ジオシンセティックス論文集
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25 巻
選択された号の論文の41件中1~41を表示しています
論文
  • 安 東漢, 小田 和広, 常田 賢一, 承 庚
    2010 年 25 巻 p. 1-8
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    一般的に超軟弱粘土地盤においては,施工重機のトラフィカビリティを確保するための表層処理工法としてジオテキスタイルが敷設されることが多い.ジオテキスタイルが覆われた超軟弱地盤の挙動に関する様々な研究がされているが,これらの研究はジオテキスタイルが完全拘束された条件におけるものが多い.本研究では,超軟弱地盤の支持力に及ぼすジオテキスタイルの拘束条件の影響を評価するために,数値解析を行った.数値解析では,ジオテキスタイルと地盤の摩擦を考慮するために,ジョイント要素を導入した.解析結果は,ジオテキスタイルの端部拘束を変化させた模型実験の結果と比較した.その結果,超軟弱地盤の支持メカニズムに及ぼすジオテキスタイルの拘束条件の影響が明らかになった.
  • 加賀 宗彦, 清川 伸夫, 原田 道幸
    2010 年 25 巻 p. 9-14
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ジオテキスタイル敷設補強土壁とジオセル補強土壁の補強メカニズムの異なった補強土壁面の変形の調査を実施した.結果としてそれぞれの変形特性は大きく異なった.この結果から補強のメカニズムの違いは補強土壁の変形に大きく影響することがわかった.次に弾性理論を用いてジオセル補強土壁の共振周波数の予測を試みた.一般的に耐震強度の安定計算は地震よって付加される応力を考えて行われる.この場合周波数には無関係である.土構造物は塑性体であるので共振の考え方は取り込めない.しかし,土であっても塑性領域に移行するまでは弾性的ふるまいも考えられる.したがって周波数の影響を受ける範囲もあると考えジオセル補強土壁の共振周波数を予測してみた.
  • 川村 國夫, 小谷 哲治, 亀井 順一郎, 久保 哲也, 神崎 隆洋
    2010 年 25 巻 p. 15-18
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    気候変動枠組条約第3回締結国会議において,先進国では2008年~2012年の間に温室効果ガスを一定量削減することが決定した.日本では6%削減することが義務付けられ,このうち3.9%を森林整備によって吸収する計画とした.そこで,国および各自治体では、健全な森林の成長を促す間伐作業の推進が図られており、間伐によって発生した間伐材の有効活用が必要とされている.そこで,筆者らは間伐材の有効活用として,補強土壁の壁面材に間伐材を適用した.本論文は,壁面材に間伐材を用いた補強土壁の工法概要と,過去に構築した補強土壁の経年調査について報告するものである.調査は,植生状況,間伐材の腐食状況および補強土壁の安定度について実施した.
  • 松岡 元, 山本 春行, 野本 太
    2010 年 25 巻 p. 19-26
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    D·BOX 工法とは、「土のう」を現代の地盤対策施工技術として活用できるように開発された工法であり、もはや「土のう」と呼べないほど進化しているためD·BOX(Divided Box)と名付けた。ここでは、砕石入りのD·BOX が透水層としても働き、最も強度を必要とする直下の軟弱地盤を局所的に3 次元“圧力球根”状に圧密·強化し、1次元圧密(全面載荷)の場合と比べて短期間に小さい沈下量で収束させる状況を3 次元弾性圧密FE解析結果と沼地でのD·BOX 上の載荷試験結果より説明した。さらに、D·BOX が振動エネルギーを袋に包まれた土粒子間の摩擦熱エネルギーとして消散させる高減衰の減振装置としての機能を果し交通振動を低減させる効果(地震動についても多数の証言有り)について、振動実験結果と最新の道路施工での振動計測事例より示す。
  • 河端 俊典, 奥野 哲史, 柏木 歩, 毛利 栄征, 木本 茉那
    2010 年 25 巻 p. 27-32
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    近年,老朽開水路の改修やコスト縮減の観点から,パイプラインの浅埋設工法の適用が進展しているが,圧力管路水平屈曲部に作用するスラスト力に対する当工法の有効性は未解明のままである.そこで本研究では,ジオグリッドを用いた浅埋設工法を対象とした小型模型実験を行い,その有効性について検討した.実験結果より,浅埋設工法がスラスト防護工法に有効であることが明らかとなった.また,受働地盤の抵抗メカニズムについて,2次元個別要素法から検討した結果,水平抵抗力の増加について,ジオグリッドを用いて補強した領域が一体化することに起因することが明らかになった.
