日本大腸肛門病学会雑誌
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38 巻 , 3 号
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  • 巾 秀俊, 鈴木 直人, 柳田 謙蔵, 吉雄 敏文, 亀谷 寿彦
    1985 年 38 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    血管造影,CT検査などによって術前の直腸癌の壁深達度・他臓器浸潤の程度が検索されているが,今回われわれは体腔内探触子を用いた経直腸的超音波断層法(リニア式)による検査を試み,直腸および小骨盤腔内の超音波解剖と,本法による直腸癌に対する診断的意義を検討した。症例は正常直腸38例,直腸腫瘍20例の計58例であり,得られた超音波断層像を解剖図,CT像,摘出標本と対比した.超音波断層像によっても直腸壁は5層を呈し,さらに外側の臓側筋膜や前立腺,精嚢腺,子宮,腟などは容易に確認された.また直腸癌は低エコーレベルの充実性のmassとして描出され,浸潤度は上記臓器などへの低エコー域の広がりの程度として表わされることを知った.正確な外方への浸潤度診断が非侵襲的に容易に行なえる本法は,直腸腫瘍の手術術式決定のうえで重要な検査であることが示された.
  • 栗原 陽一, 鈴木 秀, 和田 敏正, 猪狩 弘之, 小原 勝敏, 五十嵐 勤, 粕川 禮司, 佐藤 英典, 大原 光雄, 児玉 健夫, 丹 ...
    1985 年 38 巻 3 号 p. 243-252
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎(以下IC)を発症早期の段階で狭窄型か一過性型か,を鑑別することは治療計画をたて予後推定をする上で有益である.今回,われわれは以上の目的のもとに,主に注腸二重造影像で検討を試みた.方法:背景因子,主訴,臨床検査所見,大腸検査所見の総合診断からICと確定診断された狭窄型5例,一過性型6例の計11例について上記各項目で両者を対比検討した。特にX線像は経時的および朔行的に解析した.成績:(1)年齢と自覚症状消失までの期間の検討で両者に差異が認められたが,その他の背景因子,主訴,基礎疾患,臨床5項目の検討では両者を鑑別することができなかった.(2)X線像の検討では病変の部位と長さで両者には差異があり,また従来病型診断が困難であるといわれた発症早期でも両者を鑑別することはある程度可能であった、(3)発症早期に病型診断が可能であれば,本症の治療計画,予後推定の上で臨床的に有用である.
  • 高野 正博
    1985 年 38 巻 3 号 p. 253-257
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸脱の治療に関しては非常にvarietyに富んでおり,わが国でも従来Thiersch法,最近はGant-三輪法が用いられ,開腹手術としては小腰筋あるいは仙骨固定術式さらにはRipstein方式等が用いられてきた.
    私は経験的に簡単に行える方式として,直腸の部分をタテに縫縮する術式を試みてきた.初期には粘膜をintactのまま縫縮していたので再発率が高かったが,最近は電気メスによりタテに粘膜を焼灼するという方式を加えて再発率は著しく低下した(44例中6例,27.3%).この方法は安全で,とくに全身疾患,精神障害,全身衰弱等が多発する高齢者において良い適応を示すと思われる.
  • 増森 興治
    1985 年 38 巻 3 号 p. 258-264
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    DMHによるラット大腸癌発生過程について組織学的ならびにγ-glutamyl transpeptidase (GGT), alkaline phosphatase (ALP)の活性局在を中心に酵素組織化学的検索を行なった.実験開始後16週目で肉眼的に平板状隆起を示す腺腫が出現し,19週目には無茎性ポリープ状の腺癌,さらに28週目になると全例に腺腫,癌腫の発生がみられた.癌腫は組織学的に腺管腺癌,印環細胞癌,粘液癌であった.これらの病変におけるGGT, ALPの活性局在をみると, GGTは腺腫,癌腫の間質,主として表層部に強い活性局在を認めるとともに高分化腺癌の一部,低分化腺癌,印環細胞癌では浸潤する癌細胞にもその活性が認められた.ALPは腺腫,癌腫の間質に活性局在を認め,電顕的には毛細血管内皮細胞,組織球,好酸球,活性型間葉系細胞の細胞膜に認められた.以上の形態的,組織化学的検討により,腫瘍病変の進展の場となる間質の変化の特徴を明らかにしたものと考えられる.
  • 森 正樹, 川田 裕一, 湖山 信篤, 今村 洋, 昆野 博臣, 熊沢 健一, 芳賀 陽子, 矢川 裕一, 芳賀 駿介, 梶原 哲郎, 榊原 ...
    1985 年 38 巻 3 号 p. 265-270
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎に慢性関節リウマチ様の末梢型関節炎がみられることはよく知られているが,真の慢性関節リウマチと潰瘍性大腸炎の合併はまれである.われわれは慢性関節リウマチの治療中に発症した潰瘍性大腸炎の1例を経験した.症例は37歳の女性で,昭和51年7月頃より関節症状出現,53年7月典型的慢性関節リウマチと診断された.非ステロイド性抗炎症剤の内服,ステロイド剤の関節内注入により治療されていたが,58年2月頃より消化器症状が出現した.同年8月当科入院,潰瘍性大腸炎(左側大腸炎型,活動期,重症,初回発作型)と診断された.潰瘍性大腸炎は絶食とサラゾスルファピリジン,プレドニゾロンなどの全身投与により寛解した.慢性関節リウマチにみられる潰瘍性大腸炎以外の病変についても文献的に考察した.
