近年稀となった副鼻腔炎に起因する頭蓋内感染症, 特に硬膜外膿瘍の1例の外科的根治例を報告した.症例は18歳の男性で, 学童期よりしばしば感冒に伴い副鼻腔炎を併発していた.今回左眼瞼発赤腫脹, 発熱, 頭痛で発症し, CT上眼窩内および硬膜外膿瘍を認めた.術前より広域スペクトラム抗生物質の投与を行い, ついで穿頭膿瘍ドレナージでは根治性に問題があると判断し, 開頭硬膜外膿瘍除去, 前頭洞内粘膜郭清, 外減圧術を施行し, 同時に眼窩内膿瘍ドレナージ術も行った.前頭洞内の処理については, 感染の再燃を考慮し, 前頭洞から前篩骨洞への内ドレナージを行った.術後起因菌同定後感受性抗生物質を投与し緩解した.
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