窯業協會誌
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90 巻, 1039 号
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  • 平櫛 敬資, 福岡 弘美, 松尾 正孝, 石橋 種三, 為広 泰造, 村上 角一
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 105-110
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    プロパン酸素炎にて得られたアルミナ球状粒子を走査型電子顕微鏡並びにX線回折によって検討した.
    アルミナ粒子の球状率は炎中の粉末濃度, 粉末輸送ガスの種類並びに粉末の活性度に影響される.
    球状粒子の表面形態は繊維状の微晶と粒状の粗晶に大別される.
    また, 結晶相はα-及びδ-Al2O3で構成され, 粒径が小さくなるほどδ-Al2O3の量が増大する. このδ-Al2O3は, 1300℃×3h加熱することにより完全にα-Al2O3となる.
  • 佐多 敏之, 藤井 清澄
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 110-118
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高純度のSi3N4及び合成したSi2ON2 (82%含有, 18% Si3N4) 及びサイアロン (Si4Al2O2N6, z=2) の粉末 (表面積それぞれ7, 10, 5m2・g-1) について1100°, 1200°, 1300°, 1400℃の4温度とpo2=10-2.8-1atmの5種のO2-N2系ふん囲気の組み合わせで50時間までの酸化を行い, その重量増加の時間変化及び50時間後の粉末表面とその内部の相変化を調べた. いずれの場合も酸化率は初期に20-60%まで急激に酸化が進行し, 後ゆるやかになる. 温度が高いほど, またpo2が大きいほど速く飽和する傾向が見られる. 表面生成物は非晶質であり, それかクリストバライト (サイアロンではクリストバライトとムライト) へ結晶化していく. Si3N4では1100℃では結晶化せず, 1200℃. 以上ではpo2が小さいほど結晶化しやすい. 空気及びO2中で40-60%の飽和値が得られる. 初期の酸化は放物線則に従い, その活性化エネルギーは60-70kcal/molで一定であった. Si2ON2ではすべての場合20-40%の飽和値が得られ, また放物線則に従うが, その速度は2-4時間後により遅い速度に変化する. その活性化エネルギーはpo2の大きいほど30から80kcal/molに増大する. サイアロンはほぼSi2ON2に似ていた.
  • 山田 哲夫, 島田 昌彦, 小泉 光恵
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 118-123
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    出発物質としていろいろな種類のα-Si3N4粉末を用い, 添加物のないSi3N4の高圧焼結及びHIPを行い, 高圧力下の焼結過程におけるα→β相転移とち密化との相関を検討した. 原料粉末及び焼結圧力を規定すれば, Si3N4の相転移とち密化とは, 焼結温度及び時間の変化によらず一定の関係に従った. すなわち, ち密化の第1段階においては, 相転移は起きずにち密化のみが進行し, 第2段階においては, 相転移初期において急激なち密化が進行し, 第3段階においてはち密化は緩慢で相転移が顕著に進行した. したがって, 高圧力下においては, Si3N4の相転移とち密化とは密接な関係を保って進行しており, 上記の第2段階の顕著な粉末ほど, 100% β相へ転移することにより, 高密度な焼結体となることが判明した.
  • 原田 道昭, 萩原 義一, Van Hoang NGUYEN, 浅賀 喜与志, 大門 正機
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 123-129
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    セメント-石英系オートクレーブ処理材料の基礎研究として, エーライトと石英の水熱反応機構を明らかにすることを目的として研究を行った. エーライト単独, 及びエーライト-石英混合物の成形体を181℃, 飽和水蒸気圧下で種々の時間反応させ, 反応生成相, 反応速度を測定し, 反応機構を検討して次の結果を得た.
    1) エーライト単独の反応では初期に高ライム型C-S-HとCa(OH)2が生成し, その後C3SH1.5が生成する.
    2) エーライト-石英系では, CaO/SiO2=1.5のとき, C3SH1.5は反応が進むと消滅し, C-S-HとCa(OH)2のみが生成する. CaO/SiO2=0.8のとき, C3SH1.5は生成せず, 初期に生成するCa(OH)2も反応が進むにつれ消滅し, 生成物はC-S-Hのみとなる. CaO/SiO2=0.5のとき, C-S-Hと未反応石英のみが観察される.
    3) エーライト-石英系の水熱反応ではエーライトの反応は, エーライト粒子の周囲の生成物層を通しての拡散が律速となり, 石英の反応は, 反応初期ではそれ自身の溶解速度が律速となり, 反応が進むにつれて石英粒子の周囲の生成物層を通しての拡散に支配されるようになる.
