日本大腸肛門病学会雑誌
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40 巻 , 3 号
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  • 稲次 直樹
    1987 年 40 巻 3 号 p. 229-238
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    目的および方法:虚血性大腸炎の成因とその発生機序を解明するために,ラットを用い腸間膜血管の結紮・肛門閉塞の組合せによる虚血性病変の作成,腸間膜血管結紮時および腸管内圧上昇時の腸壁内血流量の測定,組織学的検索を行った.
    成績:(1)虚血性潰瘍の発生率は血管結紮・肛門閉塞同時施行群において著しく高く,血管結紮6時間以後に肛門を閉塞したものに潰瘍の発生率の低下を認めた.(2)血管結紮1.5時間後に血流は著しく低下するが以後回復し,腸管内圧が10mmHg以上になることにより血流量の著明な低下を認めた.(3)作成された虚血性病変は,粘膜あるいは粘膜下層の浮腫や出血から全層性の壊死性変化まで観察された.
    結語:虚血性大腸炎の発生機序として腸壁の血流量の低下と腸管内圧の上昇という2つの因子の重複のタイミングが大きく関与していることが明らかになった.
  • 村上 浩二
    1987 年 40 巻 3 号 p. 239-247
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    ヒトの回盲部における腸内容輸送のメカニズムは,同部位の運動の検査方法が限られ,また,その検査の施行の困難さのために,今日まで十分解明されているとはいえない.また食餌刺激のヒト腸管の輸送運動に及ぼす影響も,その詳細は明らかではない.すでに著者は,本学会誌(40巻18-26頁1987年)において,ヒト大腸の内容輸送運動を観察する大腸シンチグラム検査の検査法と分析方法について発表した.そこで,今回は8例において,回腸末端部をも含めた大腸シンチグラム検査を施行して回盲部の輸送運動を検討し,また,5例において大腸シンチグラム検査中の被検者に試験食を摂取させ,食餌刺激の腸管輸送運動に及ぼす影響を見た.その結果,回腸末端部の輸送運動に続く大腸の大蠕動が見られ,また食餌刺激の開始直後より生じた回腸末端部と全結腸の輸送運動が15-30分間認められ,その運動は,腸管が不応期にある時には生じないことが判明した.
  • 飯塚 政弘, 千葉 満郎, 五十嵐 潔, 長崎 明男, 荒川 弘道, 正宗 研
    1987 年 40 巻 3 号 p. 248-253
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    教室の潰瘍性大腸炎34例について血清ChE値を検討した結果,1)血清ChEは血清albumin, Hbと正の相関を,CRP,赤沈,白血球数,血清α2-globulinと負の相関を示した.その中で血清ChEと血清albuminとの間に最も顕著な相関がみられた.2)血清ChEは,潰瘍性大腸炎活動期で緩解期に比し有意に低下し,その傾向は病変範囲が広汎なほど,重症度が高度なほど顕著であった.3)血清ChE/albumin比は血清ChE同様,潰瘍性大腸炎活動期で有意に低下した.
    以上から,血清ChEは潰瘍性大腸炎の病勢を鋭敏に反映し,従来の潰瘍性大腸炎重症度指標に加え,新たな重症度指標として役立つことが示唆された.
  • 泉 正治, 西沢 護, 野本 一夫, 細井 董三, 岡田 利邦, 山田 耕三, 牧野 哲也, 志賀 俊明, 古沢 英紀, 前田 一郎, 国吉 ...
    1987 年 40 巻 3 号 p. 254-260
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    目的・材料:大腸癌とくに早期大腸癌を効率よく発見するために,過去7年6カ月にX線および内視鏡により,ほぼ健康人から当センターで発見された大腸癌155例166個について次のような成績を得た.
    方法・成績: 1)初回発見癌のX線の見落し率は進行癌で1.6%,早期癌で4.7%.
