認知心理学研究
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原著
  • 大杉 尚之, 河原 純一郎
    2020 年 17 巻 2 号 p. 69-77
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/03/05
    ジャーナル 認証あり

    日本において,お辞儀は第一印象の形成にポジティブな効果を持つと信じられている.最近,Osugi & Kawahara(2015)は,お辞儀が魅力知覚に及ぼす影響について実験的に検討した.写真上辺を前方に傾け,元の角度に戻すお辞儀条件では顔写真の主観的な魅力が上昇した.本研究では,これらの発見を拡張し,お辞儀の効果の変調要因を検証した.研究1の結果は,顔写真の外見魅力(実験1と2),顔の性別(実験3),人間と人間以外のエージェントの違い(実験4)のいずれともお辞儀の効果は独立であった.これらのことから,さまざまな顔刺激間でお辞儀効果量に違いはなく,外見的特徴とは独立に印象形成に寄与している可能性が示された.すなわち,誰がお辞儀をするかは重要ではなく,お辞儀動作そのものによる効果が加算的に作用することで印象が形成されると考えられる.また,この結果がお辞儀効果に関するメタ認知と一致しているかについて検討した結果(研究2),実験結果とメタ認知の食い違いが生じ,低魅力の人や人間以外のエージェントのお辞儀効果が小さく見積もられることが明らかとなった.

  • 野添 健太
    2020 年 17 巻 2 号 p. 79-89
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/03/05
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,リストを反復提示する場合のリスト項目に対する記銘意図がDRM(Deese–Roediger–McDermott)手続きの虚再認に及ぼす影響について検討した.実験では,2種類の学習リストから項目を一つずつペアにして提示し,その一方を記銘させ(意図学習条件),もう一方を無視するように教示した(偶発学習条件).なお,項目ペアの提示回数は1回,5回,10回で操作した.実験の結果,意図学習条件は概ねリスト項目の提示回数が増加するに伴って正再認率は増加し,虚再認率は減少するというパターンを示した.一方,偶発学習条件では提示回数が増えても虚再認率は変化せず,正再認率のみが単調に増加するというパターンが得られた.これらの結果は,リスト項目に対する記銘意図がリストの反復提示と虚再認の関係を調整する働きをもっており,ルアー項目に気づきやすい状況かそうでないかによって,虚再認のパターンが変化する可能性があることを示唆していた.

  • 神谷 俊次
    2020 年 17 巻 2 号 p. 91-99
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/03/05
    ジャーナル 認証あり

    思い出そうとする意図がないにもかかわらずふと想起される自伝的記憶は不随意記憶と呼ばれている.本研究では,言語連想課題における連想の流暢さと不随意記憶の生起との関係について検討した.研究1では,197名の大学生が連想課題中に生起した不随意記憶を報告した.また,彼らは,連想語の検索が自動的であったかどうかについて評定した.その結果,連想語が自然に思い浮かんだ場合に不随意記憶が生じやすかった.研究2では,26名の大学生が大学構内を実験者とともに散歩する間に生起した不随意記憶を報告する統制されたフィールドインタビューに参加した.さらに,参加者は,実験室で言語連想課題にも取り組んだ.統制されたフィールドインタビューで収集された不随意記憶数と実験室内の連想課題において産出された連想語数との間には有意な正の相関が認められた(r=.53).これらの結果は,不随意記憶が記憶ネットワークにおける連想を基礎としており,言語連想と共通したメカニズムをもっていることを示唆している.

優秀発表賞
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