JAPANESE CIRCULATION JOURNAL
Online ISSN : 1347-4839
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45 巻, SupplementIII 号
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  • 岩崎 勤
    1981 年 45 巻 SupplementIII 号 p. 477-482
    発行日: 1981/12/31
    公開日: 2008/04/14
    ジャーナル フリー
    一時的冠動脈の血流遮断後の再潅流が, 心筋梗塞量と心筋からの流出酵素に与える影響を検討するため, 麻酔開胸犬で冠動脈を20分から2時間血流を中断し再潅流を行い, 結紮群と比較検討した. 酵素はcreatine phosphokinase (CPK)-MBを中心に測定した. CPK-MBは血流遮断後より4時間ですでに上昇し再潅流群 (45分から2時間遮断群)は結紮群に比し再潅流後早期に上昇した. 心筋梗塞量は結紮群11.4gに比し, 2時間遮断群9.2gで差がなく, 1時間から20分遮断群は結紮群より低値を示した. 結紮群における血中のCPK-MB変化より求めた計算上の梗塞量は実際の梗塞量とよく相関した. 再潅流群における血中CPK-MB量は虚血心筋におけるCPK-MBの減少より考えると多く, 再潅流群での血中酵素に基づく梗塞量推定は不正確になった.
  • 榎木 一成, 小川 宏一, 僑木 秀和, 酒井 和好, 伊藤 隆之, 甲斐 一成, 佐竹 辰夫
    1981 年 45 巻 SupplementIII 号 p. 483-488
    発行日: 1981/12/31
    公開日: 2008/04/14
    ジャーナル フリー
    内因性Prostaglandinの虚血心臓における関与並びにその意義について不明の点が多い. 著者らは同一犬において, 急性冠閉塞[左前下行枝 (LAD)結紮]後のPGE1, PGF濃度の変動と虚血領域冠静脈血流量の変動さらに, lactate, glucose濃度の変動との関係について, 雑種成犬16頭を用い, PG合成阻害剤であるindomethacin(IND) 5mg/kgの投与群と非投与群との2群に分け検討を行った. PG濃度はradioimmunoassay法にて測定した. IND投与群では虚血領域冠血流はIND非投与群に比べLAD結紮15, 30分後に有意の低下を認めた(p<0.05). 同時にIND非投与群ではLAD結紮15分後に, PGE1, PGF, lactateの有意の遊出がみられたが, IND投与群ではIND非投与群に比べPGE1, PGFの遊出が抑制されるとともに, 虚血の指標としてのlactateの遊出も増強された. PGE1には強力な冠血管拡張作用がPGFにはほとんど冠血管作用がないことが知られており, 今回の成績より虚血部局所より生産遊出した内因性PGE1が急性冠閉塞直後の局所の血流調節作用に関与し, 虚血領域の冠血流量を増加させ虚血心臓に有用な役割を演じていることが示唆された.
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