Trigeminal schwannomaは,その発生母地である三叉神経の解剖学的特性により複雑な発育様式をとるが,頭蓋底外科の進歩,三叉神経を取り巻く膜構造の理解により,外科的治療は,近年格段の進歩を遂げた.われわれは,本腫瘍の発生部位,発育様式に基づいたtrigeminal schwannomaのMPE分類を提唱した. M type, P type, E typeはそれぞれ,中頭蓋窩,後頭蓋窩,頭蓋外の単一のcompartmentに局在し,MP type,ME type,MPE typeは,複数のcompartmentに進展している.本稿では,MPE分類と膜構造の解析からみたtrigeminal schwannomaの手術戦略について解説した.
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