  • 村上 雅彦, 安井 昭, 西田 佳昭, 渋沢 三喜, 李 中仁, 竹元 慎吾, 石川 雅美, 鈴木 孝
    1985 年 38 巻 3 号 p. 271-275
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    腸間膜脂肪組織炎(mesenteric panniculitis)は腸間膜脂肪組織に生ずる非特異性の炎症疾患で,本邦報告例は20例であり,極めてまれな疾患である.われわれの経験したS状結腸腸間膜脂肪組織炎の1例を報告した.本疾患は腹痛・腹部腫瘤・微熱等の症状を呈し発症し,検査所見でも軽度の炎症所見を認めるにすぎない.レントゲン検査,内視鏡検査が最も有用で,腸管壁の伸展不良,硬化,狭窄の異常像がみられるが,特異的な変化はない.術前の診断は困難なことが多く,開腹により確定されている例がほとんどである.診断が確定したとしても狭窄が高度の場合を除き,すべて保存的または一時的人工肛門造設にて治療すべきであり,外科的切除は最小限にとどめるべきである.名称,病因,臨床像,組織像,治療について文献的考察を行った.
  • 森谷 宜皓, 堂園 晴彦, 小山 靖夫, 近田 千尋, 高山 順, 大平 睦郎, 広田 映五, 板橋 正幸
    1985 年 38 巻 3 号 p. 276-281
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    発病以来38年を経過した成人型慢性ITPに進行直腸癌を合併した1例を経験した.本症例には,20年以上に及ぶステロイド剤の投与と,47歳の時脾摘がすでに行われている.術前血小板数は2.1×104⁄mm3.と減少していたため,1981年Imbachらの報告した方法に従い,400mg/kg/day3日間のintact-γ-globulin大量投与を行ったところ,術当日には22×104⁄mm3.と著しい血小板数の増加が認められ,進行直腸癌に対する根治的切除が可能であった.長期にわたるステロイド剤投与のため,肺炎と右側腹部皮下感染の併発をみたが,術後23日目退院し,術後1年目の現在,元気に社会復帰している.多量のγ-globulin投与は外科治療が必要なITP患者の術前管理法として極めて有用であると考えられた.
  • 及川 隆司, 安部 厚憲, 田村 元, 長谷 泰司, 安達 武彦, 工藤 正純, 後藤 洋一, 長谷川 正義
    1985 年 38 巻 3 号 p. 282-288
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    64歳男に発生した肛門管原発悪性黒色腫に対して,腹会陰式直腸切断術(以下APR)+そけいリンパ節郭清術を施行し,術後10年5カ月再発の徴候もみられない長期生存例を得た.
    肛門管悪性黒色腫の5生率は,諸家の報告によると3.8~12%と皮膚原発に比べてかなり悪く,5年以上の長期生存例は,現在まで欧米13例,本邦5例の合計18例に過ぎない.
    年齢は25~71歳で,女性に多い傾向がある.痔核と間違われ易い早期症例は局所切除でも5生例がみられるが,進行例ではAPRが行われている.2群リンパ節であるそけいリンパ節転移がみられる症例でも,APR+そけいリンパ節郭清術をして5生例がみられ,充分な郭清をすることにより長期生存も期待できる.しかし5年以上の晩期再発例が5例(27.8%)にもおよび,さらに3例(16.7%)に異時性重複癌が発生しており長期にわたるfollow upが必要である.
  • 遠藤 克博, 佐藤 恒明, 鵜浦 章, 大方 高志, 渡辺 晃
    1985 年 38 巻 3 号 p. 289-293
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    近年,薬物療法,栄養療法の進歩により多くのクローン病は緩解に至ることができるようになったが,問題点は一旦緩解が得られても再び経口食を開始すると容易に再燃することである.そこで再燃防止の目的にて半消化態栄養剤を投与し,半消化態栄養剤のクローン病再燃防止における意義について検討した.活動期に入院したがED,SASP等の治療により緩解に至った5例のクローン病患者を対象とし,外来にて原則として昼,夕は普通食とし,朝就寝前にClinimealまたはHinex-R400kcalずつ計800kcalを投与した.また,薬物療法としてSASPの維持療法を併用した,その結果,5例中2例で再燃を認めたが,他の3例では現在のところ再燃の兆候を認めない.このように半消化態栄養剤はクローン病に対しEDと同様の効果を期待されたが,緩解を維持している例もあるが,必ずしも有効でない例もある.このような症例に対しては,成分栄養剤等他の方法を検討する要があると思われる.
  • 高野 正博
    1985 年 38 巻 3 号 p. 294-296
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸脱の合併症のひとつとしてその嵌頓があげられる.これは数多い合併症ではないが一旦起こるとなかなか修復しにくく,ついには直腸壊死あるいは緊急手術等が必要となり患者に大きな負担をかける事態が生じる.
    この修復の方法としては,従来全周にわたる圧迫,潤滑剤の使用等がなされ,なおかつ修復不可能の場合は麻酔を加え腹壁の緊張を取ることによってその修復が試みられてきた.
    私はこのような症例に対し,長鉗子を用いガーゼを直腸内に送りこむことによって何なく整復できるという経験を得た.その後2~3の症例に対し同じく試みたが,いずれも麻酔などの補助なくきわめて容易に整復できた.その理由として,この操作により脱出した直腸が腹腔内へと引き上げられるようなカが加わるということだと思われ,簡単ではあるが報告する.
  • 1985 年 38 巻 3 号 p. 297-307
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 38 巻 3 号 p. 308-315
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 38 巻 3 号 p. 316-344
    発行日: 1985年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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