    2)胃検診対象群と大腸検診希望群では,前者からの発見率は2,0%,後者は5.2%であるが,早期癌の割合は前者83%,後者46%.
    3)症状からみると出血からの癌発見率8.4%,無症状者からは1.8%であるが,早期癌の割合は前者が32%,後者が91%,
    4)経過発見癌21例の初回検査のretrospective studyではS状結腸の見落しが多く,初回所見では無茎性隆起や平盤状隆起が多い.(結論):ほぼ健康人から多数の大腸癌が発見されたがとくに早期癌については愁訴のあるものだけでなく,50歳以上の無症状者にも積極的に検査を行う必要がある.
  • 棟方 昭博, 石黒 昌生, 岩根 覚, 太田 昌徳, 中路 重之, 土田 成紀, 吉田 豊, 相沢 中
    1987 年 40 巻 3 号 p. 261-267
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    食物繊維は大腸憩室発生に抑制効果を持つといわれる,著者らは青森県と全国の大腸疾患の発生状況,食物繊維摂取状況を調査し両者の関連性を検討した.食物繊維の減少に呼応して大腸憩室疾患の発見率は全施設とも年々増加の傾向にあった.またこれを地域別にみると青森県4施設の大腸憩室疾患発見率は1985年現在まだ10%に達しておらず,兵庫医科大学の23.1%,都立府中病院の17.6%,福岡大学の14.6%,新潟市民病院の13.2%より低く5~10年の遅れがみられた.一方食物繊維量は1983年で青森県の21.lg/日で最も多く以下,北陸17.7g/日,関東I17.0g/日,北九州16.4g/日,近畿I16.2g/日の順であった.これは大腸憩室疾患の発見頻度とほとんど逆の順序であり,脂肪,蛋白摂取量にこのような傾向がなかったことと併せても食物繊維の大腸憩室発生に対する抑制効果が示唆された,食物繊維摂取の減少はまだ続いており大腸憇室疾患の発生もまだ増加していくと考えられた.
  • 辻 秀治, 福田 新一郎, 佐藤 達之, 西田 博, 光藤 章二, 高升 正彦, 岡野 均, 丸山 恭平, 依岡 省三, 布施 好信, 児玉 ...
    1987 年 40 巻 3 号 p. 268-272
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    内視鏡的ポリペクトミーを施行した大腸腺腫および早期癌205病変の検討を行った.1)腺腫,早期癌ともに年令では50-60歳台,性比では男性に多かった.2)205病変中腺腫は182病変,早期癌は23病変(m癌14,sm癌9)で早期癌は対象病変の11.2%を占めた.3)腺腫,早期癌ともにS状結腸,直腸,下行結腸の順に多く左側結腸にそれぞれ81.4%,95.7%が存在した.4)早期癌の対象病変に対する局在別比率は直腸の17。6%をはじめとし肛門側ほど高かった.5)腫瘍径別の早期癌比率は4mm以下では0%,5-9mmで3.2%,10-19mmで24.7%,20mm以上で40.0%と腫瘍径増大に伴ない増加した,sm癌は9mm以下では存在しなかった.6)腫瘍径を局在別にみると肛門側に行くに従いわずかに増大していたが,同一径では肛門側ほど癌化率が高い可能性が示唆された.7)形状は腺腫,早期癌ともに有茎,亜有茎,無茎の順に多かったが,早期癌比率は同一径に限ると有茎の方が低かった.