  • 鍋島 康之, 才津 陽平, 青島 光伸
    2010 年 25 巻 p. 33-38
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    補強土壁工法の工費に占める補強材費の割合が高いことから,建設コストの縮減を図るため,補強土壁の安定性を確保しつつ補強材の使用量を減らす方法が検討されている.補強材の敷設パターンを変えることにより,補強材の使用量を減らした場合に補強土壁の変形挙動にどのような影響が生じるかについて,小型模型実験における変形挙動をもとに検討する.小型模型実験の結果から,補強材間隔をあけた場合,補強材幅を1割程度削減した補強材でも,補強材間隔をあけずに全面的に敷設する場合よりも壁面変位量は小さくなったため,変位量を抑えながら補強材の使用量を縮減できる可能性が示された.
  • 福田 康之, 宇野 誠, 西浦 譲二, 西 英典, 山崎 智寛, 間 昭徳, 島田 豊, 堀江 信征, 佐藤 雄太, 金子 賢治, 熊谷 浩 ...
    2010 年 25 巻 p. 39-46
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ジオセル構造の開発と設計条件を整理するためにウレタンによる地盤モデルと数種類の剛性と厚さが異なるジオテキスタイルを使用した基礎実験を行った.ウレタン地盤モデルのモデルとしての適切性を調べたあと,ジオテキスタイルで直接基礎を模擬し,敷設方法,重ね方などの効果を簡易な実験により確認した.着目した現象は最大変形量と沈下形状であり,ジオテキスタイルの剛性や重ね方による沈下性状への影響を調べた.さらにこの実験結果をジオセルの開発に発展させるために弾性論を使用してジオセルの剛性や構造を調べる目的で概略的な解析を行った.本論文では実験結果と解析結果を示す.さらにこうした実験結果を踏まえてジオセル構造の開発方向を展望する.
  • 松野 剛, 宮田 喜壽, 平川 大貴
    2010 年 25 巻 p. 47-52
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    粒状土中にHDPEジオグリッドを配置し締固め荷重を与えることで準備した損傷供試体の引張り強度特性を調べた.損傷レベルをレーザ変位計で測定した供試体の表面粗度をもとに評価した.引張り試験における供試体のひずみ解析には画像解析技術を用いた.損傷レベルがHDPEジオグリッドの引張強度特性の及ぼす影響を統計的に考察した.本研究の成果はジオグリッドの設計引張強さの評価法の合理化に貢献する.
  • -積層体模型実験による圧縮成分の評価-
    木全 卓, 正木 裕也
    2010 年 25 巻 p. 53-58
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    本研究では,EPS破砕片混合土の圧縮特性をモデル化するための基礎研究として,破砕片の変形に起因する圧縮成分の定量的な分類・評価を試みた.具体的には,アルミ棒と発泡スチレン棒で模擬した積層体模型を用い,骨格構造の違いも考慮しながら一次元圧縮試験を行った.そして,圧縮過程をデジタル撮影した画像を解析して混合土全体,破砕片自身,間隙部分の体積変化をそれぞれ個別に算出し,幾何学的な観点から各成分を分析した.その結果,EPS破砕片の混合によって付加される圧縮成分としては,1)破砕片自身の体積圧縮,2)それに起因する骨格変化による間隙部分の減少,3)変形した粒子の移動に起因する間隙変化,に分類されることがわかった.
  • 小林 幹人, 関 雅樹, 渡邊 康人, 関根 悦夫, 中村 貴久, 村本 勝己
    2010 年 25 巻 p. 59-64
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    列車通過に伴う路盤変位が大きい箇所では,曲線外軌側のバラストが振動により徐々に崩れて軌道内に流れこむバラスト流動化現象が発生する場合がある.そのような箇所ではバラストが軌道の横移動を抑える力が弱まり,軌道狂いが発生する恐れがあるため,頻繁に保守を行っている.そこで,バラスト流動対策としてまくらぎ端部のバラストをジオテキスタイル製の網目袋(ジオテキバッグ)に詰め,移動を拘束する工法を検討した.効果を確認するため,バラスト流動現象が発生している剛性の低い路盤を模擬した実物大模型軌道を作成し,列車相当の荷重で軌道の強制加振実験を行った.その結果,無対策のケースではバラスト流動現象が発生したが,ジオテキバッグでまくらぎ端部のバラストを拘束したケースではバラスト流動が発生せず,一定の効果がみられた.
