ジオシンセティックス論文集
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34 巻
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特別講演
  • -施工現場で学んだこと-
    三浦 哲彦
    2019 年 34 巻 p. 1-14
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    ジオシンセティックスを日本に導入された先達として故)山内豊聡先生(九州大名誉教授)を忘れることはできない.先生のご貢献は多岐にわたるなかで,1966年に透水性カードボード利用による軟弱粘土盛土工法を提案された.2枚のカードボードに生石灰を挟んだサンドイッチ状のものを高含水比粘土層間に敷き込むことから,多段式サンドイッチ工法と命名された.1978年,下関市の切盛土工の地盤改良に同工法が応用され成功を収めた.筆者は研究室助手として,上記の基礎実験と現場施工のお手伝いする機会に恵まれた.その後,山口大,佐賀大に異動してからも軟弱地盤を対象に種々のジオシンセティックス利用現場に関わる機会を得た.本文では10数ヶ所で行ったジオシンセティックス活用の現場試験・施工現場で学んだことを述べる.
論文
  • 古瀬 智博, 長谷川 晋也, 安倍 康彦, 大槻 貴志, 山崎 智弘
    2019 年 34 巻 p. 15-20
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    管理型廃棄物最終処分場等を沿岸海域に傾斜堤護岸や混成堤護岸にて構築する場合に用いられる遮水シートを省人力にて敷設する方法として,機械式シート敷設機を用いた工法がある.同工法は元来,防砂シートを敷設する方法として1995年に開発された.2001年には遮水シート(PVC, t=3mm以上)の敷設に使用した実績がある.本紙では同工法を遮水シート(LLDPE, t=3mm以上, 両面保護マット付)の敷設に適用し,良好な施工実績を得たので報告する.また遮水シートの下面の保護マットを従来規格(長繊維不織布, 単位面積質量850g/m2)から高貫入抵抗機能を有した新規格保護マット(長繊維不織布, 単位面積質量1500g/m2+基布)に変更した遮水シートを敷設した実績について報告する.
  • 土屋 海渡, 中山 裕文, 島岡 隆行, 井塲 道夫
    2019 年 34 巻 p. 21-28
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本研究では,施工後20年以上が経過した2ヶ所の最終処分場を対象とし,法面の暴露部および埋没部で遮水シートのサンプリングを行い,引張試験,表面観察,化学分析のデータを基に,遮水シートの耐久性の評価,暴露部と埋没部の比較検討を行い,劣化要因との関連性を分析することを試みた.その結果,暴露部と埋没部を比較すると,同一法面での埋没部の引張強度保持率は,暴露部の1.0~1.5倍と初期から値が低下していないことが分かった.また,表面観察の結果,埋没部の亀裂面積比は.暴露部の2~16分の1程度と亀裂が小さかった.化学分析の結果からは,両者に共通した傾向は認められなかった.また,劣化要因との関連性については,遮水シートに含まれる酸化防止剤の消費が力学特性や表面亀裂に影響を及ぼしていることが分かった.
  • 石森 洋行, 遠藤 和人, 中川 美加子, 石垣 智基, 肴倉 宥史, 山田 正人
    2019 年 34 巻 p. 29-36
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    廃棄物処分場最深部の底部遮水層に用いられる合成樹脂系遮水シートに着目し,代表的な有機化合物である ベンゼン,トルエン,キシレン,フルオロベンゼン,トリクロロエチレン,およびテトラクロロエチレンに対する遮蔽性能を長期浸漬試験より評価した.浸漬試験中において有機化合物が合成樹脂系遮水シートに拡散浸入されるプロセスを,拡散係数と分配係数によりモデル化するとともに,実験結果に対してフィッティングを行うことでそれらのパラメータを同定した.その結果,遮水シート表面への吸着性を表わす分配係数は,HPDEシートが最も低く,次いでLDPEシート,PVCシートの順に高くなった.HPPEシートが最も遮蔽性能に優れていることがわかった.一方で,分配係数に及ぼすPVCシートの厚さを影響はほぼ認められず,いずれの厚さであっても有機化合物への吸着性は変わらなかった.遮水シートへの浸透性を表わす拡散係数は,長期浸漬試験から求めた場合,10-14~10-12 m2/sであった.拡散係数は遮水シートの材質とは相関性は認められなかったものの,遮水シートの厚さとともに増加する傾向が認められた.
