日本大腸肛門病学会雑誌
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38 巻, 1 号
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  • 制限食下便潜血スライド3枚+問診法の成績と便潜血検査時の食事制限について
    太田 潤, 藤田 昌英, 中野 陽典, 熊西 康信, 木本 安彦, 大道 道大, 上田 進久, 塚原 康生, 藤原 彰, 下妻 晃二郎, 薄 ...
    1985 年 38 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    昭和57年4月から1年間に地域,職域,個人に対し制限食下便潜血スライド3枚+問診法による大腸癌集検を行なった.要精検者は(1)制限食下に便潜血反応(シオノギスライド)を連続3日間行ない,1回でもグアヤック法陽性の者.(2)問診票による有症状者.(3)大腸ポリープの既往や,親族に大腸癌患者をもつハイリスク者とし,直腸鏡,注腸検査,大腸ファイバースコープ等の精検を行なった.総受検者は7392名(男3704名,女3688名)で,その内,要精検者1934名(26.2%),精検受診者1251名(64.7%)であった.この中より大腸癌10例11病変(早期癌5例6病変),大腸ポリープ157例,大腸憩室113例等の病変が発見され,大腸癌の発見率は0.14%と高値を示した.検査時の食事制限に関しては,その遵守度と便潜血陽性率が相関関係にあり,食事制限の必要性が再確認された,又,これは受検者に対する啓蒙により意識向上をはかれば,十分為し得るものと考えられた.
  • 適応,手術手技と6症例の報告
    森谷 宜皓, 小山 靖夫, 北条 慶一, 清水 秀昭, 堂園 晴彦
    1985 年 38 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸癌術後再発の半数近くは,局所再発であり,骨盤内臓器全摘術を含む再切除術を施行しても,骨盤壁への癌巣の遣残により,姑息切除に終える症例が多い.また局所進展高度な原発直腸癌の一部には,すでに骨盤壁に浸潤の認められる症例もある.原発直腸癌2例,局所再発直腸癌4例の骨盤壁浸潤例に仙骨合併骨盤内臓器全摘術を施行し,本術式の具体的手技と術後各種機能障害に関連する諸問題についても症例にもとずき検討した.
    直腸癌骨盤壁再発を,側方骨盤壁再発と後方骨盤壁再発に分類した.骨盤内臓器全摘術に対する適応基準に加え,後方骨盤壁再発例に,本術式の真の適応があると考えられた.手術侵襲は過大なものであるが,臨床症状の改善をもたらし,局所進展高度な原発直腸癌や,後方骨盤壁再発直腸癌に対しては根治性の高い術式であると考えられた.
  • 腺腫の異型度と走査電顕像
    新井 竜夫, 更科 広実, 斉藤 典男, 布村 正夫, 鈴木 秀, 谷山 新次, 高橋 一昭, 奥井 勝二, 樋口 道雄, 古山 信明
    1985 年 38 巻 1 号 p. 16-23
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸腺腫の表面微細構造を走査電子顕微鏡を用い,各異型度別に観察し比較検討した.
    その結果,軽度異型腺腫では,正常粘膜に見られないcleftの存在,goblet cellの減少,軽度のmicro-villiの短小化が認められた.中等度異型腺腫では,cleft構造の乱れ,著明なgoblet cellの減少,microvilliの短小化ならびに不整化細胞の大小不同が認められた.高度異型腺腫では,表面の無構造化,細胞表面の崩壊像,細胞の著しい大小不同が認められた.浸潤癌,進行癌では上記の変化がさらに進み,全体が無構造の形態を呈していた.
    これらの変化は光顕による組織学的異型度と相関しており,大腸腺腫の細胞レベルでのmalignant changeの観察の可能性が示唆された.
  • 吉田 和彦, 須崎 紳一郎, 北村 隆信, 小林 和生, 沢田 寿仁, 池永 達雄, 松谷 章司, 安達 実樹, 森 俊幸, 太田 恵一朗
    1985 年 38 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    われわれは高カルシウム(以下Caと略)血症を合併した直腸Ra原発の扁平上皮癌を経験した.大腸原発の扁平上皮癌の発生は非常に稀で外国文献上51報告例を数えるにすぎない.高Ca血症を合併した報告はわれわれの症例が第1例と思われる.大腸腺癌との比較,組織発生,高Ca血症につき若干の文献的考察を加え報告する.