  • 藤本 健太, 渡邉 陽一, CHEVARIER Bastien, 大谷 順, 弘中 淳市
    2010 年 25 巻 p. 65-70
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    深層混合処理工法に代表される杭体とジオグリッドの併用工法は,土のアーチ効果とジオグリッドの面的効果に起因する荷重分担効果によって杭間の軟弱地盤に作用する上載荷重を低減させ,不同沈下の抑制を図ることを目的として用いられている.現行の設計では,長さ方向(または幅方向)の一方向のみでのジオグリッド引張剛性しか考慮されていない.しかしながら,ジオグリッドは多次元構造であり,一方向のみではなく二方向あるいは多方向にも面的効果が機能していると考えられる.本論文では,杭体―ジオグリッド併用工法を対象とし,個別要素法を用いてジオグリッドの異方性が荷重分担効果に及ぼす影響について検討した.
  • 佐藤 崇, 間 昭徳, 鶴山 昇, 佐藤 雄太, 鈴木 久美子, 金子 賢治, 熊谷 浩二
    2010 年 25 巻 p. 71-76
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    日本は地震災害を多く受ける地域であり,近年もその被害について対策案が種々考えられている.現在各建築法令が改訂されているなか,既設オイルタンクの基礎に関しても地震時の被害を低減するための比較的簡易な補強工法が求められている.本研究では比較的簡易な補強工法として,耐久性・強度特性・施工性にすぐれたジオテキスタイルを使用した工法の開発を目指して基礎的・実験的な検討を行った.まず,構造物直下の地盤にジオグリッドを縦方向に使い基礎地盤を囲むことによるジオグリッドの引張り材としての基礎の沈下に対する補強効果の確認を行った.次に,地震時の液状化による構造物基礎の沈下抑制効果の検討のために振動台を用いた液状化実験を実施した.
  • 佐藤 厚子, 西本 聡, 鈴木 輝之, 竜田 尚希, 王 宗建
    2010 年 25 巻 p. 77-82
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    寒冷地では,ジオテキスタイルを用いた補強土壁が凍上により変形する例が報告されている.その対策の確立を目的として,これまで,置換,排水,断熱に着目した実物大模型を構築し,ひずみや変形を測定し標準工法と比較した.その結果,置換,断熱工法により凍上による変形を抑制できる可能性があることが分かった.今回施工から1年が経過した補強土壁について計測を継続するとともに,断熱工法に着目して新たに3種類の凍上抑制工を設置した.それぞれの補強土壁を計測した結果,全体の傾向として、凍上によって発生したひずみや変形が融解後も残留し,次の凍結により累積していくことが分かった.
  • 平川 大貴, 宮田 喜壽
    2010 年 25 巻 p. 83-90
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    我が国では「片切片盛の盛土」や「谷地の盛土」が多く構築されている.この様な盛土構造物には様々な降雨対策が施されているが,毎年多くの土構造物が降雨によって被災していることも事実である.気候変動に伴って顕在化してきた降雨量と降雨強度の増加に対応していくためには,積極的な降雨対策が必要である.本研究では室内降雨浸透実験を実施し,ジオシンセティックスによる盛土構造物の降雨時安定性の向上を検討した.この結果,被災の主要因である「盛土内地下水位面の上昇」と「地表水の流下による表面浸食・飽和化による盛土の流動変形」に対して,ジオシンセティックスによる土中水の排水と盛土の補強は降雨時安定性の向上に効果的である事を確認できた.
  • 川尻 峻三, 澁谷 啓, 川口 貴之, 吉永 洋, 岸本 真輝, 境 芳樹, 三宗 桂司
    2010 年 25 巻 p. 91-98
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    神戸空港埋立池では,周辺海域で採取された浚渫土を用いた埋め立て工事が行われている.現在までに相当量の浚渫土が投入されており,所定の浚渫土量を所定の期間内に受け入れるためには浚渫土の減容化が必要となっている.また,減容化対策後も追加して浚渫土砂を受け入れる可能性が残されていることから,早急に減溶化(圧密促進)が可能な工法を適用する必要性が生じた.そこで本研究では,まず初めにXRD(X線回折),ベンダーエレメント試験等の各種室内土質試験を駆使して浚渫土の物理・化学的性質や力学的性質を詳細に調べた上で,凝集剤および圧密促進工法に用いられるプラスチックボードドレーン(PBD)材の排水性能について詳細に検討した.
