ジオシンセティックスシンポジウム発表論文集
Online ISSN : 1884-3719
Print ISSN : 1344-3496
11 巻
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  • 宮地 秀樹, 坪井 正行, 今泉 繁良
    1996 年 11 巻 p. 1-10
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    廃棄物処分場で用いられている各種ジオメンブレンの引張強度や弾性係数の温度依存性及び温度応力について試験した。供試体としては、厚さ1.5mm程度のHDPEシート、EPDMシート、TPOシート、PVCシートで、JISに定めるダンベル型の形状のものと、幅6cm×長さ10cmの長方形のものを用い、温度環境を-25℃から60℃まで変化させて引張試験を行った。その結果、いずれも温度が低下すると引張強度はほぼ直線的に増加するが、弾性係数は指数的に増加する事がわかった。また、増加傾向ではPVCシートが最も大きいことがわかった。また80℃で取り付けたジオメンブレンの温度を徐々に低下すると温度応力が発生した。温度応力はHDPEシートやTPOシートで大きいことがわかった。
  • 桝尾 孝之
    1996 年 11 巻 p. 11-16
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    HDPEジオメンブレンの設計・施工を行う上で、特に温度変化による伸縮およびそれによる応力の発生について考慮する必要がある。
    筆者は、黒色、緑色、白色のHDPEジオメンブレンについて分光光度計を用いて日射吸収率を測定し、日射量および外気温とジオメンブレンの表面温度との関係を求めた。
    さらに、過去の国内各地の日射量、外気温のデータから各地における夏場と冬場のジオメンブレンの表面温度を算定した。これらの結果、以下に示すことが知見として得られた。
    (1) 日射量による表面温度への影響を最も受けにくいのは白色のジオメンブレンであること。
    (2) 日射量と外気温との間に相関は見られないこと。
    本報告により、日射量と外気温がHDPEジオメンブレンの表面温度に与える影響を設計・施工に反映することができる。また、白色のジオメンブレンを使用すれば、ジオメンブレンの表面温度の上昇を抑えることができ、ジオメンブレン施工における品質の向上を計ることができるものと考える。
  • 今泉 繁良, 野本 哲也, 坪井 正行, 横山 幸満
    1996 年 11 巻 p. 17-25
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    近年、ジオメンブレンやジオテキスタイルは廃棄物処理場の遮水工材料として、広く用いられている。ジオシンセティックスと土との摩擦特性は、固定や法面の設計をするのに重要な要因である。この論文では、原位置での摩擦特性を評価し得る簡易な試験装置を開発した。この試験装置を用いて、ローム地盤と排水用砂の上で、土の含水比を通常状態と湿潤状態とに変えて試験を行った。用いたジオシンセティックスは、HDPE,EPDM,PVCなど6種類のジオメンブレンと長繊維と短繊維の2種類のジオテキスタイルである。結果として、浸水状態の摩擦係数は通常状態に比べて、ローム地盤で70-80%、砂地盤で90%となることがわかった。また、原位置で評価された表面滑らかなジオメンブレンと短繊維ジオテキスタイルとの摩擦係数は、実験室内で実施した直接せん断試験の直応力せん断抵抗力関係とよい一致を示した。
  • 坪井 正行, 土居 洋一, 今泉 繁良
    1996 年 11 巻 p. 26-36
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    廃棄物処分場ではジオメンブレンの端部は固定されているが、この固定能については良く知られていない。そこで、屋外にて、さまざまな固定構造を実験的に作成して、引き抜き試験機を用いてジオメンブレンに引張力を作用させ固定能の評価を行った。実験では、固定工のサイズを200mm角から500mm角まで変化させて、サイズの影響を調べた。その結果、固定工の初動荷重とコンクシートの重量がほぼ一致することがわかった。また盛土と切土の違い、ジオテキスタイルを使用した場合についても比較実験を行った。その結果、最大荷重は地盤の強度との関連が深いことやジオテキスタイルを用いるとジオメンブレンが引き抜けを生じやすいこと等がわかった。
  • 巻内 勝彦, 峯岸 邦夫, 崔 仁鎬
    1996 年 11 巻 p. 37-44
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    本研究では、短繊維を土中にランダムに撹拌・混入したファイバー混入土の補強効果について一軸圧縮試験を行い、その基礎的な力学特性を調べた。実験には、補強材としてグラスファイバー、ゴム網、ポリエチレン網を使用し、試料土には、豊浦産細砂と木更津産山砂に供試体の自立性ならびに粘着力成分を付与するためカオリン粘土を質量割合で10%添加した混合土を用い、最適締固め状態で供試体を作製した。