    症例は44歳男性.4カ月来の血便を主訴として近医を受診したところ直腸鏡にて歯状線より10cm口側に限局性潰瘍型病変を指摘され生検にて未分化癌と診断された.当院にて低位前方切除術を施行した.術後6カ月後より肝転移にて再発し重篤な高Ca血症を伴った.難治性の高Ca血症であったが,mithramycinが著効した.慢性DICを併発し術後9カ月で死亡した.剖検による肝転移巣の組織所見では角化像を認め,しかも腺管構造は全く認められず粘液染色も陰性であり,低分化扁平上皮癌と診断した.
  • 野口 友義, 浜野 恭一, 秋本 伸, 由里 樹生, 亀岡 信悟, 五十嵐 達紀, 増山 克, 椋棒 豊, 三神 俊史, 高石 潔, 相原 ...
    1985 年 38 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎(以下UCと略す)の結腸全摘術後小腸再燃の報告は,欧米ではよく報告されているが,本邦では未だその報告をみない.われわれは,UCにて結腸全摘術後,回腸に再燃を思わせる炎症性変化を来した興味ある2症例を経験したので報告する.
  • 中迫 利明, 糟谷 忍, 平山 芳文, 太田 重久, 御子柴 幸男, 浜野 恭一, 羽生 富士夫
    1985 年 38 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    動静脈瘻に原因する消化管出血の報告例は少く本邦文献上に10例,自験例を含めて11例,欧米文献上でもMeyerが218例を集計報告しているにすぎず極めて稀れな疾患である.
    われわれは最近右結腸肝彎曲部の動静脈瘻の破裂による大量下血の1例を経験し,術前の腹部angiogra-phyにより本症の特徴的所見を得,外科的治療により治癒せしめたので若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 佐々木 英, 古賀 聖祥, 日高 令一郎, 池園 洋, 下河辺 正行, 村山 俊二, 豊永 純, 国崎 忠彦, 谷川 久一, 池田 英雄, ...
    1985 年 38 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸潰瘍は比較的稀な疾患である.
    われわれは59歳女性で,心疾患にて入院中に突然下血(鮮血)にて発症し,その経過を観察された症例を経験したので報告する.初回注腸X線にては楕円形の浅い潰瘍を認め,内視鏡的にも軽度の粘膜集中を伴い出血と白苔におおわれた潰瘍であった.生検にては悪性所見が出ず,いわゆる非特異性直腸潰瘍の診断のもとに経過を観察,1.5カ月の注腸X線にては,潰瘍は著明に縮少し,潰瘍面があたかも隆起した様にもみられた.初診時より約1年後の内視鏡にては,ほぼ潰瘍は瘢痕化し,中央部に小隆起とその肛側に線状の潰瘍瘢痕を認めた,このように早期よりX線学的に経過をおえた症例は稀と思われ最近報告され始めている急性出血性直腸潰瘍に属するものと思われる.
  • 横山 逸男, 市橋 秀仁, 亀井 秀雄, 近藤 達平
    1985 年 38 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    当名古屋大学第2外科教室における昭和58年6,月1日から昭和59年5,月31日までに行った大腸癌手術者28例中13例に術直前より,Cefotaximeの経静脈注入を行い,残りの15例にその他の広域スペクトラム抗生物質を術後のみ投与した.
    2群間での術後創感染の発生率の差を調べたところ,術前投与群ではゼロであったのに対し,術後投与群では3例(20%)に腹壁膿瘍等の創部感染をみた.
    また,術前投与群5例についてCefotaxime投与後の血中および組織中の濃度変化を調べた.この結果により,術中創部組織が腸内細菌により感染されると考えられる時間に,創部皮下組織の抗生物質濃度が高値に維持されていることが確認された.
    これらの結果によりわれわれは本邦ではまだ一般化されていない,大腸手術術後感染予防手段としての術直前抗生物質静脈内投与法を実施すべきであると考えた.
  • 1985 年 38 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 38 巻 1 号 p. 60-116
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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