Journal of Chemical Software
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8 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究論文
  • 藤澤 雅夫, 木村 隆良
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2002 年 8 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/10/31
    ジャーナル フリー
    筆者らは水溶液中における分子識別の操作を解明するため、シクロデキストリン(CD)によるアルコールの包接現象を微少熱量データを用いて測定してきた.今回はゲスト分子であるアルコール分子の様々な分子表面積を評価し、包接に伴う分子間相互作用と分子識別の相関について検討した.CDの空洞内壁はゲスト分子である一価アルコールの疎水性部分の表面積を明確に認識していることが確認された.
  • 時田 澄男, 木戸 冬子, 杉山 孝雄, 渡部 智博, 時田 那珂子, 東 千秋
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2002 年 8 巻 1 号 p. 7-16
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/10/31
    ジャーナル フリー
    水素原子の原子軌道をマルチメディア技術(静止画および動画)を用いて種々の表示方法(等値曲面, 擬三次元, 等高線, 断面図)で可視化するとともに, 対応する力学的振動についても同様に可視化した. 可視化結果を, CD-R (Compact Disk Recordable) に格納した. ランダム呼び出し可能な媒体の機能を使用して, 可視化データを任意に組合せて表示して対比させることにより, 節(節面)などの波の特徴を認識し, 原子軌道の波動性の理解を深めるよう工夫した.
  • 高橋 梨紗, 細矢 治夫, 福田 朋子, 長嶋 雲兵
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2002 年 8 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/10/31
    ジャーナル フリー
    学習方法として中間層において自己組織化を行い、全体に教師付学習の両方を行う、自己組織化とパーセプトロンを融合した二ューラルネットワークシミュレータの開発をプラットフォーム非依存性を持つ Java 言語を用いて行った。本シミュレータは、自己組織化と教師付学習の双方の特徴を併せもつため、従来のニューラルネットワークよりも高精度な認識処理を実現し、かつ高速学習が可能となる。
      このシミュレータを用いて、分子構造によって甘味や苦味の性質を示す22種類のペリラルチン類の疎水性パラメータ logP の予測を行った。入力パラメータは分子構造STERIMOLパラメータ5種のパラメータと甘味/苦味の分類値を用いた。出力層のノード数を1つにすることで、 logP の値を連続した数値データとして予測できるようにした。絶対誤差が平均して0.02までの学習を500回程度で行うことができ、また未学習データに対しては平均して0.3程度の絶対誤差、最大でも0.8程度の絶対誤差で予測が可能であった。単純パーセプトロンの予測精度は、平均して0.6程度の絶対誤差であり、また最大の絶対誤差は1.3程度と大きく、本手法がより精度の高い予測を行っていることがわかった。
    &nsp; 本手法は学習回数が単純パーセプトロンに比較して1/5 - 1/10程度少なく、高速学習が可能であった。
  • 神部 順子, 福田 朋子, 長嶋 雲兵, 青山 智夫
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2002 年 8 巻 1 号 p. 27-36
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/10/31
    ジャーナル フリー
    河川の上流・中流・下流を示す水質パラメータを抽出するために、東京都環境局の「公共用水域および地下水の水質測定結果」(1997年から1999年)[4]に掲載の多摩川の17地点の水質に関するデータを主成分分析と新たにJavaを用いてニューラルネットワークシミュレータNecoに実装された3層パーセプトロン型ニューラルネットワークの入力パラメータの偏微分係数解析[2, 3]を用いて解析した。
      主成分分析の結果から、上流・中流・下流の分類は第一主成分と第二主成分の主成分得点を組み合わせることで可能であることがわかった。しかしながら、主成分分析では、12種類のパラメータのうち上流・中流・下流の分類に大きな寄与をするパラメータの抽出はできなかった。偏微分係数解析からはCl-, COND, NH4-Nなどの微係数が大きいことが判った。これらの変数は主に上流・中流と下流を分類するものである。また、これらに続く絶対値の大きさを持つT-P, NO3-N, PO4-Pは、中流と下流および上流を分ける変数となっており、上流を分類するパラメータは、pHとDOであることがわかった。
      水質汚染という観点からみると、多摩川では上流から中流域の水質の変化に比べて中流から下流域の水質変化の方が緩やかであることがわかった。このことにより多摩川の水質保全には、中流域での汚染原因を取り除くことが重要であることが示唆された。
技術報文
  • 城石 英伸, 鏑木 悠城, 瀬尾 美智子, 時田 澄男, 金子 正夫
    原稿種別: 技術報文
    専門分野: その他
    2002 年 8 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/10/31
    ジャーナル フリー
    電気化学測定解析を実装したグラフデジタイザ“GetValue"を、Visual Basicを用いて作成した。この“GetValue"は、時間-電流曲線から拡散係数を見積もる解析ルーチン(Figure 2)と電流-電位曲線からフィルファクターなどの電池特性を解析するルーチン(Figure 3)を実装しており、数値化直後に、必要なパラメータを入力するだけでそれぞれの解析が実行できる。また、通常のグラフデジタイザ(用紙等に記録されたグラフを数値化するソフト)としても使用できる。数値化する際に必要な基準点の設定は、取り込み解像度(dpi)と基準点を用いる方法(ツールバーFigure 1(c))またはチャート上の2点を用いる方法が選択(ツールバーFigure 1(d))できる。また、スキャナーで取り込む際に生じる微妙な角度の曲がりを修正するため、指定した2点がフラットになるような回転機能を装備した(ツールバーFigure 1(e))。 データは一度に7系列まで分けて取り込むことができる。出力方法として、ポイントした点を数値化する機能(ツールバーFigure 1(f))のほかに、スプライン補間による読み取りも装備し(ツールバーFigure 1(g))、少ない点を指定するだけで効率よくデータを数値化できるようにした。
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