認知心理学研究
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12 巻 , 2 号
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原著
  • 正田 真利恵, 黒田 直史, 横澤 一彦
    原稿種別: 原著
    12 巻 (2014) 2 号 p. 69-76
    公開日: 2015/04/16
    ジャーナル フリー
    顔や視線は情報選択を司る顕在的注意,すなわち注視に影響する.本研究ではマジック動画観察時の眼球運動を計測することで,ヒトの顔や視線方向が,注視に強く影響することを検証した.動画開始時にはマジシャンの顔が注視されやすかった.またマジシャンが視線を向けた物体が,その後,持続的に注視されたことから,他者の視線方向が観察者の注視行動に影響した.さらに注視すべき対象を知っている2回目観察時においても,マジシャンが視線を向けた物体が長く注視された.そしてマジシャンの顔が遮蔽され,視線方向を視認できない場合にも本傾向は生じたことから,他者の視線は,観察者の注視行動に対して,頑健に影響したと考えられる.ただし他者の視線方向に対する注視の偏りは,動画の進展に伴い減衰した.以上より,他者の意図を正しく推測できて初めて内容が理解できるマジック動画を観察しているときには,事前観察に基づき注視行動を制御可能であっても,他者の存在から視線を逸らしにくいことが明らかになった.
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  • 小澤 良, 大杉 尚之, 牧野 義隆
    原稿種別: 原著
    12 巻 (2014) 2 号 p. 77-87
    公開日: 2015/04/16
    ジャーナル フリー
    短時間のうちに連続して取得された部分的な視覚情報は,取得直後には正確に想起可能であるが,その多くが数s後には想起不可能になる.このことは,時間の関数に従って場面に関する記憶表象が急速に失われることを示唆する.しかし,これまでの研究では短時間で連続的に視覚情報が獲得される事態を模擬するために,独立した個別の場面または個々のオブジェクトの画像が同じ試行内で連続して提示されていた.そのため個々の刺激が互いに一致した場面より取られた場合,それが衰退に及ぼす影響が不明である.そこで本研究では同一の場面画像を分割した画像を連続的に提示することで,場面の一致性が場面情報の保持に及ぼす影響について検討した.さらに信号検出理論を用いることで,提示された画像か否かを識別する感度と判断基準の観点から評価した.実験の結果,場面の一致性は時間にかかわらず感度を低下させた.また,場面の一致性の有無によって時間の関数に従った判断基準の変化の傾向が異なっていた.このことから場面の一致性は再認系列以前に記憶表象を衰退させること,また想起時の意思決定段階で影響することが示唆された.
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  • 進藤 将敏
    原稿種別: 原著
    12 巻 (2014) 2 号 p. 89-99
    公開日: 2015/04/16
    ジャーナル フリー
    本研究は,幼児における描画構成の発達,特に対象の非標準型の構成に関わる認知的要因として,描く大きさと位置を捉えるための空間認知と標準型に対する反応の抑制に着目した.実験1では描画と認知の関連を確認するため,4歳児から6歳児を対象に描画課題,空間認知課題,標準型の抑制課題を実施した.その結果,非標準型を描いた参加児のほうが標準型を描いた参加児よりも空間認知および抑制得点が高いことが確認された.実験2では認知と描画の因果性を調べるため,実験1で標準型を描いた参加児を対象に認知の向上を促す訓練を実施した.その結果,空間認知および抑制の両得点が向上した参加児は非標準型を描くようになることが明らかとなった.以上から,空間認知と抑制の発達が描画構成の発達に寄与することが示唆された.
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