  • 松島 健一, 毛利 栄征, 中澤 克彦, 山田 耕士, 堀 俊和, 有吉 充
    2010 年 25 巻 p. 99-106
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    バングラデシュでは,毎年の洪水による波浪侵食が極めて深刻な問題となっている.脆弱な農村インフラ施設は,人命・財産を守れないばかりか,経済的な損失,施設の補修・改修費の増大を生み,貧困の悪循環を招いている.そこで,我々は,波浪侵食による農村インフラの被害防止・軽減を図ることを目的として,1)現地で入手可能な材料と,2)人力を主体とする施工技術を組み合わせた侵食対策工の開発に着手した.本報告では,湛水により厳しい波浪作用を受ける農村道路を対象として,扁平状の大型土嚢を斜面に傾斜して積層する工法(以下,土嚢積層工法という)を採用したパイロット試験(施工区間28.0m, 盛土高2.9m, 盛土勾配1V: 0.6H, 使用した土嚢袋数1,776 袋)について報告する.
  • 前田 健一, 柴田 賢, 馬場 干児, 桝尾 孝之, 今瀬 達也
    2010 年 25 巻 p. 107-112
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    局所的な集中豪雨による河川堤防の損傷には,堤防表層部から浸透水による堤体の飽和化と堤体内浸潤線の上昇に伴う間隙空気のブローが関与していることが数値解析で想定されている.都市が発達する下流部の河川堤防は軟質な細粒分の多い砂質土から構成され,堤体内に封入された間隙空気による堤防の損傷を受けやすいと考えられている.本論文では,降雨発生装置を備えた模型堤防実験により,降雨浸透や河川水位の上昇に伴う間隙空気塊の挙動を把握した.無体策の堤体では降雨浸透や河川水位の上昇により空気圧の上昇やブロー現象が確認できた.遮水シートによる浸透防止対策工ではシート下位の間隙空気圧が上昇した.また,透気性のある遮水シート施工時は降雨浸透防止効果と間隙空気圧の上昇軽減効果が確認できた.
  • 木幡 行宏, 蒲生 夏希, 弘中 淳市, 平井 貴雄
    2010 年 25 巻 p. 113-118
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ジオテキスタイルをフィルター材として土中に敷設した場合,土粒子の侵入・捕捉に伴った目詰まりによる透水性能の低下が予想される。本研究では,ジオテキスタイルをフィルター材として用いたときの垂直方向透水性を検討することを目的として,構造的に製造方法が異なるジオテキスタイルを試料土層(千葉ローム)と礫層の間に挟んだ供試体に,動水勾配i = 1 及び 4 として,定水位透水試験を実施し,織布および不織布の垂直方向透水性について比較・検討した。実験結果より,本研究で使用した織布系ジオテキスタイルは不織布系ジオテキスタイルに比べて透水性が高いこと,目詰まり現象の発生はジオテキスタイルの材質に依存する可能性が高いことなどが明らかとなった。
  • 中島 進, 榎本 忠夫, 佐々木 哲也
    2010 年 25 巻 p. 119-126
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    分割型壁面を有するジオテキスタイル補強土壁について,常時・地震時の補強土壁の挙動を精緻に把握すること及びその崩壊メカニズムを把握することを目的として,1)補強材配置,2)壁面高さ,3)基礎地盤条件,4)壁面工の形式,5)背後地盤条件を変化させて動的遠心模型実験を実施した.本報では,補強土壁の耐震性に顕著な影響を及ぼす諸要因を実験条件に応じて整理した。それと共に、補強土壁の荷重-変位モデルを明らかにするために,慣性力・地震時土圧・変位の位相特性に着目して検討を行った.その結果、補強土壁に作用する荷重として地震時土圧と慣性力を考慮し、その荷重により補強領域にせん断変形と壁面間での相対変位が生じると考えることで、模型実験における補強土壁の変形状況と、慣性力・地震時土圧・変位の位相特性を説明できる事が分かった。
  • 河端 俊典, 岩崎 善之, 毛利 栄征, 百々 宏晶
    2010 年 25 巻 p. 127-132
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    1995年の兵庫県南部地震では,多くのため池洪水吐が被災した.一般的に重量構造物である洪水吐は,地震時に大きな慣性力を受けることで破壊・変位を生ずることがその主因とされている.筆者らは,ジオグリッドを取り付けた耐震性を有する軽量洪水吐を提案し,振動台実験によりその有効性を明らかにしたが,メカニズムは未だ解明されていない.本研究では,地震時の地盤のせん断変形に着目し,提案工法に対して繰返し単純せん断試験を行った.アルミ棒積層体を用いた模型実験,および個別要素法(DEM)を用いた数値解析の双方から,その挙動メカニズムを検討した.実験および解析の結果から,洪水吐側壁に取り付けた補強材の引抜き抵抗により,洪水吐の変位が抑制されることが明らかになった.
