直腸下部,肛門管に発生する悪性黒色腫の頻度は極めて低い.5年生存率も10%前後と不良である.自験例を大腸癌取扱い規約で表現すれば,症例1はRb,I型,4×3.5×2cm,1/4周,a
2,P
0,H
0,n
1(+),n
3(-),R
3,OW(-),絶対治癒切除である.症例2はRbp,1型,10.5×3×5cm,亜全周,pm,P
0,H
0,ly
1,v
2,
n 4(-),R
3,絶対治癒切除である.共に根治術を施行した.術後に症例1はMETT療法を行ったが,8カ月で死亡した.症例2は免疫療法としてLevamisole,BCGを主に用い,また再発部にはcryosur-geryを施行したが8カ月で死亡した.
本症の治療原則は病巣の広範囲な切除である.しかし腫瘍そのものの悪性度が高く,補助療法も必要とし,免疫療法のうちcryo-immunotherapyの可能性について文献的考察を加え報告する.
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