  • ~廃棄物最終処分場に使用する保護マットの新基準化に向けて~
    片山 竜太, 近藤 誠二, 藤山 美智也, 寺尾 嘉高, 河村 正信, 吉川 隆
    2019 年 34 巻 p. 37-42
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    廃棄物最終処分場に使用される保護マットは,一般的に不織布が使用されている.不織布は,繊維を積層した構造を持つことから,積層された繊維の層間における剥離の危険性があり,実際の処分場の現場において,剥離の発生が報告されている.しかしながら剥離強さを確認する品質管理基準は整備されていない.そこで,実際の剥離現象の危険性を品質管理試験で評価できるようにするため,斜面歩行試験を実施して剥離現象の発生を確認し,その剥離現象について,安全靴・作業靴の耐滑試験方法によって定量的に評価が可能であることを確認した.本論文では,斜面歩行試験および安全靴・作業靴の耐滑試験による剥離強さについて行った試験とその結果について報告する.
  • 篠田 昌弘, 久保 哲也, 東野 圭悟, 林 豪人, 藤田 智弘, 中村 洋丈, 角田 晋相
    2019 年 34 巻 p. 43-48
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    盛土の地震時リスク評価では,地震ハザード曲線と盛土のフラジリティ曲線を用いる.本論文では,地震時リスク評価のうち,無補強盛土と補強盛土のフラジリティ曲線に着目し,実用性の高い簡易なフラジリティ曲線推定方法を提案する.まず,地震作用として,1997年から2018年までの震度5.5以上の強震記録を収集して,Arias Intensityで調整した強震データベースを作成する.この強震データを作用力として,鉄道標準に則った高さの異なる無補強・補強盛土モデルを設定して,Newmark法による地震時残留変位量の計算を一様性の高い準乱数を用いたモンテカルロ法により繰返し計算することで,地震時の無補強・補強盛土の損傷確率を求める.最後に,Arias Intensityのレベルに応じた損傷確率を求めた後,実用的なフラジリティ曲線推定式を提案する.
  • 林 豪人, 篠田 昌弘, 東野 圭悟, 久保 哲也, 藤田 智弘, 中村 洋丈, 角田 晋相
    2019 年 34 巻 p. 49-52
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    ジオテキスタイル補強土壁の降雨による損傷の確率論的評価の降雨ハザードを参考に,他の形式の補強土壁である多数アンカー式補強土壁を対象として, 損傷確率を定量的に評価した.多数アンカー式補強土壁のフラジリティは,地盤強度定数を正規分布に従う確率変数として背面水位を与えてモンテカルロシミュレーションによって求めた.それらの降雨ハザードとフラジリティを用いて損傷頻度を求めた.その結果,他の形式の補強土壁もジオテキスタイル補強土壁と同様に降雨による損傷確率を評価することが可能であること,安全率に余裕のある補強土壁は損傷確率が比較的小さくなることを定量的に示すことができた.