  • 村上 清基, 久保 幹男, 松本 正士, 大河内 保彦
    2010 年 25 巻 p. 133-140
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    液状化時における盛土の変形抑制を目的とした,ジオシンセティックを砕石で挟み込んで盛土底部に敷設するタイプの対策工法について検討した.1)無対策,2)ジオシンセティックのみを敷設,3)砕石で挟み込んだジオシンセティックを敷設の3ケースについて,Dr=50%の硅砂7号で作製した地盤を液状化層とする動的遠心模型実験を実施した.
    その結果,無対策盛土で生じた最終沈下に対する変形抑制効果は2)で85%,3)では65%であった.法尻変位に関しては2),3)ともに変形抑制効果が高い.また,実験を行ったケースに関してUWLC(動的有効応力)解析でシミュレーションを実施し,沈下抑制効果に関しては比較的よく表現できることがわかった.
  • 森野 達也, 丸山 修, 米澤 豊司, 青木 一二三, 小島 謙一, 坂本 寛章
    2010 年 25 巻 p. 141-146
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    新幹線のスラブ軌道用盛土では,耐震性の向上や保守の低減のために許容沈下量や施工方法等に制約が多く,建設コストにも影響を与えている.したがって,より経済的な盛土を構築するには盛土材料の適用性を拡大し,急速施工が可能な工法の開発が必要とされた.そこで,筆者らは比較的細粒分の多い材料など,これまで不適とされる材料に対して,ジオテキスタイルで盛土全体を補強し,かつ盛土内に構築した地盤改良杭がコンクリート路盤を支持することで,地震時も含めて沈下を抑制するパイルスラブ式盛土を開発した.本論文では,パイルスラブ式盛土の各種振動台実験から,地震時の挙動や応答特性,沈下性状等を明らかにし,盛土補強材や地盤改良杭の効果について述べる.
  • 黒田 哲也, 相馬 亮一, Munoz Henry, 太田 準一郎, 清田 隆, 原田 道幸, 龍岡 文夫
    2010 年 25 巻 p. 147-152
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    引張り部材の高さが盛土内から引抜け抵抗に及ぼす影響を実験的に検討した。限定された実験条件での比較ではあるが、ジオセルの土中引き抜け抵抗は、その部材高さが大きいことから、ジオグリッドと比較して大きな引き抜け抵抗を発揮する可能性を示す実験結果を得た。しかし、ジオセルの軸方向の剛性を高めないと上記の利点は全面的に発揮できないこともわかった。本研究では、振動台模型実験により、GRS一体橋梁の盛土をジオセルで補強した場合の地震時安定性を検討した。その結果、地震時安定性は盛土が無補強な場合よりも大幅に向上するが、盛土をジオグリッドで補強した場合ほどには向上しないことが分かった。この場合も、ジオセルの剛性を向上させれば耐震性は向上することを示唆する結果が得られた。
  • Munoz Henry, 龍岡 文夫, 舘山 勝, 渡辺 健治
    2010 年 25 巻 p. 153-160
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    固定と可動の支沓を介して橋桁を一対の片持ち梁形式の橋台(重力式、L 型RC 構造物など)の上端で支持し裏込め盛土は無補強のままである従来形式の橋梁の耐震性は、一般に大変低い。従来形式の一体橋梁では、連続桁を一対の橋台と一体化している。新しい形式のGRS 一体橋梁では、橋桁を剛な一体壁面工と一体化するとともに、裏込め盛土を壁面工背面に結合したジオシンセティックス補強材で補強するため、遥かに高い耐震性を有する。GRS 一体橋梁の耐震安定性は、補強盛土の壁面工背後の一部分をセメント改良することで更に向上する。これら異なる形式の一体橋梁の振動台模型実験の結果を一自由度系振動理論で解析し、盛土のジオシンセティックス補強とセメント改良により動的強度、動的靭性、減衰特性が高くなり、その結果耐震性が高くなることを示した。
  • 榎本 忠夫, 中島 進, 佐々木 哲也
    2010 年 25 巻 p. 161-168
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    分割型壁面を有するジオテキスタイル補強土壁について,常時・地震時の補強土壁の挙動を精緻に把握すること及びその崩壊メカニズムを把握することを目的として,1)補強材配置,2)壁面高さ,3)基礎地盤条件,4)壁面工の形式,5)背後地盤条件を変化させて動的遠心模型実験を実施した.本報では,まず実験方法・実験条件についてまとめる.その後,模型実験で得られた計測値の中で,遠心力上昇後の底面反力及び補強領域背面に作用する水平土圧および補強材張力について分析すると共に,現行の設計計算法による計算値と比較し,常時の安定計算法の課題について考察したので,その結果について報告する.