  • 山口 明夫, 石田 哲也, 熊木 健雄, 加藤 真史, 関野 秀継, 桐山 政人, 富田 富士夫, 小坂 健夫, 米村 豊, 宮崎 逸夫
    1987 年 40 巻 3 号 p. 273-278
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    組織内hCG陽性大腸癌の臨床組織学的検索を行い,その悪性度を生存率の面より検討した.対象は結腸癌100例,直腸癌81例の計181例で,組織内hCG陽性は34例(18.8%)にみられた.組織内にhCGを有する大腸癌は中,低分化癌に多く,脈管侵襲が高率にみられ,しかもリンパ節転移が高度にみられた.stage別の陽性率は,I11.8%,II9.3%,III2.4%,IV14.3%,V53.7%とstageVにおいて有意に高かった.特に非治癒因子である肝転移および腹膜播種を伴なう頻度が高率であった.肝転移例において血中CEAより算出されたダブリングタイムをみるとhCG陽性例で短く,その増殖速度は速いと推察された.また治癒手術,非治癒手術別に予後を検討すると,ともに組織内hCG陽性例において不良であり,組織内hCGの存在は大腸癌の予後を反映すると思われる.
  • 千住 雅博, 牧山 和也, 芳賀 英章, 水田 陽平, 久保 啓吾, 船津 史郎, 井上 健一郎, 田中 俊郎, 長部 雅之, 村田 育夫, ...
    1987 年 40 巻 3 号 p. 279-286
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の病変局所における液性免疫の病態をみる目的で,免疫グロブリン陽性細胞(IgA,IgG,IgM)について検討した.潰瘍性大腸炎27例の直腸粘膜より内視鏡下に採取した生検組織45病変,および活動期の症例で明らかに炎症部より離れた正常外観粘膜部よりの生検組織6試料を対象とし,酵素抗体直接法を用いて陽性細胞を同定した.その結果,いずれの陽性細胞も,潰瘍性大腸炎の活動期に,緩解期およびコントロール群に比べ,有意に増加した.特に,IgGおよびIgM陽性細胞は,コントロール群に比べ,おのおの4.3倍および4.5倍と著明に増加した,IgGおよびIgM陽性細胞は,活動期より緩解期になると,有意に減少した.炎症部より離れた正常外観粘膜部では,IgA陽性細胞の減少傾向,IgG陽性細胞の増加傾向が認められた.以上より,潰瘍性大腸炎の炎症粘膜のみならず,正常外観粘膜部でも液性免疫系の異常が示唆された.
  • 大桶 博美, 柳田 謙蔵, 安士 達夫, 辻田 和紀, 永沢 康滋, 大谷 忠久, 吉雄 敏文
    1987 年 40 巻 3 号 p. 287-290
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    重複直腸に発生した腺癌を経験したので報告した.症例は74歳男性で,17歳時と40歳時に肛門周囲膿瘍にて切開,排膿の既往歴がある.1984年1月頃より肛門痛,膿粘液の分秘を主訴に近医を受診し,細胞診にて痔瘻癌と診断され,当科を紹介された.検査所見は,CTにて下部直腸を極度に圧排する腫瘤があり,細胞診では癌細胞のほかにgoblet cellの集塊を多数認めた.痔瘻癌の疑診にて,腹会陰式直腸切断術を施行した.瘻管と思われた部位は,組織学的に重複直腸と診断された.重複直腸の内層の一部に高分化腺癌が見られ,深達度はpmであった.痔瘻癌として手術した中に病理学的に重複直腸によるものと判定された報告例もあり,術前の鑑別は臨床上では困難である.
  • 諸富 立寿, 磯本 浩晴, 村上 吉博, 小畠 敏生, 白水 和雄, 掛川 暉夫, 入江 康司, 森松 稔, 高宮 紘士
    1987 年 40 巻 3 号 p. 291-296
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    tgxic megacolonを呈し,同時に拡張部腸間膜側に長く深い縦走潰瘍を合併した潰瘍性大腸炎を経験した.症例は30歳の女性で14歳時に潰瘍性大腸炎の診断をうけ,以後保存的治療を行っていた.今回,下痢が頻発し下腹部痛も出現.入院後,IVH管理で内科的治療を行うも,megacolonを呈し,大腸全摘術を施行した.切除標本では大腸は著明な短縮を認め,横行結腸の腸間膜側に一致して約10cmのUl IVの潰瘍を認めた.病理組織学的検索から本症例の成因を次のように考えた.潰瘍性大腸炎による長期間の炎症所見に加えて,ischemicな病態による血管,筋層,さらには神経叢の障害をもたらし,腸間膜側の短縮と縦走潰瘍をきたし,加えて内圧増加による非潰瘍部の拡張を呈したものと考えられた.特異的なX線像を呈すると共に,toxic megacolonの発症機序を考えるうえでも興味ある症例と考えられた.