  • 中村 洋丈, 篠田 昌弘, 藤田 智弘, 久保 哲也, 東野 圭悟, 林 豪人, 角田 晋相
    2019 年 34 巻 p. 53-60
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    補強土壁の採用実績が増加する一方で,補強土壁に変状が発生する事例が見受けられる.本論文では,集中豪雨で崩壊したジオテキスタイル補強土壁の崩壊事例とその要因について報告する.次に,極値統計解析を用いた降雨ハザード評価方法を提案し,崩壊したジオテキスタイル補強土壁に適用して,降雨時リスク評価を実施する.補強土壁の降雨時リスク評価では,降雨ハザード曲線と補強土壁のフラジリティ曲線を設定して,両者を掛け合わせることで降雨時のリスクを定量的に求める.本論文では,補強土壁の背面水位を変化させて,補強土壁のフラジリティ曲線を作成する.提案した方法により,降雨作用の発生確率と地盤抵抗のばらつきを考慮して,補強土壁の降雨時の安定性を確率論的に評価できることを示す.
  • -路盤材とジオシンセティックス複合構造体の性能確認試験による強度特性-
    辻 慎一朗, 伊藤 修二, 横田 善弘, 八嶋 厚, 村田 芳信, 苅谷 敬三, 岡村 拓朗
    2019 年 34 巻 p. 61-68
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本研究では,道路舗装の表層の供用年数が使用目標年数に満たず早期に劣化が進行し,補修が高頻度で繰返される道路舗装に対して,ジオシンセティックスを用いた路盤の修繕方法の開発を行った.一般的に,表層の劣化に対しては切削オーバーレイ等による修繕がなされており,アスファルト混合物や砕石等の路盤材を効率的に補強する技術は確立されていない.そこで,著者らは,道路舗装の新たな修繕技術として,1)ジオグリッドで路盤材(瀝青安定処理混合物)を補強する,2)ジオセルで路盤材(砕石)を拘束することにより,道路舗装の長寿命化を図ることを試みた.本論文では,これらの路盤材とジオシンセティックスの複合構造体に対する性能確認試験の概要と,試験で得られた複合構造体の強度・変形特性について報告する.
  • -試験施工の概要と効果確認の試み-
    村田 芳信, 苅谷 敬三, 八嶋 厚, 岡村 拓朗, 伊藤 修二, 辻 慎一朗, 横田 善弘
    2019 年 34 巻 p. 69-74
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    軟弱地盤上に構築された低盛土自治体管理道の一部において,舗装の補修が高頻度で繰り返されている.盛土直下支持地盤の長期的圧密,盛土区間に複数存在する横断構造物と盛土の不同沈下が主な損傷要因と考えられる.このような舗装損傷要因を有する道路の長寿命化のためには,地盤,路体,路床などの改良が有効であることは周知ではあるが,工事規制期間や工費の制約から,補修方法として切削オーバレイ等が選択されることが多い.本研究では,上層路盤打替えを実施する機会が得られたので,従来の打替え材にジオグリッドやジオセルを組み合わせた試験的な修繕工法が,舗装の長寿命化に如何に寄与するかを,試験施工前後および長期的計測により明らかにする試みを紹介する.
  • SAHIL Ahmad Waheed, 桑野 二郎, REGMI Kamal Prasad, 山登 泰希
    2019 年 34 巻 p. 75-80
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    ジオグリッドの補強メカニズムを検証するため,交通荷重を模擬する繰返し載荷試験を実施した.厚さ50cm の路床層と厚さ20cm の路盤層に対して、剛性が異なる長方形または三角形の開口部を持つ2 種類のジオグリッドと,5~10mm,10~20mm の範囲の粒径を持つ 2 種類の粒調砕石を使用した.さらに、ジオグリッドの拘束領域を調べるために.中型一面せん断試験を実施した.両タイプのジオグリッド補強時には,無補強時のものより,効果的に沈下量を減少させることが分かった.沈下は,ジオグリッドを路盤-路床境界面に敷設したときの方が,路盤層の中央に配置したときよりも大きかった.得られた結果から,ジオグリッドによるインターロッキング効果が示された.また,一面せん断試験によってジオグリッドの拘束領域を評価できた.その結果,路盤と路床の間の境界の上 3cm~5cm の位置にジオグリッドを敷設することが路盤材料の移動を制限するために効果的であることが示された.