    実験結果から、いずれの補強土もピーク強度と残留強度に改善効果がみられ、特に山砂の場合は顕著なピーク強度および変形係数の増加が得られ、グラスファイバーを混入した細砂では残留強度の補強効果が得られた。また、それぞれの補強土について、補強材料の材質、形状、寸法、混入率の影響を考察した。
  • 川口 陽, 巻内 勝彦, 峯岸 邦夫
    1996 年 11 巻 p. 45-52
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    たわみ性ジオファブリックを引張り補強材料として粒状体土質材料の拘束補強に用いる方法は,古くから知られている補強土工法の基本的原理のひとつである。この場合,土・補強材の複合体の強度変形特性は,補強材の伸び抵抗すなわち引張り強度および内包試料土の種類と状態量(相対密度など)に依存すると考えられる。本研究では,基礎的研究として,砂試料についての円筒形ジオファブリック複合体の一軸圧縮試験を行い,補強材と内包試料土の相互作用に及ぼす影響を調べ,併せて理論的評価手法について考察した。
    実験より,複合体の拘束補強効果は補強材の引張り伸び特性に大きく依存し,ひずみレベルにより変形係数が変化することが分かった。また,拘束効果を疑似側圧として評価した場合,その大きさは試料土の内部摩擦角に比例することが判明した。
  • 宮田 喜壽, 木暮 敬二
    1996 年 11 巻 p. 53-60
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    粘性土盛土施工に対して、ジオテキスタイルを用いた補強土工法は有効である。設計において、ジオテキスタイルの引抜き抵抗の評価は重要である。しかし、粘性土を用いた試験方法に関する検討は不十分と考える。本研究は、圧縮性の高い粘性土中における排水補強材の引抜き挙動を明らかにする目的で新たなタイプの試験装置を開発し、その有効性を実験的に明らかにした。
  • 平尾 和年, 棚橋 由彦, 安原 一哉, 西村 淳
    1996 年 11 巻 p. 61-71
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    含水比が高く,極めて軟弱な粘性土地盤の支持力改良に影響する要因を,(i)ジオテキスタイルの種類の影響,(ii)ジオテキスタイルと土との相互作用パラメータ,(iii)ジオテキスタイルの敷設方法に分けこれらに関する室内模型実験を行った.そして,その結果を考察して以下のようなことが明らかになった.
    (1)ジオテキスタイル単体では,不織布を織布で補強した複合ジオテキスタイルおよび摩擦力の大きな不織布が効果的である.(2)ジオグリッド単体では支持力改良に大きな効果は期待できないが、(i)不織布と併用する,(ii)端部を拘束する,および(iii)サンドマットと併用することによってその効果を上げることができる.(3)以上,から支持力改良に対しては、土とジオテキスタイルの摩擦抵抗と曲げ剛性が寄与しており,補強材料の引張強度の影響は小さい.
    ついで,著者らの1人(棚橋)が提案している,土と材料の相互作用を考慮した数値解析手法によって,上記の結論のうち,実務で特に重要なサンドマットの効果の定量的な評価を行った.模型実験を対象にした有限要素解析結果は,上記の定性的な傾向と良く一致しており,解析手法がこのような問題解決に有効であることが明らかになった.
  • 内村 太郎, 龍岡 文夫, 舘山 勝, 古関 潤一, 前田 崇, 鶴 英樹
    1996 年 11 巻 p. 72-81
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    プレローディド・プレストレスト(PL・PS)補強土工法は、プレロードとプレストレスによって補強盛土の剛性を飛躍的に高め、より大きな荷重を受ける構造物(橋台、橋脚、重要構造物の基礎など)にも応用できるようにする工法である。この工法のメカニズムを考察した。また、盛土材であるレキの三軸圧縮試験によるクリープ・リラクゼーション特性の研究、PL・PS補強土擁壁の実物大模型による実験、実施工のPL・PS補強土橋台の計測を行った。その結果から、補強盛土にプレロードとプレストレスをかける方法が確立でき、少なくとも、静的な荷重のみがかかっている場合なら数年にわたってかなりのプレストレスが維持できる可能性が示された。また、プレロードによって補強土の剛性が改善されること、補強材に引張プレストレスがかかって土を拘束することなどのメカニズムが確認できた。
  • 荒井 克彦, 渡辺 映子, 笠原 清麿, 横田 善弘
    1996 年 11 巻 p. 82-90
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    地盤と補強材の剛性と変形を考慮した補強土工法の極限設計手法を提案する。この設計手法は非線形有限要素解析に用いられる初期応力法に基づく。モール・クーロン降伏基準を用い、降伏前は線形弾性、降伏後は非関連流れ則を仮定することにより、極限平衡法で想定されるすべり面のような明確な破壊形式を得ることができる。極限平衡法では、地盤や補強材の変形や剛性を考慮することが容易ではない。提案する設計手法はFEMに基づいているため、極限平衡法の欠点を補うことができる。この設計手法をジオシンセティックスで補強した斜面や、実際規模の試験盛土に適用して、その妥当性を検証する。
