日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
39 巻 , 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 竹村 克二, 安藤 昌之, 岡部 聡, 若山 宏, 高 相進, 石井 慶太, 金子 慶虎, 遠藤 光夫
    1986 年 39 巻 2 号 p. 113-120
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    99mTcレニウムコロイドを用いたリンフォシンチグラフィー後の手術切除材料を用い,直腸局所リンパ節でのTc-99mの取り込み塗測定することにより,下部直腸リンパ流の検討を行つち症例は大腸癌12例で,手術前日歯状線より1~2cm口側の直腸粘膜下層に99mTc 1 mCi,1mlを注入した.切除されたリンパ節は大腸癌取扱い規約に準じて分類し,その重量と放射性活性を測定した,結果は次のようであった.1)一次リンパ節に104cpm/mg以上の集積を認めない,跳躍的集積を示した症例が25%あった.2)側方向リンパ節では上方向リンパ節と比べ,同等ないしそれ以上の強い集積度を示すものが多く,下部直腸における側方向リンパ流の重要性が示唆された.3)側方向リンパ節のうちでは膀胱下腹筋膜外側のリンパ節群が数および集積度の強さの上で側方向リンパ流の主力と考えられた.
    上方向および側方向リンパ流について自律神経との関連を中心に考察を加えた.
  • 勝亦 重弘, 木下 剛, 陳 培欽, 窪田 良彦, 堀向 文憲, 竹下 俊隆, 宮岡 正明, 松本 英一, 斉藤 利彦, 芦沢 真六
    1986 年 39 巻 2 号 p. 121-127
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    アメーバ性大腸炎の診断にはまず本症を疑う事が重要であり,また先行して施行されるX線検査でも本症と診断することがアメーバ性大腸炎の確診過程で極めて重要と思われる.そこで本院内科で経験したアメーバ性大腸炎8症例のX線所見を検討した結果,壁不整,横ヒダの肥厚,念珠状陰影,タコイボ様陰影,バリウムの付着不良の5所見がその基本的所見と思われる.内視鏡所見ではタコイボ隆起が主体でありX線所見とやや趣を異にしている,これは病変部では粘液が多く,またタコイボ隆起の頂上が出血していたり,分泌物が付着しているため病変が忠実に描出されなかったためと思われる.さらに粘膜浮腫の所見も加わりX線所見は多彩であったが,上述5所見に注目すればアメーバ性大腸炎のX線診断はほぼ可能である.また本症とX線所見で鑑別を要する大腸リンパ濾胞増殖症,大腸悪性リンパ腫,潰瘍性大腸炎とも鑑別可能と思われる.
  • 新井 竜夫, 更科 広実, 斉藤 典男, 布村 正夫, 谷山 新次, 井上 育夫, 横山 正之, 高橋 一昭, 井原 真都, 鈴木 秀, 奥 ...
    1986 年 39 巻 2 号 p. 128-138
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸腺腫の超微細構造を透過型電子顕微鏡を用い,各異型度ならびに組織型別に観察し比較検討した。
    その結果,各異型度について腺腫の細胞内小器官に特徴的と思われる所見が得られた.これは吸収細胞におけるmicrovilliの変化,細胞頂部にみられた分泌顆粒の変化(EDB, cored vesicle, ELV),また杯細胞における粘液顆粒の不均一化やASCの形成などであった.これらの変化は光顕的組織学的異型度とある程度相関したものであり,大腸腺腫のmalignant potentialを細胞レベルでとらえることができ,またより早期に癌化を予知できる可能性も示唆された.
