Journal of Chemical Software
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4 巻, 2 号
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  • 篠原 祐治, 里園 浩, 中島 剛, 鈴木 哲, 三島 彰司
    1998 年 4 巻 2 号 p. 41-50
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    7種の金属酸化物 (Sio2-Al2O3、 SiO2、 TiO2、 ZnO、 MgO、 MnOおよびCdO) 表面上のBrønsted酸点 (表面ヒドロキシル基) およびLewis酸点 (表面金属イオン) とエタノールとの相互作用を、DV-Xα法により検討した。これらの酸化物は、P. Sabatier/A. Mailhe (1910年) により報告されているエタノール脱水・脱水素反応選択性についての触媒序列の中から選択された。
    表面Brønsted酸点とエタノールおよび表面Lewis酸点とエタノールからなるモデルについて、それぞれDV-Xα法により計算した結果と実験的に決定された脱水反応選択性とを比較することにより、エタノールがBrønsted酸点と強く相互作用する場合にはエタノールの酸素にプロトン付加が起こること、また、この付加によりエタノールの電子状態が脱水反応に好ましい状態に変化することを結論した。これらの結果は、酸化物触媒上でのエタノールの脱水反応がE1機構で起こることを支持している。
  • 芦田 昇, 青山 義弘, 吉村 忠与志, ニューボルト ブライアン
    1998 年 4 巻 2 号 p. 51-56
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    全世界的にインターネット網が張り巡らされて、あらゆる分野において利用が推進されている。教育分野においても、いろいろな活用が試みられている。その中でもWWW (World Wide Web) によるインターネット・ホームページは、利用度が高く、HTML (Hyper Text Mark-upLanguage) で簡単に作成できることから、その普及には目覚ましいものがある。
    化学教育においても、インターネットを利用する方法が試みられ、本論文でその利用を検討した。本研究では、従来、物理化学実験の事前学習のためにビデオ映像を導入したCAL教材を開発して個々のコンピュータで活用してきた。今回は、それをHTMLファイル変換してインターネット・ブラウザで利用する可能性について基礎的な検討をした。ビデオファイルを取り込んだCAL教材は、サーバーコンピュータからのビデオデータの取り込みに時間が数分間かかった。現有パソコンの通信性能では、今回は、ビデオ第一画面のペーストによる画像イメージで最初学習を進める方法を検討し、学習画面の読み込み時間の短縮・即応という成果を得た。また、イントラネット (学内) での利用においては、全画面のビデオ映像の取り込みという時間を要せず、必要なビデオ映像だけによる学習意欲の向上効果が認められ、有用な方法であった。
  • 小野寺 光永, 長嶋 雲兵, 吉田 裕亮, 青山 智夫, 細矢 治夫
    1998 年 4 巻 2 号 p. 57-72
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    生体の断層イメージを測定する核磁気共鳴のシグナルやBelousov-Zhabotinsky反応 (BZ) などの振動反応の酸化還元ポテンシャルは、振幅と周期が時間とともに変化していく時系列データである。しかし、従来の統計的手法では振幅変化及び周期変化を同時に追うことは困難であり、その予測は難しかった。そこで本研究では、時間とともに振幅と周期が同時に変化する時系列データの予測を行うために、ニューラルネットワークからなるモデルを構築した。このモデルは、振幅変化及び周期変化の予測を行うための2つのニューラルネットワークと、それらを統括する一つのニューラルネットワークからなる。
    本モデルを用いて4種類のモデル関数による数値実験を行い、最小自乗法を用いた際の結果と比較したところ、学習区間においては最小自乗法の方が高い傾向があるが、予測区間においては本モデルの方が精度が高いことがわかった。特に振幅変化の予測では本モデルの方が高い精度を得ることができることがわかった。
  • 寺前 裕之
    1998 年 4 巻 2 号 p. 73-80
    発行日: 1998/06/15
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    TCGMSGメッセージパッセンジャーを用いた、一次元ポリマーのエネルギーバンド計算の並列処理について述べる。計算機として、Cray T932 (32 CPU)、IBM RS 60004台によるワークステーションクラスターならびに Pentium/Pentium-Pro を使用したパーソナルコンピューター4台からなるPCクラスターを使用した。並列化は二電子積分ならびに波数ベクトル各点における対角化に対して行なった。特に波数ベクトルに対する並列化処理はエネルギーバンド計算に対しては有効であることが判明した。対象としている問題が大容量の行列演算を必要とせず長いベクトル長が得られないため、スーパーコンピューターの高速性が十分に発揮されず、PCクラスターにおいても、スーパーコンピューターに匹敵する速度が得られることがわかった。
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