頸椎・頸髄損傷における治療上の問題点の一つに,頸椎の不安定性の補強をいかにして行うかということがある.以前は頸髄の圧迫されている部位の除圧を行い,症例に応じて腸骨による骨移植やwiringを加え,さらにhalo braceなどの外固定を用いることが多かった.近年spinal instrumentationの発達に伴い,頸椎の内固定術が安全にかつ効果的に行いうるようになり,halo braceのような強固な外固定が不要になりつつある.代表的な手技としては,Halifax interlaminar clamp, Sof-wire, lateral mass plating,およびSynthesis anterior platingがあげられる.本稿では,これらのspinal instrumentationの適応,手技,問題点について,24例の自験例に基づいて検討を加える.
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