木 良規
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 275-277
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 北條 純一, 加藤 昭夫
    1981 年 89 巻 1029 号 p. 277-279
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 89 巻 1029 号 p. A26-A32
    発行日: 1981/05/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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