  • 松本 七保子, 弘中 淳市, 木村 宗祐, 鈴木 和成
    2019 年 34 巻 p. 81-86
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    ジオグリッドの目合い形状の違いによる路盤補強効果を評価するため,室内試験において引張強度特性の違いを確認した.三軸ジオグリッドは従来の二軸ジオグリッドに比べ全方位に均等に引張剛性が発揮されることを確認した.また,現場試験施工ではジオグリッドの種類・路盤の厚さ・敷設位置の違いによる路盤補強効果を確認し,その補強効果は路盤の厚さが薄いほど高く,未敷設に比べて路盤層の弾性係数が2倍程度向上することを確認した. また本評価より,三軸ジオグリッドの効果を取り込んだ設計指標を提案した.
  • 原田 道幸, 川口 貴之, 中村 大, 平井 泰輔, 衛藤 遼, 川尻 峻三, 山下 聡
    2019 年 34 巻 p. 87-92
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    積雪寒冷地では,凍結融解作用を受けたのり面の極表層が春先の融雪水や夏季の大雨によって崩壊することが多く,この応急・復旧対策として,特殊ふとんかごと呼ばれるのり面保護工が広く普及している.本研究では,これに代わる新たな工法として,砕石を充填したジオセルが持つ耐侵食性や透水性に関する機能を有したまま,緑化することも目指して,砕石層と砂質土層の2段のジオセルからなるのり面保護工を考案し,実物大実験による動態観測を行った.また,この中でのり面上に設置したジオセル層の滑動力に関する計測も行い,のり面上に打設する長尺アンカーバーの削減による省力化についても検討した.
  • 山口 滉平, 中村 大, 川口 貴之, 川尻 峻三, 原田 道幸, 菖蒲 哲也
    2019 年 34 巻 p. 93-100
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    積雪寒冷地では,春先に自然斜面や切土および盛土のり面において表層崩壊が発生しやすく,崩壊箇所に対する応急・復旧対策として,特殊ふとんかごと呼ばれるのり面保護工が広く普及している.近年では施工期間に制限がある場合等に,特殊ふとんかご工の代替工法として,敷設が容易なジオセルを平面的に展開し,これに砕石を充填するのり面保護工が採用されるケースが増えてきた.しかしながら,砕石上に安定した植生基盤を形成することが困難なことから,この工法に対する緑化方法は存在しない.そこで本研究では袋状の注入マット内に種子・水・植生基材を混合して注入し,植生基盤の流亡を防いで植物の良好な生育環境を整えることが可能な植生基材注入工を用いて,砕石上を緑化することを試みた.
  • 中陳 実咲希, 中村 大, 川口 貴之, 川尻 峻三, 原田 道幸
    2019 年 34 巻 p. 101-106
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    近年では生態系や自然環境に配慮して,のり面保護工に植生工が優先的に採用されるようになってきた.植生工のうち,植生シート工は植物が生育するまでの間,のり面を降雨から保護し,植生に適した土壌環境を保持することが可能である.そこで本研究では,植生シートが有する侵食抑制効果について明らかにすることを目的として,植生シートが敷設された土供試体を用いた侵食抵抗試験方法について検討した.ここでは市販の噴霧器を応用して侵食抵抗試験装置を作製している.また,試験結果の解釈にはX線CTスキャンを活用しており,試験後にX線CTスキャンを実施して得られた画像から侵食深を求めるとともに,供試体がどのように侵食されていくのか非破壊で観察した.
  • 平井 泰輔, 川口 貴之, 川尻 峻三, 中村 大, 衛藤 遼, 原田 道幸, 安達 謙二
    2019 年 34 巻 p. 107-114
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    土中に設置した排水パイプ(有孔管)に関して,パイプ周辺の周辺の土が完全飽和に近づき,間隙水圧が正にならなければ(地下水位がパイプの位置に到達しなければ),排水は生じないことが知られている.しかし,砕石を充填したジオセル層による表面工とスリット式集水孔を有する打設式の排水パイプとを組み合わせた斜面安定工では,明らかに地下水位よりも上にあるパイプからも降雨や融雪に伴って排水することを確認している.そこで本研究では,のり面上の砕石(ジオセル)層に着目した2種類の模型土槽に対する散水試験を実施し,ジオセル層の役割やパイプから排水するための条件について詳細に検討した.
