glioma治療では,biopsyを行わずに腫瘍の悪性度の推定を行う必要が,しばしば生ずる.CT,MRIなどの通常の診断法に加え,MRS,SPECT,PET等の併用で,より多くの情報が得られる.26例のastrocytic tumor ^18Fluorine-fluorodeoxyglucose(FDG)-PETを行い,5段階のgrade(grade1:正常白質より低,2:正常白質と同等,3:正常白質と灰白質間,4:正常灰白質と同等,5:正常灰白質より高)を設定し,比較した.腫瘍別のgradeの平均値は,glioblastomaで4.6,anaplastic astrocytomaで3.9,astrocytoma(grade2)で2.5であった.一方^11C-methionine-PETでは,比較的low gradeより集積を認める傾向があったが,放射線脳障害でも集積を認める場合もあった.腫瘍の存在に関しては,methionine-PETがより感度が高いが,やや特異性に乏しく,悪性度の判定にはFDG-PETが有用であった.PET等の診断機器を併用することにより,非侵襲的に腫瘍の悪性度の推定および同一腫瘍でも組織が不均質な場合,腫瘍内の最も悪性である部位の推定が可能であると結論できる.
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