  • 佐々木 哲也, 中島 進, 榎本 忠夫
    2010 年 25 巻 p. 169-176
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    分割型壁面を有するジオテキスタイル補強土壁について,常時・地震時の補強土壁の挙動を精緻に把握すること及びその崩壊メカニズムを把握することを目的として,1)補強材配置,2)壁面高さ,3)基礎地盤条件,4)壁面工の形式,5)背後地盤条件を変化させて動的遠心模型実験を実施した.本報では,地震時において,補強土壁の安全性を確保しうる限界の状態を明らかにするために,壁面工の脱落や補強材の伸長が補強土壁の地震時挙動に及ぼす影響について検討した.その結果,補強材の伸長は限定的な箇所であれば,補強土壁の地震時挙動に顕著な影響を及ぼさないが,壁面工の脱落が生じると,背後地盤の流出を誘引し,連鎖的に補強土壁全体が崩壊に至ることが分かった.また,壁面工の脱落は安定補助材を敷設していない壁面工において生じたため,安定補助材が壁面工の局所的な安定性,ひいては補強土壁の安全性を確保するために,特に重要である事が分かった.
  • 宮田 喜壽, 篠田 昌弘, 小浪 岳治, 大野 孝二, 米澤 豊司, 弘中 淳市
    2010 年 25 巻 p. 177-182
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ジオグリッド補強土壁のライフサイクルコスト(LCC)の計算法が提案される.提案法は,初期建設費,維持管理費,地震による災害復旧リスクの和でLCCを評価する.ジオグリッド補強土構造物の冗長性を考慮できる信頼性解析法で計算される破壊確率災害復旧費の積で災害復旧リスクを計算する方法を示した.LCC解析の結果に基づき,ジオグリッド補強土壁は,L型擁壁や無補強盛土に対して大きなアドバンテージを有することを示す.本文の成果は,IGS日本支部技術委員会第4ステージ(2007-2009)の成果の一部である.
  • 大野 孝二, 宮田 喜壽, 小浪 岳治, 弘中 淳市, 金子 智之
    2010 年 25 巻 p. 183-188
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    精度の高いライフサイクルコスト評価には,初期建設・維持管理・災害復旧などに要する各種費用の算定法が重要になる.本研究では,ジオグリッド補強土壁を道路構造物に適用したケースを想定し,上記コストの算定法について検討した.一連の検討において,初期建設費・維持管理費に関しては,国土交通省の技術報告書や建設物価を参照して検討した.災害復旧費に関しては,全面復旧を行う場合を対象に費用の算定法を検討した.本論文はそれらの費用の標準的算定法を示し,ジオグリッド補強土壁,L型擁壁,無補強盛土における各種費用を比較する.本文の内容は,IGS日本支部技術委員会第4ステージ(2007-2009)の成果の一部である.
  • 篠田 昌弘, 宮田 喜壽, 米澤 豊司, 弘中 淳市
    2010 年 25 巻 p. 189-196
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    本論文は,超一様分布列を用いたモンテカルロ法により,無補強盛土と補強盛土の地震時変形量を算定し,その結果を用いた地震時のライフサイクルコストについて述べたものである.コストの算定は,積算して求めた初期建設費と想定した復旧方法による復旧費から試算した.地震時ライフサイクルコストを算定した結果,無補強盛土より補強盛土のほうがライフサイクルコストが低いことが分かった.ライフサイクルコストを用いることにより,初期建設費だけではなく,その後の復旧費の影響を考慮した構造物の地震時安定性を合理的に評価できることを示した.
  • グエン ホアン ジャン, 桑野 二郎, 井澤 淳, 関 栄
    2010 年 25 巻 p. 197-202
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    近年の大地震により、ジオグリッド補強土壁にも様々な程度の被災が見られる。適切な補修や再構築のためには、そのような構造物の被災の程度をきちんと把握する事が重要である。本研究では、除荷・再載荷過程を経たジオグリッドの引抜き特性を引抜き試験で調べるとともに、得られた引抜き特性は、被災した補強土壁のすべり線や安全率の評価に用いられた。さらに50G の遠心場において、模型補強土壁に対して振動台実験と傾斜台実験を行った。振動や傾斜によりまず損傷を与えた補強土壁模型は、一旦除荷した後に再び50G で傾斜実験を行うことで再載荷し最終的に崩壊させた。そのような被災補強土壁の安定性に関し、引抜き試験で得られるピーク強度と残留強度の関係について考察する。
  • 原 隆史, 辻 慎一朗, 吉田 眞輝, 伊藤 修二
    2010 年 25 巻 p. 203-208
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    本研究では,狭小地でも適用可能な細幅の補強土擁壁の実現を目的として,杭を用いた補強土擁壁(Piled Geo-wall)の開発を行っている.過年度では,補強土擁壁を斜面上の道路盛土の耐震対策として用いた場合の杭の有無の差異,すなわち補強土擁壁の水平抵抗増加に及ぼす杭の適用効果を動的遠心模型実験により確認している.そこで本論文では,実物大のPiled Geo-wallを構築して静的水平載荷試験を行い,Piled Geo-wallの基本的な水平抵抗特性を確認したので報告する.また,この結果は,弾塑性はり-バネモデルで再現し,Piled Geo-wallを抗土圧構造物に適用する際の設計法として取りまとめたので,合わせて報告する.
