Journal of Chemical Software
Online ISSN : 1883-8359
Print ISSN : 0918-0761
ISSN-L : 0918-0761
5 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 林 佳代子, 福田 詩織里, 長嶋 雲兵, 細矢 治夫
    1999 年 5 巻 4 号 p. 137-146
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2000/03/28
    ジャーナル フリー
    グラフの特性量を集めたデータベース(Graphical Characteristics Data Base : GCDB)を開発した。GCDBにはグラフの名前、頂点数、頂点の次数、辺の数、隣接行列、トポロジカルインデックス、ケクレ数、非隣接数、Z'、マッチング多項式、距離多項式、Sz、ウイーナー数、n歩数、固有値という16種類の特性量とコメントおよびグラフの図が、蓄えられている。ユーザーインターフェイスは、WWWを用いる。現在Multi-Layerd Cyclic Fence Graph約330とその特性量をデータベース化し、お茶の水女子大学において仮公開を開始した。(http://www.sap.is.ocha.ac.jp/~hayasi/cgi-bin/gcdb.cgi)
  • 赤穂 栄一, 藤川 智香子, Howell I. RUNION, Craig R. HILL, 中野 英彦
    1999 年 5 巻 4 号 p. 147-162
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2000/03/28
    ジャーナル フリー
    COX1の酵素活性に影響を与えることなくCOX2 を選択的に阻害する薬物が理想的な非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)であるといわれている。そこで、Dock4.0を用いて、NSAIDのCOX1とCOX2に対する阻害モードの研究を水素結合と結合エネルギーの点から試みた。COX2に選択性の有るNSAIDの阻害モードは、R.S. Spangler (Seminars in Arthritis and Rheumatism, 26, 435-446 (1996)の報告しているin vitroのパターンと類似していることがわかった。従って、Dock4.0と報告されているin vitro研究の結果の間にはかなり良い相関性があるといえる。COX1の阻害モードに関しては1種類が類似、他の1種類が類似せず、3番目は中間であったnabumetone, meclofenamate, niflumic acid, indomethacin, sulindac, および flurbiprofenのごときNSAIDがCOX2に結合する場合、1から3種類(延べ少なくとも12種類)の水素結合が存在することがわかった。 このような水素結合の形成に関与するアミノ酸残基は、phe A518, Arg A120, Tyr A385, His A90, および Tyr A355 であった。Phe A518, およびHis A90 はすでにR. G. Kurumbail et al. (Nature, 384, 644-648 (1996)) によって報告されているが、それ以外のアミノ酸残基についてはいまだ報告されていなくCOX2と阻害剤の結合様式は想像以上に複雑であるといえる。
  • 三浦 裕行, 菊地 武
    1999 年 5 巻 4 号 p. 163-172
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2000/03/28
    ジャーナル フリー
    粉末X線回折デ-タをもとに結晶構造を自動的に探索するプログラムを作成し、有効性を確認した。リートベルト法においては計算のもとになる構造モデルをあらかじめ与える必要があり、構造未知の物質に対しては大変困難な作業となる。本プログラムは粉末X線回折デ-タ、格子定数、空間群、組成式、Z数をもとに空間群で決められた対称を満足するように個々の原子を乱数で配置してモデルをつくり、R因子を用いて選別することにより真の構造モデルを探索する。原子位置が収束してきた段階で、探す範囲を得られたモデルの原子位置の近傍に限定することにより全体の計算時間を大きく短縮することが可能である。Pentium-166のパーソナルコンピューターを用いてbrookite (TiO2, Z=8) および forsterite (Mg2SiO4, Z=4) の構造を2日以内で解くことができた。
  • 崎山 博史
    1999 年 5 巻 4 号 p. 173-180
    発行日: 1999/12/15
    公開日: 2000/03/28
    ジャーナル フリー
    化学反応の速度論的解析を目的として,時間変化曲線解析プログラム「名称: KINE」を開発した。KINEは,平衡反応や並発反応等を含む25種類の反応パターンについて,初濃度と速度定数の入力によって時間変化曲線を求める。また,実測値に対して速度定数等最大8個のパラメーターを同時に最適化し,フィッティングを行なう。単純な一次反応および二次反応について誤差の見積りを行なったところ誤差は1%以内であり,全自動フィッティングでは98.9%以上の精度で速度定数が求められた。
feedback
Top