ギリシアとエーゲ海文化の研究の領野での最近の最大の驚きと收穫は英國の若い學者Michael VentrisとJohn Chadwickとの連名でJournal of Hellenic Studies, 73 [1953年] pp.84-103に獲表された《Evidence for Greek Dialect in the Mycenaean Archives》と題するミノア文字Bの解讀であつた.それ以前にHrozny, Georgievその他の甚だ大膽な,システムのない《解讀》が發表され,それは全體で十五に及ぶと考へられるが,どれも恣意的な,人を納得させ得ないものばかりであつたが,今度の解讀はその方法といひ,鍵といひ,終始一貫し,勿論未だ不明の點は多いにしても,解讀の正しさを十分に納得させるものである.
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