  • 辻 慎一朗, 原 隆史, 伊藤 修二, 吉田 眞輝
    2010 年 25 巻 p. 209-212
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    ジオシンセティックスを用いた補強土による落石防護擁壁は,コンクリート擁壁のような剛な構造物に比べて落石エネルギーに対する衝撃吸収性能に優れており,落石防護工として用いられるようになった.しかし,大きな落石エネルギーに抵抗させるには,補強土の寸法が大きくなるため,用地制限がある場合には,その適用が困難であった.そこで,本論文では,杭を用いた補強土擁壁(Piled Geo-wall)の水平抵抗性能に着目し,実物大のPiled Geo-wallに対する衝撃載荷試験を行った.ここでは,Piled Geo-wallの衝撃載荷試験結果とその衝撃吸収性能を報告する.
  • 加藤 英樹, 桝尾 孝之, 千代田 健, 村田 佳久, 津田 暁, 福澤 崇志, 米原 拓実, 前川 幸次
    2010 年 25 巻 p. 213-220
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    落石を対象とした防災構造物(ロックシェッド)上に発泡スチロール(以後,EPSとする)を積層し,落石衝撃力を緩和する工法が一般的に行われてきた.落石衝撃力の緩和効果はEPS単体の積層構造で得られるが,衝撃力が大きくなると緩和領域(EPSの設置高さ)が大きくなり施工性や経済性が悪く不合理となることから,EPSの設置高をおさえて衝撃緩衝効果を高めることのできる工法が期待されている.
    本研究では,実物大レベルの重錘落下実験によりジオグリッドを補強材として設置したEPSの衝撃緩衝効果が従来の設計方法より向上することを確認することができた.
  • 田島 与典, 前川 幸次, 島田 優, 村田 佳久, 明永 卓也, 渡邊 忍, 難波 正和, 遠田 真澄
    2010 年 25 巻 p. 221-226
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    現在,落石の危険を伴う斜面に用いる対策は多種多様な工種があるが,補強土壁は落石防護構造として効果的であることが最近の研究でわかってきた.
    著者らは,ジオグリッドによる補強土壁における落石防護性能の確認を目的として,斜面落石に対する実物大実験を実施した.また,単粒度砕石を充填したジオセルを補強土壁の山側に配置し,落石の衝撃に対する緩衝効果を検証した.本研究では,補強土壁は落石防護性能に優れるとともに,ジオセルによる緩衝体は落石の衝撃緩和に効果的であるとの評価を得た.
    本論文では,実験方法および実験結果について考察し報告する.
  • 吉田 眞輝, 岡野 肇, 馬 貴臣, 辻 慎一郎, 岸 大二郎
    2010 年 25 巻 p. 227-232
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    2009年7月に,富士山5合目で落石災害が発生した。この災害発生斜面は比較的緩勾配であるにもかかわらず,落石が被災個所まで到達し重大災害に発展している。災害発生後、現地調査をもとにした落石経路のシュミレーションを行い,今後想定される落石規模に対応できる対策工として,高エネルギー落石に対応でき景観にも配慮できる落石防護補強土擁壁工(ジオロックウォール工法)が施工された。本論文では実際施工された落石防護補強土擁壁工の事例を,災害発生メカニズムの調査から対策工選定までの設計手順を踏まえ報告する。
  • NAKA Angelica, LI Zhenze, 乾 徹, 勝見 武, 最上 裕生
    2010 年 25 巻 p. 233-240
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    本研究では,建設工事において遭遇する重金属類を含む酸性水対策へのジオシンセティッククレイライナー(GCLs)の適用性を評価することを目的として,Al,Fe,Cu,Zn,As,Pbといった金属類に対するジオシンセティッククレイライナーの緩衝能力を実験的に評価した。室内試験においては,模擬酸性水を使用し,GCLs中のベントナイトに対する膨潤試験,重金属類の吸着試験,透水試験を行った。その結果,金属類の濃度が高いケースにおいては膨潤量が大幅に低下すること,Na型ベントナイトは重金属類に対する高い緩衝作用を示すこと,プレハイドレーションの実施によって,酸性水に曝露されたGCLsの透水係数は実施しない場合と比較して10倍程度低い値となることを確認した。
  • 西村 正樹, 赤井 智幸, 嘉門 雅史
    2010 年 25 巻 p. 241-246
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    埋め立ての終了した廃棄物最終処分場では、閉鎖時に最終カバー層が設置される。この最終カバー層に用いるキャッピング材料として、筆者らは、遮水性とガス透過性を併せ持つ多孔質シートと、多孔質シートを保護する不織布から成るジオコンポジットを開発し、その適用性を評価してきた。ジオコンポジットにおけるガス透過性と遮水性は、多孔質シートの微細な孔構造によってもたらされるため、斜面敷設時に覆土の荷重によって引張り変形が加わった場合、多孔質シートの孔構造の変化と、それに伴う遮水性の低下が懸念される。本研究では、二軸引張試験機を用いて、ジオコンポジットに幅方向拘束/長手方向引張り変形を加え、その状態での遮水性を評価した。その結果、長手方向に破断時伸び率の90%の変形を加えても、変形前の初期性能と同等の遮水性を保持できることがわかった。