  • 劉 爽, 川口 貴之, 中村 大, 川尻 峻三, 小笠原 明信, 原田 道幸, 林 豪人
    2019 年 34 巻 p. 115-122
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    補強材としてジオグリッドを用いた補強土壁では,補強材周辺の土が凍結するとジオグリッドには局所的な伸びが生じることが明らかとなっている.また,緑化と凍上対策の両立を目的に開発したジオセルとジオグリッドを連結した補強土壁では,壁面材であるジオセルの数を変えることで,最大凍結深さが補強材がある領域まで達しないようにすることが可能である.そこで本研究では,二次元熱伝導解析によって最大凍結深さを推定するのに必要な外気温と表面温度との違い等について検討した上で,これを用いて補強土壁を構築する地域の凍結指数に応じた最大凍結深さが補強材にまで達しないための壁面材厚(ジオセルの数)について検討した.
  • CUI Yujie, 木幡 行宏
    2019 年 34 巻 p. 123-128
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本研究では,室内で養生された繊維材混合流動化処理土の強度・変形特性に及ぼす泥水密度とセメント添加量の影響について検討している.実験条件として,基準泥水密度1.280 g/cm3及び1.280 g/cm3から5 %低減した泥水密度で, セメント添加量を80, 100 kg/m3で, 繊維材を0, 10 kg/m3で混合した繊維材混合流動化処理土を作製した.室内で28日養生された供試体に対して,それぞれ圧密非排水三軸圧縮試験(CUB試験)を実施した。試験結果より,低泥水密度で作製された流動化処理土及び繊維材混合流動化処理土の品質が低下することが示された.一方,土被り圧軽減を目的として基準泥水密度より小さい泥水密度で流動化処理土を作製する場合には,セメント添加量を増加させることが有効であることが明らかにされた.
  • Albano AJUDA, 桑野 二郎, 保科 功介
    2019 年 34 巻 p. 129-136
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    異なる剛性のジオグリッドを高さ方向に配置した補強土壁(GRSW)の地震時挙動に関する研究はほとんど行われていない.このようなタイプの補強材配置で,適切な耐震性を保持するGRSW構造を構築できれば,建設コストの削減が期待される.そこでその地震時挙動を調べるために,壁の高さ方向に剛性の異なる2種類のジオグリッドを配置したセグメントジオグリッド補強土壁について一連の振動台試験を実施した.その結果,裏込めのせん断変形は柔なジオグリッドの位置に強く依存するが,壁の高さに沿って異なる補強剛性が適用された場合でも全体の安定性に係わる破壊面はあまり影響を受けないことが示された.
  • 西村 正樹, 小河 篤史, 藤原 照幸, 矢井田 修, 嘉門 雅史
    2019 年 34 巻 p. 137-144
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    不織布系のフィルター材においては,濁水中の細粒分に対する捕捉性能を確保しつつ目詰まりを抑制することは,極めて困難である.ただし,除去土壌を対象とした中間貯蔵施設(土壌貯蔵施設)のように,フィルター材に濁水が供給される期間や量が限定的で,且つ,濁水の供給停止後も現場を一定期間保存できる特殊な条件下では,性状の異なる複数のフィルター材を併用することで,フィルター層全体としての目詰まりを抑制しつつ,細粒分捕捉性能を向上できる可能性がある.本研究では,不織布および不織布系ジオコンポジットを試作し,濁水透過実験を行った.また,濁水透過実験の結果を基に,土壌貯蔵施設において保有水等集排水管周りのフィルター材としてそれらを適用した場合の累積細粒分捕捉率を試算した.
