過去8年間に臨床経過を追求できた潰瘍性大腸炎58例について,若年発症および高齢発症例の特徴を,予後関連因子の分析から検討した.発症時年齢より,若年発症(29歳以下),中間発症(30-59歳),高齢発症(60歳以上)の3群に分け,群間比較の結果,高齢発症群では死亡は高率であり,再発回数は最低頻度であった.
中間発症群に比較すると,重症度はより重症,病変拡大も高率,また臨床経過型はより持続型,激症型をとるが,若年発症群との比較では明らかな差異は認められなかった.手術に関しては,中間発症群より有意に高率であったが,若年発症群との間には開きを認めなかった.罹患範囲,薬剤併用,全身合併症,入院回数については,3群間に有意の差異は証明できなかった.
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