  • 宮田 喜壽, 木暮 敬二, 落合 英俊
    1996 年 11 巻 p. 91-100
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    高含水比粘性土の盛土工に対して、ジオテキスタイルを用いた補強盛土工法の有効性が報告されている。しかし、その設計法は十分に確立されていない。本文においては、はじめに排水補強された盛土の破壊状態を表わす安定解を速度場法を用いて表現し、それらに基づいた敷設長の算定法を示す。つぎに、著者の提案する排水効果の評価法をもとに、敷設間隔の算定法、ならびに排水材の選択法を示す。最後に、それらをまとめた設計フローを示す。
  • 松尾 修, 堤 達也, 斉藤 由紀子, 福田 直三, 若槻 好孝
    1996 年 11 巻 p. 101-110
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    本報では、ジオシンセティックス補強土壁の耐震性を検討するために、補強材の敷設長、盛土高、壁面勾配、壁面剛性および入力波形を変化させた振動台実験を6ケース実施し、既往の安定計算と比較検討した。その結果以下の知見が得られた。
    (1) 分割型壁面のすべり面は、補強領域外側から補強領域内の下層に現れ、さらに加振を行うと補強領域が一体となって前面側に動き、その背後がくさび状に落ち込んだ。一体型壁面の場合は、壁面の変形が拘束されるためその上端が大きく前傾した。
    (2) 土圧分布、補強材の張力分布は、分割型壁面の場合には、ともに盛土下部、あるいは壁面に近いほど大きく発生した。一体型壁面の場合には、両者とも分割型壁面と比較すると小さな値を示した。
    (3) 補強領域背後の土圧は、加振加速度が大きくなると1サイクル中にピークが2回生じる。
    (4) 既往設計法との比較検討を行った結果、設計法は破壊状態に対してはある程度の安全率の余裕を含んでいるが、復旧対策を必要としない使用限界の変形状態に対する安全率の設定が重要であることを示した。
    (5) 補強材に発生する深さ方向の張力分布は、ほぼ中段を境に盛土上部では実測値より設計値の方が大きく、下部では設計値より実測値の方が大きくなる傾向が見られた。
  • 一志 義晴, 乾 司, 栗林 賢一, 舘山 勝
    1996 年 11 巻 p. 111-117
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    平成7年1月17日の兵庫県南部大地震により、JR東海道本線摂津本山・住吉間において盛土構造を中心に崩壊が発生した。現場は、南北に存在する旧河川の上に構築された盛土上をJR東海道本線がほぼ東西に走っている。
    崩壊前の構造は石積み土留壁が中心であり、盛土のり面部分に張りブロック工を施していた部分は全壊状態、他も亀裂・目違い等の変状がみられた。
    複々線区間のうち、被害の少なかった内側2線を先行開通させる目的及び外側2線の軌道工事を施工する目的を兼ねて仮設工事が行われたため、盛土本体は親くい横矢板で締め切られた状態になることを余儀なくされた。そのために、今回の地震でも変状が少ない等の実績がみられた補強盛土工法を中心に復旧を進める際に、補強材の十分な敷き込み長が得にくい状態となったが、その敷き込み長の不足分をラディッシュアンカーで補い復旧した。本文はその復旧に際しての考え方について報告するものである。
  • 栗林 賢一, 乾 司, 一志 義晴
    1996 年 11 巻 p. 118-124
    発行日: 1996/12/03
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    福知山線尼崎~塚口間は、上下線の一部区間が0.5km程離れた配線となっている。それを立体交差事業により、上下線が元の下り線の用地内に並行できるように、既設の下り線盛土の両側に腹付け盛土を施工する。
    そのため、営業線と民家に挟まれた狭隘な条件での施工を余儀なくされ、大型機械の搬入が不要で、公害が少なく、根掘が最小限に留められる工法が求められた。
    また、盛土区間は盛土高さが7m程度ある上、基盤の地盤がGLから5m程度まではN値が2~3の地質となっており、非常に軟弱であるため、従来の擁壁構造であれば杭の打設が必要となり、当該工区の狭隘な条件では施工が困難であった。
    そこで、小型の機械で施工可能な攪拌混合杭を施工して一部地盤改良し、その上に補強盛土を構築することによって当該現場の施工上の問題に対処した。また、阪神淡路大震災時にも目立った変状がみられず耐震性の信頼性も確かめられた。本論はその詳細について述べたものである。
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