2層式光化学電池(Figure 1)の仮想シミュレータをVisual Basicを用いて作成した。この仮想デバイスにより、光照射開始時から定常電流値になるまでの応答速度から、電荷分離速度(
kd)および再結合速度(
kr)を算出することが可能であることが示された(Figure 3)。また、層の厚さを変えて、on-off応答を測定することにより、電荷分離領域の幅を推定できることが示唆された(Figure 4)。光電池の性能を向上させるためには拡散係数の向上だけでなく、光電荷分離効率の向上が重要であることが示された(Figure 5)。[Ru(bpy)
32+]を増感剤、Prussian Blueをメディエータとして用いると、短絡光電流3μA/cm
2、開放起電力0.15Vの光電池となることが明らかとなった。作用スペクトル測定(Figure 7)により、[Ru(bpy)
3]
2+が増感剤として機能していることが示された。仮想デバイスによるシミュレートの結果、
kd= 5 × 10
2 mol
-1cm
3s
-1、
kr = 6 × 10
9 mol
-1cm
3s
-1と算出された。
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