日本大腸肛門病学会雑誌
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29 巻, 5 号
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  • 増田 強三
    1976 年 29 巻 5 号 p. 387-390,483
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    痔核の手術に私自身の手術法はない.すべて先人の教えによるものである.症例によっでいろいろの術式を用いるが,最近最もよく用いているのは結紮切除法と結紮法を組合せたものが多い.要はその症例に最も適した術式を用いることが大切である.
  • 竹馬 浩
    1976 年 29 巻 5 号 p. 391-394,483
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    痔核の手術手技に関してはMilligan-Morgan,Turell,Bacon,Stone,Goligherらによってすでに語りつくされているが,私なりに細部にわたって工夫していることがらを,I.手術適応,II,術前・術後の管理,III,手術手技,IV,肛門外科医として一言の項目にわけて述べてみた.私が特に記述したかった点は,術前routine sigmoidscopyと術後管理の中で肛門手術創の洗浄,食餌制限の撤廃,排便指導などで,昔から医治の常識と考えられていることの中にも足らざる点や,無用なことが沢山ある点である.手術の手技は各人各様それぞれ長短があろうが,何年かかかって自然にでき上がる自分の流儀というものをあらためてここに記し諸賢のご批判を仰ぐことは大いに意味のあることと考え,非才を省みずあるがままを記述させて頂いた.
  • 脇坂 順一, 磯本 浩晴
    1976 年 29 巻 5 号 p. 395-399,483
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    痔瘻の手術にあたって,教室ではまず,原発巣と瘻管の走行を把握することに努め,手術の実際は原則的に瘻管の摘除を行い,欠損した創を開放性としている.肛門括約筋の切離に際しては切離する部位,深さや数などに留意して行い,開放創に対しては,free drainage或は創縁のtrimmingを行う.又,必要に応じて一部創の縫合や,皮膚欠損における筋肉の充填を追加する.肛門括約筋温存手術の経験では,初期において少なからず再発を認めたが,その原因として原発巣の処理が不完全であったと反省している.
  • 衣笠 昭
    1976 年 29 巻 5 号 p. 400-402,484
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    極めて一般的な疾患である裂肛は,病像が多彩であって,それぞれの病状によって治療方法が異なってくる.このため,病像と治療方法との関係を模式図で表わし,その中で手術の部分に関し,著者の行なっている方法を述べた。特に凍結療法について詳述し,また,皮膚移動術については著者の行なっている内括約筋切断併用法を述べた。
  • 特に小児例の手術適応と術式の選択
    牛島 正和, 為末 紀元, 山本 泰寛, 田中 昭, 志村 秀彦
    1976 年 29 巻 5 号 p. 403-408,484
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    約1年間の内科的治療に発作,寛解を繰返した9歳女子の全結腸型小児潰瘍性大腸炎の1例に,自然肛門を温存した根治的手術を施行した.即ち全結腸切除,直腸粘膜抜去,回腸肛門吻合術を一期的に行い,便失禁は全くなく,術後経過は極めて良好で,術後の身長,体重の伸びは著明であった.術前は低栄養状態,貧血の改善のため,術後は全結腸切除という過大な手術浸襲からの回復のため,高カロリー輸液を併用した.本症罹患の小児例では生理的,性的発育の抑制と罹患結腸の癌発生を考慮して,保存的治療に抗して症状が持続又は寛解発作を繰返す例では,積極的に外科的切除を行うべきと考える.小児例の将来を老える時,自然肛門温存は必須でなければならない.我々が行った術式は,小児例でも,高カロリー輸液を併用すれば,一期的に施行出来て,機能的にも十分満足される結果が得られるものと確信する.
  • 長尾 孝一, 松嵜 理, 更科 広美, 樋口 道雄, 十束 支朗, 矢崎 光保
    1976 年 29 巻 5 号 p. 409-419,485
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Intestinal Behçet症候群における腸管変化の肉眼的特徴は,固有筋層に達する深い潰瘍で,著明な"下堀れ"現象を示している.そのため,潰瘍辺縁上皮の再生と相俟って,潰瘍辺縁上皮の潰瘍底への"垂れ下がり"所見としてみとめられる.
