近年の内視鏡技術の発展は目覚ましく, 従来, 下垂体病変のみが適応とされていた経鼻的手術は, 頭蓋底外科手術の領域へとその適応を広げている. 内視鏡下頭蓋底アプローチでは, 前頭蓋底, 傍鞍部, 斜台をはじめとし, 海綿静脈洞や頭蓋頚椎移行部といった従来到達が困難であった部位などの広い範囲に, 到達が可能となっている. 内視鏡下頭蓋底手術では, 従来の顕微鏡下での頭蓋底アプローチと比較して, 技術の習得が容易であるが, その習熟にはいくつか手術の “コツ” が存在する. ここでは, こうした手術の要点を含め, 現在広く行われている基本的なアプローチ法から, 近年われわれが開発した方法について, 内視鏡下頭蓋底手術の実際について紹介する.
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