肛門管上皮および上皮下結合織の神経要素は3つのoriginがある.第1はMeissner神経叢で胎児・新生児の内肛門括約筋上端の僅かな部にあり,以後の年齢では明らかでない.
第2は骨盤腟内から縦走筋部に来た外来神経線維で内肛門括約筋から出るものと内肛門括約筋下端を潜ってくるものがある.胎児に最も多く,年齢と共に少くなる.
第3の神経要素は骨盤腔外から外肛門括約筋を通り内肛門括約筋下端を潜って歯状線附近まで上行し,との間に神経叢と知覚神経終末を形成している.知覚神経終末は自由終末と小体様終末で,自由終末は胎児から成入の全例に在る.小体様終末は4歳以後に在る.糸毬状小体,陰部神経小体の他に静脈壁に接して圧感受終末とされている特殊な終末がある.神経線維が特異な膨大や拡散をするものがあり'刺激受容面積を拡大するものと考えられる.括約筋間溝から下方は外肛門括約筋下端を潜った神経線維が分布している.
抄録全体を表示