  • 高屈折率ガラスの着色に関する研究 (第5報)
    金 炳勲, 井上 悟, 山根 正之
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 129-133
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高屈折率を与えるPbO, Nb2O5, TiO2等の成分を2種類含有するガラスの紫外部吸収を測定するとともに, 超高純度高屈折率ガラスの着色とガラスの組成及び光学定数等との関係について考察し, 以下の結果を得た.
    1) 超高純度ガラスの吸光度の対数logαと波長の逆数1/λの間には直線関係があり, d(logα)/d(1/λ)≒1×10cm-3である.
    2) 紫外部吸収端λabs=1が370nmより長波長側にあるガラスには黄色ないし黄褐色が認められる.
    3) 紫外部吸収端の波長はガラス組成系によらず, 屈折率の増大, アッベ数の減少, またはλ0の増大とともに増大する.
    4) PbO, Nb2O5, TiO2等を含有する高屈折高分散ガラスにおいて, nD>1.95, νD<22, または, λ0>170nmの光学定数をもつ無色のガラスを得ることがほとんど不可能に近い.
  • 峠 登, 木本 匡彦, 南 努, 田中 雅美
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 133-138
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    As2S3非晶質薄膜の光学吸収端, IRスペクトル, 及びこれら光学的性質の熱処理による変化と, 薄膜の析出温度との関係を, -170°-170℃の温度範囲で調べた. 蒸着したままの薄膜中には, As4S4と硫黄成分が残存しており, それらの量は析出温度が低くなるに従って増加した. このことから, As2S3ガラスは蒸着の際にはAs4S4と硫黄成分に分解すると推察した. 薄膜をガラス転移温度付近の温度で熱処理すると, 残存していたAs4S4と硫黄成分が反応し, As2S3バルクガラスに非常によく似た構造に変化した. これが, 熱処理による光学吸収端の低光子エネルギー方向への移動の原因であると考えられる. 得られた薄膜の組成分析の結果, 析出温度が100℃以上の薄膜では, 硫黄成分が化学量論組成よりも不足していることが見いだされた. したがって, 熱処理薄膜における光学的バンドギャップの析出温度依存性は, As4S4成分の残存とイオウ成分の不足, あるいはそのいずれかに起因しているものと考えられる.
  • 酒井 清介, 伊藤 勝, 伊藤 正治
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 138-142
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    セラミック材料の加工法を確立するため, その一部であるダイヤモンド砥石による切断加工法において, ホットプレス窒化ケイ素の切断加工条件の選定とその間題点について検討した. 切断加工にはメタルボンドとレジノイドボンドの両ダイヤモンド切断砥石を用い, 加工中の負荷電流の測定と同時にこれに伴う砥石表面の砥粒の摩耗の進行を走査型電子顕微鏡で観察した.
    この結果, 次の結論を得た.
    1) ホットプレス窒化ケイ素の切断加工においては砥石外周面及び側面上のダイヤモンド砥粒の摩耗が進行し, 加工能率を著しく低下させるため目直し作業が不可欠である.
    2) 砥石側面上の砥粒の摩耗によって負荷電流は大幅に増加するが, この砥石側面に1/100程度のテーパーを付けることにより摩耗を防ぎ目直し間切断面積を大幅に上げることができる.
    3) 切断加工エネルギーは, 砥石切り込み深さが小さいほど少ない.
  • 大竹 武, 河村 光隆, 内田 邦夫
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 143-150
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    都市ごみ資源再生利用システムから排出する分別残さいの再生利用資源化を検討した.
    分別無機物の組成はガラス, 土石・瀬戸物, 骨・貝に大別できる. この3成分系の発泡試験を行って発泡温度を調べた, 更に, 添加酸性物質として, システムの熱分解ダストに着目し, このダストの添加量と発泡の関係を調べた. 調合原料が良好な発泡性を示すダスト添加量は30%以下であった.
    基礎研究及びテストプラントによる実験の資料に基づいて, スターダスト'80内に生産量1t/d規模の実証プラントを設計・設備し, 長期間の運転研究を行った.
    運転研究の成果として, 造粒物は一定強度を有することが必要で, そのため加水, 混練後, 熟成させる必要があることを見いだした. また, 各工程における最適条件を見いだし, 工業化の資料を得た.
    得られた製品の性状は, 見掛け比重0.9-1.6, 吸水率5-17%, 実績率60-63%であった. 更に, コンクリート試験を行い, JIS A 5002に適合することを確認した. また, 製品からの有害物質の溶出性は基準値を下回った.
  • 小久保 正, 長嶋 廉仁, 田代 仁
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 151-153
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 金子 泰成, 杉之原 幸夫
    1982 年 90 巻 1039 号 p. 154-156
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 90 巻 1039 号 p. A17-A26
    発行日: 1982/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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