2003年4月〜2008年1月までに治療した症候性腰仙部脊柱管内嚢胞性病変18例について,年齢,性別,画像所見,治療成績,組織診断などについて検討した.男性14例,女性4例で平均年齢は68歳であった.主な症状は,下肢痛(100%),腰痛(83%),間欠性跛行(100%)であった.罹患椎間はL_<4/5>が最も多かった(56%).14例に手術施行し症状は消失した.保存的治療を行った4例で嚢胞の自然消退がみられた.腰仙部脊柱管内嚢胞性病変は,根性疼痛や間欠性肢行の原因となりうる.嚢胞切除は安全で効果的な治療法である.しかし,一部の症例では自然消退を認めるので,慎重な経過観察の後,手術を検討すべきである.
抄録全体を表示