  • 八木田 旭邦, 立川 勲, 松本 秀雄, 奥田 誠
    1986 年 39 巻 2 号 p. 139-143
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    ヒトの主要免疫応答遺伝子(Ir-gene)には,第6染色体HLAComplexに連鎖するものと,第14染色体免疫グロブリンH鎖の構造遺伝子(Gm)に連鎖するものとの2種類があり,大腸癌との関連性を検討した.154例(対照313例)の大腸癌でGmアロタイプを血球凝集試験で,135例(対照310例)の大腸癌でHLAを細胞毒試験で行った.その結果,HLA-CW3が(対照46%)大腸癌で80%と有意に多く(x2=44.6,r.r.=4.7),Gmではaxgとab635stが大腸癌で有意に多かった.この事実はCW3およびaxgとab035stが大腸癌惑受性抗原であることを示唆している.また再検定を行った大腸癌50例では,この両抗原を重複して所有しているものが64%(対照19%)と両抗原を所有しないものに比べ有意に多く(X2=30.5,r.r.=13.1),統計学上,HLA-大腸癌惑受性抗原(CW3)に比べ,Gmアロタイプ大腸癌感受性抗原の方が,大腸癌の発生に重要な因子であることが判明した.
  • 品川 長夫, 柴田 純孝, 石川 周, 岩井 昭彦, 加藤 文彦, 由良 二郎, 野垣 正宏, 升森 茂樹, 尾関 武郎, 野垣 茂吉
    1986 年 39 巻 2 号 p. 144-148
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    肛門周囲膿瘍は,外科領域における皮膚軟部組織感染症の代表的な疾患である.肛門周囲膿瘍116例より得られた膿汁の細菌学的検討を行ない,本疾患に対する適切な抗生物質療法のあり方を検討した.全症例より281株の細菌が分離されたが,好気性菌ではE.coli,Klebsiella sp.が,嫌気性菌ではBacteroides sp.の分離率が高かった.好気性菌と嫌気性菌の分離された比率は2対1であったが,嫌気性菌の多くは好気性菌と1の混合感染であった.また同時に分離された細菌の数についてみると,2種類以上の複数菌分離が最も多く,単独感染は18.1%にすぎなかった,なかでも嫌気性菌の単独感染は少なかった.好気性菌に対して優れた感受性を示すアミノ配糖体系抗生物質のGentamicinは,嫌気性菌に対しては全く耐性であった.またペニシリン系の薬剤はE. coli, Bacteroides sp.には,比較的優れた抗菌力を示すが,Klebsiella sp.にはほとんど耐性であった.本疾患の治療にあったては切開,排膿などの外科的処置はもとより,抗生物質治療にあたっても,E. coli, Bacteroides sp., Klebsiella sp.を中心とした混合感染としてとらえなくてはならない.またfirst choiceとなる抗生物質としては第一,第二世代セフェム系抗生物質が適当と考えられた.
  • 永瀬 敏明
    1986 年 39 巻 2 号 p. 149-161
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    大腸癌の術後肝転移再発は予後を左右する重要な因子である.そこで本研究では術後肝転移予防の可能性を検討するために32P-labelled resin microsphere(以下32P-RM)を用いた肝内照射療法の動卿実験を行い以下の結果を得た.
    1)AH 60C腹水肝癌をラット門脈より移植し定量的に操作できる実験的転移性肝癌モデルを作成した.
    2)今回調製した32P-RMは物理的に安定しており,ラット門脈内投与によりほぼ選択的に肝に分布し,in vitrでの抗腫瘍効果も確認された.
    3)32P-RMの投与時期と投与量により4群に分けて実験し生存率を検討したが,AH 60Cを移植する4日前にあらかじめ32P-RM 200μCiを投与した群が最も良好な生存率を示した.
    4) 32P-RMを投与した長期生存中のラットの肝を病理組織学的に検討したが,529,日目に剖検した1例に肝硬変を疑わせる所見を認めた.
    本研究により,32P-RMは予防的肝内照射療法の有用な手段になりうることが示唆された.
