倫理的にも臨床的にも未解決の問題が山積する胎児期水頭症の治療指針について論じた.出生前に診断され, 生まれるまでの時期に, 基礎疾患の診断, 出産時期と方法の決定, そして母親や父親に対する説明とカウンセリングを綿密に行う必要がある.胎児期水頭症に関しては早期治療が予後を改善するというエヴィデンスはなく, 特別な場合を除いて正期産の37週頃を想定し, 産科的適応により出産方法を決定するのが望ましい.治療は, 出産後に脳室腹腔シャント術(以下, シャント術)が第1選択である.シャント手術時の体重は2,000〜2,500g以上が望ましく, それ以下ではリザーバー設置術を施行し, 髄液排除を行いながら, 体重2,000〜2,500gを超えてから, 手術施行するのが一般的である.脊髄髄膜瘤に関しては, 修復後しばらくしてシャント術を行うのが一般的である.髄膜炎を併発していたり, 修復が遅れた場合は, いったん脳室ドレナージを置くことが望ましい.諸外国の胎児期水頭症の現状, 胎内治療の現状についても概説した.
抄録全体を表示