The Cancer Genome Atlas (TCGA) はヒト癌の発生に関わる遺伝子異常を網羅的に解明するためのプロジェクトであるが, そのpilot studyの最初の対象疾患は膠芽腫 (GBM) である.
本稿ではそれらのうち代表的な4つの成果, (1)膠芽腫において高頻度に認められる3つの経路の異常, (2)IDH1遺伝子, (3)分子プロファイルに基づいたGBMの分類, (4)glioma CpG island methylator phenotype (G-CIMP) についてその内容を紹介する. GBMはヘテロな疾患群であることが改めて証明され, 近い将来, 分子標的療法を施行するうえで重要な指標になると考えられる.
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