  • 村田 雅彦, 千葉 満郎, 飯塚 政弘, 荒川 弘道, 正宗 研
    1986 年 39 巻 2 号 p. 162-166
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    UC(潰瘍性大腸炎)で高amylase血症,ALP6陽性による高ALP血症を呈した1例を経験した,AmylaseはS型優位でありUCの病勢と無関係に高値を示した.UCによる高amylase血症の原因として大腸由来amylaseの血中逸脱,amylase産生性腸内細菌の増殖などが推定されている.本例は入院中4回施行した大腸内視鏡検査の都度amylase上昇を示した.これは,内視鏡による機械的刺激が腸内amylaseの血中逸脱を促進したと考えられ注目すべきことであった.ALPはUCの経過とともに正常化し,isozymepattern上ALP3の陰極側に幅広い活性帯を認め緩解とともに消失したため,ALP6と考えられた.ALP6は正常ALPに免疫グロブリンが結合した複合体であるが,UCでの病態的意義は不明である.なお当教室でのUC37例の遡及的検討では持続的amylase上昇例は5.4%,ALPisozyme patternよりALP6が疑われた例はisozyme検討15例中20%であった.
  • 高橋 正純, 大木 繁男, 山岡 博之, 池 秀之, 西山 潔, 土屋 周二, 森 茂郎
    1986 年 39 巻 2 号 p. 167-172
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は左側腹部痛と粘血便を主訴とした69歳の男性で,注腸X線検査および大腸内視鏡検査の結果,下行結腸に浅い小潰瘍を伴う大きさ4×3cmの粘膜下腫瘍を認め,左半結腸切除術および横行結腸直腸端々吻合を施行した,
    標本は組織学的に反応性のリンパ球増殖であるのか悪性リンパ腫なのか通常の染色では診断に苦慮した.そこでリンパ球の各抗原に対するモノクロナール抗体を用いたAvidin-Biotin-Colnplex法によって免疫組織学的検索を行った,パラフィン切片では膜抗原の保存性が悪く,凍結切片を用いることにより,λ-chainだけからなるIgMを産生するモノクローナルなB細胞の瀰慢性増殖を示す悪性リンパ腫であると診断できた.またこの悪性細胞はintermediateB細胞,matureB細胞およびlarge non-cleavedcellの一部にみられるB2抗原が陽性であった.
  • 久保 章, 川本 勝, 福島 恒男, 山崎 康信, 増沢 成幸, 諏訪 寛, 杉田 昭, 石黒 直樹, 土屋 周二, 鴻丸 裕一
    1986 年 39 巻 2 号 p. 173-177
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の経過中にSalmonella腸炎を合併した症例を報告した.潰瘍性大腸炎に合併したSalmonella腸炎では,proctocolitisを惹起することが多く臨床的にも組織学射にも鑑別することは困難なことが多い,そして,本症の増悪時にステロイド治療が奏効しない場合には,感染性腸炎ことにSalmonella腸炎の合併も念頭において検索をすすめる必要があると考えられた.
  • 平尾 智, 光吉 聖, 北野 厚生, 小林 絢三
    1986 年 39 巻 2 号 p. 178-182
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    付属器炎による骨盤腔内膿瘍が特異な大腸所見を呈したために診断に難渋した若年者症例を報告する.
    症例は13歳,女児で腹痛,腹部腫瘤,下痢,発熱症状を呈し,注腸造影でS状結腸に限局性の管腔狭窄があり,一見apple-core様所見を呈した.大腸内視鏡像は内腔に立ち上がりのつよい,突出した隆起性様の変化があり,表面粘膜に軽度の発赤,浮腫をみとめた.注腸造影,内視鏡検査結果などにより大腸粘膜下悪性腫瘍と術前診断し開腹したが,付属器炎による骨盤腔内膿瘍がS状結腸を圧迫・狭窄しているものと診断し得た.われわれは今回のような膿瘍による腸管壁外病変によっても多彩な注腸造影・内視鏡像が生じることを強調したい.
