内視鏡下血腫除去術は近年普及しつつある低侵襲手術の一つであるが,術中・術後出血などが原因で転帰不良となることがあり,その適応には十分な注意が必要である.出血性合併症を,要因に基づき患者要因,手術要因に分類し考察したところ,患者要因として血管性病変や凝固異常の合併などが相対的禁忌として挙げられた。一方,手術操作に伴う要因として,内視鏡操作の基本手技の関連が示唆された.本術式における基本手技は,穿頭,血腫穿刺,血腫吸引,止血操作であり,これらを確実に修得することが重要である.そのためには,手術手技を十分に理解するとともに,ハンズオンセミナーなどの教育プログラムの充実が今後の課題であろう.
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