  • 今泉 繁良, 佐塚 一仁, 工藤 賢悟, 宇佐見 貞彦, 加納 光, 松山 眞三, 原田 高志, 柴田 健司
    2010 年 25 巻 p. 247-254
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    海面埋立処分場は軟弱な地盤上に建設されることが多く,埋立地底部地盤が広域にわたり沈下したり,護岸部と埋立部の境界で不等沈下が生じる.このとき,処分場内に敷設された遮水シートには伸び変形が生じる.本研究では,LLDPE(直鎖型低密度ポリエチレン)シートとそれより剛性が小さいPVC(ポリ塩化ビニル)シートを用いて,基盤が一様に沈下する大型模型実験を行い,沈下の進行に伴うひずみの発生・分布状況,固定端張力を計測した.その結果,(1)基盤沈下に伴い生じる遮水シートの軸ひずみは沈下の境界に集中して発生し,剛性の大きいLLDPEの方がPVCに比べて最大値は小さく,軸ひずみが発生する範囲は大きいこと,(2)不等沈下量に対して仮想張力を未知数とする弾性モデルを用いて計算した最大軸ひずみは,LLDPEシートでは実験で得られた測定値にほぼ対応することなどを明らかにした.
  • 岡村 昭彦, 倉田 正博, 道端 秀治, 鎌田 隆清
    2010 年 25 巻 p. 255-258
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    袋詰脱水処理工法は,袋の透水性を利用して高含水比の粘性土や河川・湖沼などに堆積している軟弱な土を充填して脱水・減量化すると共に袋の張力を利用して積み重ねて盛土等に有効利用する工法である.また袋のろ過機能により,土粒子や浮遊物質に強く吸着している汚染物質を土粒子と共に袋内に封じ込めることができ,脱水時の排出水をきれいにすることができる.本工法を用いて港内の汚染底質除去工事が行われたので,袋のろ過性能の調査を行った.この結果使用した袋のろ過性能は十分であることが確認できた.
  • 梅崎 健夫, 河村 隆, 岡村 昭彦, 倉田 正博, 大寺 正志
    2010 年 25 巻 p. 259-266
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    袋詰脱水法(従来法)に真空圧密を応用した袋詰真空脱水法を提案し,ジオシンセティックス製の脱水袋の内部もしくは外側に簡便な排水層を設置する方法の有効性を示している1),2).本文では,山間地や小規模なため池のような狭隘な場所での施工性と脱水効率を向上させるために,積み上げた2つの脱水袋の間に複数枚の排水チューブを取付けたプラスチックボードドレーン3)を挟み込むように敷設するだけの非常に簡単な方法を提案した.屋内および現場における脱水減容化実験を実施し,その有効性を実証した.
  • Jun Tong, Noriyuki Yasufuku, Kiyoshi Omine, Taizo Kobayashi
    2010 年 25 巻 p. 267-270
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/04
    ジャーナル フリー
    The disposal of the dredged mud has become a worldwide problem recently. There are urgent demands for developing alternatives to dispose the dredged material in a more economical and environment-friendly manner. In this paper, siphon method is proposed to dewater the high-water-content dredged mud with horizontally installed plastic drainage plate. A series of parallel tests are conducted to preliminarily investigate the dewatering and strength behavior of the dredged mud with vacuum and siphon methods, respectively. On the basis of the test results, siphon method is proved to be an effective and energyfree approach to dewater the dredged slurry.
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