  • 横山 公明, 久保 幹男, 川崎 始, Hla Aung, 仙頭 紀明
    2019 年 34 巻 p. 145-152
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    既往研究では,補強材一体ふとんかごは鋼製枠タイプより剛性の高い構造であることおよび,補強材敷設土が見掛けの粘着力を有することが確認されている.しかしながら,耐震性については評価がなされていない.そこで本研究は,壁面材と補強材を一体とした構造のふとんかごを多段に積んだ補強土壁模型の補強材長が異なる2ケースの振動実験を実施した.その結果,補強材一体ふとんかご補強土壁は,補強材を長くすることで,800galにおいても一気に変形が進む脆性的な破壊挙動は示さず,粘り強い変形性能を示した.
  • 西 剛整, 谷 美宏, 林 夏希, 窪田 達郎, 京川 裕之, 古関 潤一, 小浪 岳治
    2019 年 34 巻 p. 153-160
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本論文は,発泡スチロールを用いた土木工法(EDO-EPS工法)について,2011年東北地方太平洋沖地震のような継続時間の長い地震動や,2016年熊本地震に見られた震度7クラスの地震動が連続するような地震を想定して,耐震性能を強化した新型緊結金具の効果確認のための実大振動台実験を行った結果を示したものである.また,同時にトップヘビーな構造体であるEPS盛土のロッキングの影響を考慮し,これによる変状を軽減するための対策工の検討を行っている.実験の結果,従来用いられている緊結金具に比較して新型金具は変状を抑制できることが確認された.また,緊結金具の配置条件に対する工夫と,変状が生じやすい床版部において滑動を抑止するずれ止め鋼板を設けることで,ロッキングによる変状は軽減できることがわかった.
  • 京川 裕之, 川崎 広樹, 古関 潤一, 小浪 岳治, 西 剛整, 窪田 達郎
    2019 年 34 巻 p. 161-168
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本研究では,既往研究で効果が確認されているジオグリッド補強土とEPSブロックの併用に加え,ネイリングを考慮した補強土工法による橋台および背面地盤の耐震対策を模型振動台実験で検証した.実験では,ジオグリッド,EPSブロック,ネイリングを様々に組み合わせた計6ケースの橋台背面補強土に対して,正弦波を段階的に与えた.実験結果から,ジオグリッド補強土とEPSブロックを併用した場合,裏込め地盤の上段にジオグリッド,中段にEPSブロックをそれぞれ配置することで,地震時における擁壁の変位・傾斜ならびに背面地盤の沈下を抑制できることが示された.また,これらジオグリッド補強土とEPSブロックに加えて,ネイリングを設置することでその耐震性が向上することを確認した.
  • 鍋島 康之, 村井 臣成
    2019 年 34 巻 p. 169-174
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    ブロック積み擁壁に鉄筋挿入工法ならびに表面工との併用工法による簡便な補強を行うことで,経済的な耐震対策について室内模型実験により検討した.具体的には,土槽内に片盛土の空積みブロック擁壁に見立てた模型を作製し,地震時における擁壁の動的挙動や変形特性を振動台実験により検討した.その結果,無補強のブロック積み擁壁と比較して,鉄筋挿入工法の補強材長や頭部受圧板などの条件を変化させることにより耐震性が向上した.また,鉄筋挿入工法とともに擁壁頂部に受圧板を設置した補強方法についても検討し,擁壁頂部に拘束圧を加えた場合も耐震性が向上した.
