日本大腸肛門病学会雑誌
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30 巻, 1 号
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  • 平本 靖彦, 石原 通臣, 宮下 義聰, 菊岡 理, 森田 建
    1977 年 30 巻 1 号 p. 1-9,92
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    人の直腸肛門機能の検索を目的としてOpenTip法による定量的なManonetric Studyを新生児から成人までの72例に施行し,検査上の要点についても検討した.
    直腸肛門機能の発育過程をみると,生後1週間以内では肛門管の静止圧及び排便反射機構は未熟であるが,生後1カ月間に著しい発育がみられ,思春期以降に上部肛門管の成長が顕著である.直腸伸展によって恥骨直腸筋部にも内肛門括約筋部と同様の弛緩反応がみられたことから,直腸肛門反射による肛門管の弛緩には恥骨直腸筋も関与しているものと考えられる.
    われわれは肛門管の動態を立体的な圧変化として静止圧曲線と弛緩圧から作成し,これを"Reflex Anorectal Pressure Profile"と名づけ,直腸内圧が上昇すると恥骨直腸筋,内肛門括約筋が反射的に弛緩して,肛門管は上部から漸次開口して行く所見が得られた.
  • 吉井 由利, 小林 世美, 加藤 王千
    1977 年 30 巻 1 号 p. 10-17,92
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1964年12月から8年間に,愛知県がんセンターにおいて手術が施行され,組織学的に確診できた大腸癌399例(直腸癌279例及び結腸癌120例)について,臨床症状及び臨床所見と癌の進行度及び占居部位との関連性を検討した.
    大腸癌の4大主要症状は,経肛門出血,便通異常,腹痛及び腹部腫瘤の触知であり,経肛門出血を,DukesAの直腸及びS字状結腸癌において最も多く認めた.便通異常及び腹部腫瘤の触知は,癌の進行に伴い増加し,比較的遅く現れる症状であった.特に直腸指診は重要で,DukesAの直腸癌の約80%に触知できた.右側結腸及び横行結腸癌に多い症状は腹痛であったが,DukesAの癌で,顕出血以外に便潜血反応及び末稍血検査にて腸管出血を高率に証明した.
    従って,大腸癌の早期診断の手掛かりとして,便潜血反応の意義は大きいと考える.
  • 樋上 駿, 北村 彰英, 赤尾 明俊, 山田 二郎, 池永 達雄
    1977 年 30 巻 1 号 p. 18-20,93
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1974年から1976年9月までにおける,肛門部の手術92例を,脊椎麻酔群55例と経仙骨ブロック群37例とに分け,両群の副作用および合併症の発生率を比較検討した.
    経仙骨ブロックの手技は,V.L.Trainaの論文に従った成功率は脊椎麻酔100%,経仙骨ブロック97%であった.
    血圧下降のために昇圧剤を使用したのは,脊椎麻酔27.3%に対し,経仙骨ブロック2.7%と,導尿は38.2%に27.0%,術後嘔吐は5.5%に0と,頭痛は16.4%に2.7%と,尿路感染は3.6%に0と,いずれも経仙骨ブロックが少なかった.有意差は,血圧下降と頭痛にはあったが,他にはなかった.
    以上の結果に考察を加えた.その結論として,経仙骨ブロックは,手慣れれば易しい手技であり,合併症の面からも,脊椎麻酔より優れている.
  • 岡本 英樹, 古城 治彦, 三好 洋二, 田村 短章, 福本 四郎, 田中 弘道, R. Noda
    1977 年 30 巻 1 号 p. 21-24,94
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1973年5月よう本年9月までに大腸X線検査を740例に施行,43例5.8%に大腸憩室を認めた.右側結腸の頻度が高く,43例中31例72%であった.右側結腸憩室1例,左側結腸憩室2例の計3例に手例を行った.
    今回はS状結腸に高度な狭窄を認めた1例を報告する.
    患者は57歳男性,昭和47年4月下腹部痛及び排便困難を訴え受診,注腸検査にてS状結腸及び盲腸部を中心にほぼ大腸全域に多数の憩室を認めたが狭窄及び炎症症状はなく大腸憩室病と診断した.
    内視鏡検査では高度の狭窄を認め,狭窄部周囲には腫瘤や潰瘍もなく比較的平滑であったが強度の浮腫状粘膜を示し,発赤,出血及び変色が所々に認められ憩室炎に由来する狭窄と診断した.
    摘出標本ではS状結腸部に手拳大の腫瘤を形成し,その割面は筋層及び脂肪組織の肥厚が認められ,粘膜面には,びらん,潰瘍は認めないが,強い収縮と憩室入口部を所々に認めた.組織学的には,狭窄部の輪状筋は11mmに肥厚し粘膜はいしわ状を呈し輪状筋をつらぬいたherniationを認め嵌入粘膜の先端では所々にmicroabscessの形成を認めた.
    この症例は官城の憩室炎発生と進行に関しては比較的軽度な憩室炎から短期間に炎症性腫癌を形成し狭窄を来したものと考察した.
  • 安藤 博文, 五戸 達雄, 蔵本 新太郎, 江口 環禧, 永井 清博, 伊藤 三則, 片山 圭男, 小野田 肇, 鈴木 義雄, 柳田 謙藏, ...
    1977 年 30 巻 1 号 p. 25-32,94
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    我々は過去16年間に潰瘍性大腸炎として,緊急手術を行った4例を経験したが,大量下血を呈し,激症型の疑いにて緊急手術を施行した症例と,激症タイプと思われた1症例について文献考察を加えて報告した.2症例について昭和50年3月7日の厚生省特定疾患潰瘍性大腸炎調査研究班の診断基準に照し合わせながらretrospectiveに検討してみると,いつれも潰瘍性大腸炎の急性電撃型と診断できるわけであるが,1症例1については,剔出標本などをよく観察しながら検討してみると,肉眼的にも正常粘膜が充分存在し,散在性で,出血性の新鮮な浅い潰瘍と粘膜下出血が所々みられ潰瘍性大腸炎の激症型とは異るように思われた。症例2は内視鏡所見で一見して潰瘍性大腸炎の活動型と判断が可能であり,病理所見,臨床経過よりみて激症型潰瘍性大腸炎と考えてよい。激症型の治療について,厚生省の研究班の内部試案などにみれば,強力な静脈療法を行なっても,一週間以内に症状の消失しない場合は,緊急手術の必要を認めている。またgallagherによれば,激症型の場合は早期手術が晩期手術より成績がよいと述べているが,現実の問題として,緊急手術か待期的な手術かの選択を迫られるとき,待期手術では死亡率3~4%であるのに対して,緊急手術では20~30%と,両者間における死亡率の差がみられる以上,極めてその決断が困難なものとなるなど緊急手術の適応について考察した.
  • 1977 年 30 巻 1 号 p. 33-36
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 1 号 p. 52-85
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 1 号 p. 95
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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