    組織学的には,多くの潰瘍には,亀裂(Fissuring)の形成がみとめられる.この亀裂には2通りあって,その1つは,潰瘍底から直角に漿膜に向うものと,他の1つは,粘膜組織にそって横走するものである.前者の変化は,Intestinal Behçet病の特徴である穿孔の原因となるし,また,後者の変化は,内瘻形成の原因となることが判った.
    Intestinal Behçet病における基本的変化は,細小静脈炎で,中静脈へと拡がり,obliterated phlebitisを起し,その2次的循環障害が潰瘍形成,亀裂形成の原因となっていると考えられる.
    以上の事柄は,Intestinal Behçet病の特徴,組織発生を考える上に示唆にとむ所見と考えられる.
  • 武藤 徹一郎, 神谷 直治, 堀江 良秋, 石川 浩一, 宮地 幸隆
    1976 年 29 巻 5 号 p. 420-426,485
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    30名の非特異性直腸炎の患者に,ハイドロコーチゾンまたはプレドニン坐薬を治療回数延べ46回にわたって使用し,その治療効果を検討した.少数例を除いて,ステロイド坐薬は非特異性直腸炎に対して著明な効果を示し,特に主訴である粘血便の消失が早期に認められた.長期連用にも拘らず,ステロイド坐薬による臨床的副作用は全く認められなかった.われわれの経験から,直腸炎は早期に診断し早期に高濃度ステロイド坐薬を使用すれば,容易に治癒することがわかった.全大腸炎の残存直腸への炎症再燃の治療にもステロイド坐薬は有効であった.連続的な臨床病理学的観察から,非特異性直腸炎は潰瘍性大腸炎の一型であると考えられた.
  • 所 安夫, 小金沢 滋
    1976 年 29 巻 5 号 p. 427-440,486
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    1)癌化を伴った家族性及び瀰漫性大腸ポリポージス各1例を資料に,癌という悪性増殖物に固有な「質」(細胞性格と増殖態度)を規定する「量」(極限は1個の細胞)の限度を尋ねる目的で,各例のポリープを1個余さず即ち前者で920個後者で2333個を,病理組織学的に観察した.
    2)各例について,ポリープの発生部位と大きさと異常増殖性(通常の異型性5分類)との相互間の関聯を調べ,例えば最多発する横行・下行結腸では意外に異型性乏しく,直腸S状結腸で4.0mm~5.0mmに異型が目立つ.両例共完壁に癌化したポリープは僅かに1個にすぎぬ.
    3)所謂境界領域(In Situ Cancer,分類IV)に重点をおいて悪性判断の質量関係を吟味し,その理念と実像との微妙な関係が結局は主観介入に基くことを確認した.
    4)かくして私共は,臨床診断に真に貢献する悪性規準を極めて簡素にし境界域を放棄して,癌と非癌との二者択一の見解を樹立してその解訳をのべた.
  • 樋上 駿, 北村 彰英, 池永 達雄
    1976 年 29 巻 5 号 p. 441-445,486
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    注腸造影検査中にS宇結腸癌部が穿孔して起ったバリウム腹膜炎の2例を経験した.
    症例1は60歳男子で,注腸造影中に癌のすぐ肛門側が穿孔,4時間後に開腹手術したが,術後9日目に死亡した.剖検でドレーンを挿入しなかった部に多量の膿を認めた.
    症例2は49歳女子で,注腸造影中に癌のすぐロ側が穿孔,腹膜炎症状が徐々に強くなり,穿孔後9日目に開腹手術を施行.2次的に癌に対して前方切除を行った.
    2例に対し,バリウム腹膜炎とS字結腸癌の2点から,頻度・原因・診断・治療・予後につき文献的考察を加えた.
    その結果,癌部穿孔によるバリウム腹膜炎に対しては,極めて予後不良な腹膜炎の治療に重点を置き,初回手術はドレナージとloop colostomyに留め,2次的に癌の手術をすべきであると考えた.
  • 1976 年 29 巻 5 号 p. 446-455
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 29 巻 5 号 p. 456-464
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 29 巻 5 号 p. 465-481
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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