窯業協會誌
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93 巻, 1084 号
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  • 松本 泰道, 山口 靖英, 佐藤 栄一
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 743-749
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ペロブスカイト型酸化物のBサイトに多種の3d遷移金属イオンを同時に固溶させたものを合成し, その遷移金属イオンの価数を電気化学的概念を用いて決定した. 当モルずつ同時に固溶させたペロブスカイト型酸化物で, 最大9種類の遷移金属イオンが固溶した. それは組成式でLa(TiVCrMnFeCoNiCuZn)1O3と表される. 電気化学的概念を用いて計算されたカチオンの価数はすべての遷移金属イオンにとって3であり, ZuやCuも+3の価数をもって存在していることになる. La1-xSrxMO3においてNbはNb5+として存在していることが推定された. 上記のことは格子定数の変化から証明された. 本研究で作成した遷移金属イオン価数の分布図は種々のペロブスカイト型酸化物のBサイトにおけるイオン価数の分布の決定に大変有効なものである.
  • 森 利之, 池田 勉, 津田 尚徳, 飯田 武揚, 三田村 孝
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 750-756
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    窒素ガス流通下 (150-200ml/min), 200°-1100℃の温度範囲で化学量論比の塩化ニオブ (V) と還元金属としてのAl, Zn及びMg粉末とから窒化ニオブ粉末を合成し, 還元金属の効果を調べた.
    NbCl5-Al-N2系ではNbNは500℃以上で生成した. 1100℃, 1h反応で得られた生成物の窒化率はN/Nb=0.88と比較的高いものであった. NbCl5-Zn-N2系では400°-500℃でNb-Zn合金相が生成した. 窒化物生成はそのためやや高温の700℃以上で認められた. Znを用いた反応では900℃, 1h反応においてN/Nb=0.63であり, より高温の反応でもこれ以上の窒化率は得られなかった. NbCl5-Mg-N2系では500℃以上で窒化物は生成した. トレースの酸素によって生成したMgOは1規定塩酸で洗浄することにより除去された. 1100℃, 1h反応で得られた生成物の窒化率はN/Nb=0.91であり, 4h反応ではN/Nb比=0.94という最高値に達した. 以上のことから3種の還元金属の中でMgを用いることが最も高い窒化率を有する微粉末NbN (0.2-0.3μm) を得るうえで適していることが分かった.
  • 松尾 陽太郎, 北上 浩一
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 757-761
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    OhとFinnieはぜい性材料の破壊について研究し, 破壊応力のみならず破壊位置も推定可能な理論 (破壊位置の確率論) を提唱している. しかし, セラミックスなどの破壊原因は1種類のみではないために, 複数種類の破壊原因を同時に考慮できる破壊位置の確率論が必要である.
    著者らは, 先に破壊位置の確率論と競合リスク理論とを結合した新しい理論の定式化を行い, これを用いて種々の解析を行い, その有効性を明らかにしている.
    本論文では, これらの解析結果に基づいて, 破壊位置データのみから多重モードワイブル分布の形状母数を推定する新しい方法を提案した. 情報量マトリックス理論により, 推定精度が極めて高いことが明らかとなっている多段最尤法と, 本推定法の結果とを窒化ケイ素に関する3点曲げ強度データを用いて比較したところ, 新推定法の精度は十分高いことが分かった.
    更に, 3点曲げ試験における破壊位置に関して形状母数が含んでいる新しい性質についても述べた.
  • 井川 博行, 渡部 俊也, 浦部 和順, 宇田川 重和
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 762-767
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    コーディエライトとムライトの2成分が種々の割合で混合されたち密な複合焼結体を, 1450℃で焼成することにより作製した. ムライトの割合とともに同複合体の曲げ強さが増大する傾向が見られた. また, 複合体の平均線膨張係数と構成鉱物の体積割合との間には直線に近い関係が認められた. その関係をカーナーあるいはターナーの式に基づいて検討し, 同複合体に前者の式がよく適用される理由を考察した. コーディエライトとムライトの熱膨張係数の差に起因する応力をX線回折法により確証した. 複合体中のコーディエライトの所々に, ムライト粒子を囲むような形の微小なき裂が見られた. 同き裂の形態はコーディエライトがまるでガラス質のマトリックスであるかのような様相を呈していた.
