日本大腸肛門病学会雑誌
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30 巻, 2 号
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  • 樋渡 信夫, 渡辺 晃
    1977 年 30 巻 2 号 p. 99-101,181
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸炎型,および全・左側大腸炎で下部大腸にのみ活動期病変が残された軽症型の潰瘍性大腸炎18例に対してサラゾピリン坐薬を投与し,その治療効果と有用性を検討した.1日1~2g投与して4週間後に効果を判定したが,18例中有効11例,やや有効4例で,著しい効果が認められた.ことに,サラゾピリン経口投与やプレドニン肝油注腸が無効であった13例に対しても有効7例,やや有効4例と,高率に有効であった.副作用としては1例に軽度の眩暈を認めたのみで,経口投与と比較してはるかに少なかった.以上により,本剤は直腸炎型または軽症型の潰瘍性大腸炎の,ことに外来治療における治療剤として有用な薬剤と考えられる.
  • 小平 進, 小山 靖夫, 北條 慶一, 池田 栄一, 広田 映五
    1977 年 30 巻 2 号 p. 102-109,181
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    過去約13年間に直腸癌に対して行った括約筋保存術式63例について,その予後,および再発(主として吻合部附近の局所再発)の実態を中心として検討した.
    本術式63例の粗累積5生率は78.4%で,直腸切断術225例の5生率47.1%に比し良好である.
    63例中9例(14.3%)に吻合部再発がみられた.吻合部再発例は腫瘍の位置が肛側に近いものに多少多い傾向をみたが,リンパ節転移との関連性は認められなかった,腫瘍下縁と肛側断端の距離(AW)と再発との関連性は必ずしも一定の関係を見出せないが,この関係を腫瘍の種々の因子(肉眼分類,大きさ,深達度)について検討すると,多少の関連性が示唆され,AWの安全域としては,腫瘍の大きさが3cm以上のもの,深達度がpmを越えるものではAWを4.1cm以上必要と考えられる.
    また吻合部再発例の治療,本術式の適応についても言及した.
  • 内田 満国, 坂口 潮
    1977 年 30 巻 2 号 p. 110-112,182
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    痔核,痔瘻などの,いわゆるminor ano-rectal surgery後の肛門部創は開放性に処置して肉芽組織による二次的治癒を計るのが原則とされているが,開放創の治癒には長時日を要する,ことに肛溝anal cleftでは両側臀部が相接しているため,この部の開放創は絶えず機械的刺戟を受け,また創ドレナージが阻害されやすいことなどから治癒が遷延しがちである.
    痔瘻手術後約4カ月半にわたって肛溝に沿った皮膚開放創の治癒が遷延していた19歳の女性において,両側の前腸骨棘に固定した絆創膏で両側の臀部を常時,左右に牽引して肛溝を開くようにしたところ,15日という短時日で開放創の完全治癒をみた.
    本法は,極めて簡単な手段で肛門部開放創の安静を保ち,創ドレナージを良好ならしめることによって,肛門部手術後開放創の治癒を促進する有効な方法であると考えられる.
  • 多田 正大, 竹村 周平, 仁木 弘典, 山本 実, 原田 稔, 川井 啓市
    1977 年 30 巻 2 号 p. 113-117,182
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    38歳の女性にたまたま直腸前壁に黄色調の平滑な微小隆起性病変が発見され,その内視鏡所見からカルチノイドが強く疑われた.しかし生検では繰り返し何らの所見を得ることができなかった.色素撒布法によってこの病変は粘膜下に増殖をとるものと判明し,手術の結果はカルチノイドであった.
    直腸に発生するカルチノイドはカルチノイド症候群に代表される症状が発現しにくく,生化学的診断法も必ずしも有効でないことから,その診断のためには生検が重要であるが,粘膜下腫瘍の生検のための新しい機構の鉗子の開発が望まれる.
  • 古城 治彦, 岡本 英樹, 田中 弘道, R. Noda, A. Tateishi
    1977 年 30 巻 2 号 p. 118-123,183
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸の脂肪腫は比較的稀な疾患で本邦の報告例は30例にすぎない.筆者らは最近2例の切除例を経験したので報告する.症例1.75歳男,腹部膨満感と便秘で入院.注腸造影でS状結腸に境界鮮明な球状無茎性の腫瘤陰影があり,表面平滑で良性腫瘍と診断した.内視鏡的に隆起表面は帯黄赤色で平滑であり,粘膜下腫瘍と診断した.摘出標本では,13.0×3.5×3.0cmの無茎性半球状め腫瘤で粘膜面に潰瘍1誘なく,-割面は黄色で組織学的には脂肪腫と診断した.症例2,56歳,女,左下腹部痛で大院した.注腸造彪で下行結腸に無茎性半球状の境界明瞭な腫瘤陰影を認め,その表面は平滑で潰瘍は認めない.内視鏡的に腫瘤表面はほぼ正常の粘膜で被われ,腫瘤の中央部に浅い潰瘍とびらんを認めた.内視鏡的には粘膜下腫瘍と診断し平滑筋腫を考えたが,生検組織では質診断はできなかった.摘出標本では腸管腔内に,無茎性半球状の腫瘤があり,中央部の粘膜面に浅い潰瘍と周辺のびらんを認めた.組織学的には筋層間に発育した脂肪腫で悪性所見は認められない.以上2例の大腸脂肪腫の手術例を報告し,術前診断と手術適応について考察を加えた.
  • 1977 年 30 巻 2 号 p. 124-127,184
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 2 号 p. 127-130,188
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 2 号 p. 130-140,191
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 30 巻 2 号 p. 141-172
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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