  • 固武 健二郎, 小山 靖夫, 関口 忠司, 松井 淳一, 菱沼 正一, 横井 香平, 清水 秀昭, 池田 正, 尾形 佳郎
    1987 年 40 巻 3 号 p. 297-302
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    慢性反復性の下血のため多量の輸血を要した原因不明の消化管出血例に大腸内視鏡を行い,術前に診断しえた直腸angiodysplasiaの1例を報告した.大腸のangiodysplasiaは,60歳以上の高齢者の右側結腸に好発する,通例5mm以下の微小な血管性病変であり,診断は血管造影および大腸内視鏡により微細な所見を見いだす事が必要である.治療は腸管の部分切除で十分であるが,術前ならびに術中の局在診断が重要であり,術中大腸内視鏡による同定が極めて有用であると思われた.
  • 神山 泰彦, 佐々木 巌, 舟山 裕士, 今村 幹雄, 内藤 広郎, 福島 浩平
    1987 年 40 巻 3 号 p. 303-307
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Crohn病の経過中に小腸穿孔をきたした小腸型および小腸・大腸型のCrohn病の2例を経験した.症例1は34歳男性でCrohn病にて5カ月前より治療を受けていたが,突然,下腹部痛が出現して来院した.胸部単純レ線検査にて右横隔膜下に遊離ガス像を認め腸穿孔による汎発性腹膜炎として穿孔部を含め罹患部小腸を切除した.症例2は22歳男性で突然の腹痛を主訴として来院した.筋性防御,白血球増多を認め緊急手術を施行した.術中所見よりCrohn病による小腸穿孔として穿孔部を含め罹患部小腸を切除した.以上の症例について,その病理学的特徴と臨床像との関係,腸管穿孔発生の病態さらに病態に適した外科療法について検討した.その結果,穿孔部を含めて罹患部腸管を可及的に切除する術式が妥当であること,また全身状態が低下している場合や腹膜炎による腸管の炎症が著明である場合などでは二期的な手術が必要であることを述べた.
  • 河合 忠, 北條 慶一, 川井 啓市, 多田 正大, 石井 勝, 大場 康寛
    1987 年 40 巻 3 号 p. 308-313
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌が急増しつつある今日,そのスクリーニング検査法として便潜血反応が注目を集めている。しかし,既存の化学的便潜血反応試薬は,その感度,特異性に問題が多いので,新しくヒトヘモグロビン(以下ヒトHb)のみに特異的に反応する免疫学的便潜血反応試薬が種々開発されている.その中の1つである「モノヘム」につき,多施設で臨床的検討を行った.その結果,食事制限をしない健常者での偽陽性率は8.1%(16/197)と従来の化学法に比し特異性が高く,また大腸癌陽性率は91.4%(74/81)と感度も良好な成績が得られ,早期癌の検出の可能性も示唆された.また検査回数も従来の3回法から,2回やればほぼ満足な成績が得られる事がわかった,本試薬は,モノクローナル抗体を用いた免疫法であるが,その操作性は従来の化学法の簡便なスライド塗布,および発色の方法に,洗浄が加わるだけであり,集検等多数検体の処理にも有用な試薬である事が確認された.
  • 1987 年 40 巻 3 号 p. 314-319
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 40 巻 3 号 p. 320-332
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 40 巻 3 号 p. 333-335
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 40 巻 3 号 p. 336-360
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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