  • 野並 賢, 澁谷 啓, 許 晋碩
    2019 年 34 巻 p. 175-182
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本論文は大規模補強土盛土を安全に構築するために実施した各種計測結果の評価事例を示したものである.高さ45m(補強土20m+土羽部25m)の大規模補強土盛土において,補強土壁が概成した時点で壁面に変状が生じたため,変位抑制工として補強土壁にアンカー工を施し,動態観測によって効果の検証を行った.その結果,設計での想定通り,アンカー工施工後は補強土部の変位は抑えられ,土羽部の盛土時に発生した変位量は小さく,盛土崩壊につながるジオテキスタイルの破断の可能性が低いことを確認した.このときのアンカー工の緊張力は概ね設計値のほぼ同程度に達しており,アンカー工が機能していたことがわかった.
  • 加藤 卓彦, 執行 重人, 内匠屋 誠, 加藤 亮輔, 西村 正人, 由井 洋和
    2019 年 34 巻 p. 183-190
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    ジオテキスタイル等による補強土壁の設計では,基礎地盤が液状化する場合には液状化対策を行うことが一般的であるが,ここでは,液状化対策を施さず,レベル2地震時の液状化による地盤変位を考慮して設計した事例を報告する.対象施設は,南海トラフ巨大地震に伴う津波や高潮による浸水対策のために護岸背後に計画された高さ約7mの津波防潮堤である.基部に約1m厚のコンクリート底版を設け,液状化時の堤体の不同沈下や変形を抑制する方針とした.まず補強土壁の許容傾斜角を設定し,2次元動的変形解析FLIPによるレベル2地震時の変形照査により,傾斜角の確認と底版および盛土補強材の設計を行った.
  • 川俣 さくら, 原田 道幸, デュッティン アントワン, 清田 隆
    2019 年 34 巻 p. 191-196
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    日本は首都圏を中心に軟弱地盤上に都市部が広がっており,土木工事において,構造物を支える支持力の不足による対策工の検討が必要になる.擁壁やボックスカルバートの対策工としては,砕石置換工法が広く普及しているが,掘削範囲が大きくなることや発生する残土処理が課題としてある.そのため,本研究ではジオセルを用いた補強基礎地盤により,対策工の課題解決と省力化することを目的に実物大試験を実施した.試験に用いたジオセルは軟弱地盤上の路盤補強として多く使用されているが,未だ補強効果を発揮するメカニズムは未解明の部分が多い.そこで今回は様々なケースのジオセルマットレスで試験することにより,支持力改善効果や最適な形状,設計方法について検討した.
  • -最密供試体の圧縮量についての幾何学的検討-
    木全 卓, 岡本 彦蔵, 小林 範之
    2019 年 34 巻 p. 197-202
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    本研究では,変形性粒子を含む混合土の圧縮特性を定量的に明らかにすることを目的としている.一般に,ゴムのような変形性粒子を含む混合土を圧縮すると,通常の骨格変形による体積変化に,変形性粒子自身の圧縮とその変形によって引き起こされる間隙体積の減少による成分が付加されると考えられる.したがって,ゴムチップとアルミチップを用いた混合体の一次元圧縮試験を行ってこれらの成分を定量的に評価するとともに,幾何学的な観点から圧縮量を算出することを試みた.その結果,供試体が最密状態で骨格粒子の配置関係に乱れが生じない場合についてではあるが,圧縮に関わる各成分を概ね予測できることがわかった.
  • 平川 大貴, 荒木 裕行
    2019 年 34 巻 p. 203-208
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/13
    ジャーナル フリー
    現状では様々な材質,構造,力学的性質のジオグリッドが開発・供用されているが,補強材の諸条件~補強効果の関係性には未だに不明瞭なところがある.そこで本研究では,補強材層においてストランドが占める体積が等しい条件のもとで,補強材形状と交点強度が補強効果に及ぼす影響を系統的な平面ひずみ圧縮試験を実施して調べた.この結果,交点強度は補強効果に大きく左右する要因であり,その影響はジオグリッドの目合いが大きくなるほど強くなることを確認した.したがって,効率よく補強効果を得るためには,ストランドの破断強度や剛性だけでなく,十分な交点強度を保持することが重要である.
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