  • 島田 志郎, 向出 正明, 小平 紘平, 松下 徹
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 768-773
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    NbCの単結晶をNi, Co及びNi-Co系合金をフラックスとして使用して, 1600°-1900℃の育成温度から成長させた, Niを使ったとき, 結晶の大きさは育成温度の上昇とともに増大したが, 1900℃では逆に減少した. また, 保持時間及び徐冷速度をそれぞれ4-16時間及び0.7-7℃/minの範囲で変化させて, 結晶成長に対する影響を検討した結果, 1700℃ではほとんどその影響は認められず, 1800℃では保持時間が長いほど, 徐冷速度が遅いほど成長した結晶は小さかった. Niに対して20wt%のNbCを加えた原料を使い1800℃で4時間保持した後7℃/minで徐冷したとき, 最大1.8mmの立方体の結晶が成長した. Coを使うと, 1600℃→1800℃に育成温度を上昇させると結晶は小さくなり, 保持時間及び徐冷速度の結晶成長に及ぼす影響は認められなかった. Coに対して15又は20wt%のNbCを加えた試料を用いて1800℃で4時間保ち7℃/minで徐冷したとき, 最大1.0mmの結晶がえられた. Ni-Co系合金をフラックスとして使い1700℃の育成温度で結晶成長を行うと, Co/Ni=1/2及び4/1のwt%組成比でそれぞれ最大1.5及び1.2mmの結晶が成長した. Ni, Coいずれのフラックスを使用しても, 結晶の格子定数はa0=4.4695±0.0005Åとなり, 結晶の成長面は {100} であった. Niを使うと, 成長した結晶はほとんど量論値に近い組成を示し, 結晶中のNi量は, 1800℃で4時間保持したとき2900ppmであったが16時間保持すると600ppmまで減少した. この育成温度1800℃で得られた結晶面の転位密度は108/cm2であった. Coを使うと, 結晶中には遊離の炭素が含まれていることが分かり, 結晶中のCo量は1600°及び1800℃の育成温度でそれぞれ7900及び1250ppmであった.
  • 牧原 正記, 早川 惇二, 野上 正行, 小見山 享, 守屋 喜郎
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 774-780
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    50-70CaO・15-40Ga2O3・0-20GeO2組成の試料について, ガラス転移点 (Tg), 加熱時の結晶化温度 (Tc), 融解温度 (Tm), 冷却時の結晶化温度 (Tk) 及び, 析出した結晶の分率 (X) の測定を行った. CaO-Ga2O3-GeO2系のT-T-T曲線とQ-T-T曲線を赤外加熱DTAの測定結果から求めた. 65CaO・25Ga2O3・10GeO2組成に近い領域では, ノーズの位置は, 30s, 1050℃であることが分った. 一定速度 (Q) で冷却中に析出する結晶の分率 (X) の温度, 冷却速度変化を温度と, -Qn・ln(1-X) の関係 (Q-T-T曲線) で表した. 1150℃以上の高温側では種々の冷却速度における-Qn・ln(1-X) の値は, n=4のときによく一致した. 低温側では, nの値がより小さいときに一致がみられた.
  • 坂村 博康, 安井 至
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 781-785
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2価イオンを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの内部摩擦をねじり振動の自然減衰法で測定した結果, ピークが2か所で観察された. 低温側に現れるピークは単一アルカリ系でみられる低温ピークと同じもの, すなわちアルカリイオンの動きによって生じるものと断定できる. 一方高温側に現れるピークは, 混合アルカリ系でみられる混合カチオンピークと類似のピーク挙動を示すことから, アルカリイオンと2価イオンの共存によって生じる相互作用に基づいて現れる混合カチオンピークであり, その緩和機構は混合アルカリ系の混合カチオンピークの緩和機構と基本的には同じものであると考えた. また両ピークには, 一方が高くなれば一方が低くなるという密接な相関関係が認められた. このことから両ピークの緩和機構には共通の緩和要素, すなわちアルカリイオンが関与していると推察した.
  • 佐藤 孝順, 戸田 善久, 橋本 甲四郎, 小林 健吉郎, 岡本 祥一
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 786-790
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    褐色層 (Fe2O3として1%以上含有) を含む低品位陶石を水素還元し, 褐色層を磁気分離法により取り除いた. 還元により含有されている鉄分の磁化が50倍ほど高くなり, 褐色層の磁気分離が容易になった. メスバウワー測定, 磁気測定, X線回折の結果は, 褐色層中の非晶質水酸化第二鉄と推定される鉄分が還元によりFe3O4あるいはα-Feに変化したことを示している. 磁気分離後の陶石中の鉄分の含有量が0.5%となり, 著しく品位が向上した. 磁気分離の際, 磁石に付いた褐色層を希塩酸で処理することにより酸化鉄含有量を0.36%まで下げることができた.
  • 長田 裕也, 桑原 誠
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 791-795
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ホットプレス法を用いてBa0.35Pb0.65TiO3の組成をもつ半導性チタン酸バリウム鉛焼結体の調製を行った. 同組成の多孔質化された焼結体は4けた以上のPTCR (正の抵抗温度係数) 効果を示すことが分っているが, 今回, ホットプレスによって達成されたち密化がこの材料のPTCR特性にどのような影響を及ぼすかについて, 多孔質焼結体の特性との比較を行った. またホットプレス焼結体のPTCR効果に及ぼす熱処理の効果, 及びMnの添加効果についても調べた. その結果を以下に要約する.
    (1) ち密化されたPTCR材料は比較的小さなPTCR効果を示す.
    (2) 1200℃以上でホットプレス焼結体を熱処理した場合, 試料の導電性は粒成長だけでなく, PbOの揮散による組成の変動によって大きく影響される.
    (3) ホットプレス焼結体においては, Mn添加による顕著なPTCR特性の向上は認められなかったが, 添加量が0.03mol%以下である場合, わずかながらPTCR効果は増大した.
  • 吉田 晴男, 粂 正市, 鈴木 一孝, 町田 充秀
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 796-798
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 93 巻 1084 号 p. 798
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 田中 博史, 矢沢 哲夫, 江口 清久, 門田 正胤
    1985 年 93 巻 1084 号 p. 799-801
    発行日: 1985/12/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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