  • 飯塚 政弘, 千葉 満郎, 荒川 弘道, 正宗 研
    1986 年 39 巻 2 号 p. 183-186
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は52歳の女性で,主訴は右眼充血,疲労感,霧視感.現病歴1昭和53年全大腸炎型,55年直腸炎型潰瘍性大腸炎で入院した.その後ときどき血便があったが,58年1月両眼球結膜充血と眼の疲労感出現,両眼結膜炎と診断された.59年9月より右上肢のしびれ感,手関節のこわばり,また10,月より右眼球結膜の充血,眼の疲労感,霧視感が出現した.毛様充血,前房内の線維素および多数の細胞,角膜後面沈降物,虹彩後癒着等の所見より非肉芽性前部ぶどう膜炎と診断された.潰瘍性大腸炎にぶどう膜炎の合併頻度は0.7-11.8%とされているが,本邦では稀で症例報告は2例のみである.本症例では眼症状に関連して関節症状,血便がみられたことから,ぶどう膜炎は潰瘍性大腸炎の病勢と関係あるものと考えられた.
  • 藤田 昌英, 中野 陽典, 太田 潤, 熊西 康信, 木本 安彦, 大道 道大, 薄金 眞雄, 上田 進久, 塚原 康生, 藤原 彰, 下妻 ...
    1986 年 39 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    わが国で大腸癌が急増しつつある現在,信頼性が高く,かつ検診効率のよい集団検診法の確立が急がれる.われわれは昭和52年以来試みてきた3種の検診結果に基づき,.昭和57年4月から2年間,地域団体,職域団体,個人の3グループの計12,520名に対し,グアヤックスライド(シオノギ)にて制限食下に3日間便潜血を調べる方法と問診とを併用した大腸癌集団検診を実施した。要精検は3,434名(27.4%)であり,その内訳は,便潜血が1枚以上陽性であった者2,602名,3親等以内の家族に大腸癌のみられたハイリスク者524名,大腸癌を疑う症状を訴えた者308名であった。要精検者の64.4%(2,214名)が直腸指診,直腸鏡検査をうけた.注腸X線検査は1,397名,大腸ファイバースコピ一は187名に実施した.728名は消化管に何らかの異常所見がみられ,大腸癌は18名(0.14%),カルチノイドは1名,大腸ポリープは303名にみられた.大腸癌18名中17名は便潜血陽性で,残る1名はハイリスクでスクリーニングされた.腫瘍の局在ではS状結腸が10名と多かった,Dukes Cの進行癌は3名にすぎず,Dukes Bは4名であり,早期癌は10名をかぞえた.この集検法は無症状のかなりの大集団に実施でき,大腸癌をより早期に発見しうる信頼度の高い方法であると考えられた.
  • 押谷 伸英, 北野 厚生, 小畠 昭重, 吉安 克二郎, 松本 誉之, 日置 正人, 橋村 秀親, 大川 清孝, 桑島 士郎, 小林 絢三
    1986 年 39 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    内視鏡的に経過観察しえた潰瘍性大腸炎(UC)21例を対象に,UC長期例における内視鏡的経過ならびにその直腸病変の意義について検討した.内視鏡的な病像の経過としては,一般に活動期の炎症の強さにより種々の程度の2次的な変化をきたしたが,個々の粘膜病変の特長と病型や臨床的経過の間には関連性は認められなかった.再燃寛解型の左側ないし全大腸炎型16例をその直腸病変に注目して検討した結果,再燃性を示す指数(再燃回数/病悩全期間(年)×100)は,直腸病変がこれより口側結腸の病変に比べ軽度な群と,直腸から口側に向い同程度の連続性病変を示す群には差は認められなかった.しかし難治度を示す指数(活動期(年)/病悩全期間(年)×100)は,前者平均60.3%,後者平均33.8%と前者に高い結果を得た.
  • 1986 年 39 巻 2 号 p. 198-207
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1986 年 39 巻 2 号 p. 208-211
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top