日本大腸肛門病学会雑誌
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48 巻 , 10 号
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  • 岩垂 純一
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1087-1093
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    肛門疾患治療において,外来処置は保存療法,入院しての手術療法の中間に位置するが,day surgeryへの要望から今後,増大する傾向にある.現在,良く行われている外来処置には出血を繰り返す内痔核に対する注射療法,脱出する内痔核や肛門粘膜脱に対するゴム輪結紮療法,裂肛による疼痛や内括約筋のspasmの強度な例に対する用手肛門拡張や内括約筋側方切開術,直線的な瘻管走行を有する痔瘻に対してのseton法,そして血栓性外痔核に対する血栓除去術や肛門周囲膿瘍に対する切開排膿術がある.いずれの外来処置も適応を選択し正しく行うことで,その効果を期待できる.
  • 石山 勇司, 佐々木 一晃
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1094-1099
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1994年1月から12月の1年間に外科的手術を施行した症例数は3,007例で,およそ1/3の1,039例は外来手術症例であった.麻酔法は仙骨硬膜外麻酔を原則としている.入院手術のほぼ全例,外来手術の89.5%が仙骨硬膜外麻酔で手術を受けた.本麻酔法は肛門括約筋の筋弛緩を十分に得ることが可能であるとともに,長時間の安静を必要としないなど外来麻酔法としても十分である.外科的治療を要した裂肛症例数は435例で,そのうち428例は外来手術のみで治療が終了した.裂肛症例の外来手術での頻度は41.2%と最も高く,その治療法は用手肛門拡張法を行っており,必要な場合はanal polypやskin tagを合併切除した.肛門外科での外来手術は今後ますます増加する可能性を秘めており重要な研究分野であると考えている.
  • 野口 一成
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1100-1106
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    当院の前身,大場医院が昭和28年に開業して以来,これを引き継いだ当院の今日に至るまで,一貫して病床を持たないで,すべての肛門手術を外来通院のまま行っている.そのための要件は局所浸潤麻酔(以下局麻),止血,鎮痛の三つである.局麻の欠点である注射時の痛みは,局所麻酔薬のpHを緩衝剤を用いて血漿の正常値の7.4とすることにより緩和している.晩期出血のうち最も危険な痔核根部からの出血に対して,根部結紮をBarronの輪ゴムで行い,吸収性のブレジットを利用したVicryl糸のZ-縫合,またはU-縫合で補強している.術後の疼痛対策は,すでに術前から始める.通院治療では強力な鎮痛注射薬を使用できないので,局所の安静や術創の清浄に努めさせ,外用薬や内服薬を有効に活用しながら,肛門衛生や排便習慣などに関するきめ細かな指導を行うなど,総合的に対処している,局麻下の手術の実際については,三大肛門疾患を中心に要点を述べた.
  • 増田 芳夫, 増田 強三, 増田 和人
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1107-1112
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    肛門部に痒みを生じ,塗布剤などの保存的療法では治らず,長期にわたり痒みが止まらず次第に痒みが強くなり,遂には夜中眠れなくなる程になる場合がある.
    このように長期にわたり軟膏などの保存的療法では治癒せず,肛門部の耐え難い痒みを感じて悩んでいる場合を,われわれは―応肛門掻痒症として取り扱っている.しかし掻痒症という表現は,症状を病名にした名称であって痒みを生じる原因になる病気がある場合が多い,たとえば,絲状菌や真菌などによるものなどである.しかも肛門に痒みを生じる原因もしくは疾病は非常に多いのである.痒みの原因になる病気を取り除けば痒みも当然治るはずであるが,その原因が容易に発見できない場合が多い.非常に頑固な肛門掻痒症に手をやいている患者が多いのはこのためである.
    われわれは種々の保存的療法に抵抗的で,なかなか治らない肛門部の掻痒症に対して,ペプシンの10%液を肥厚している患部の皮内に注射し効果をあげている.1973年に発案者の増田久勲と共著で報告したが,編集部の依頼により最近10年間の治療経験について報告する.
  • 黒川 彰夫, 木附 公介, 黒川 幸夫
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1113-1120
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    現在,痔瘻の治療は外科的療法が原則であり,肛門機能保全を重視した括約筋温存術式が主流であるが,lay open法に比し再発率がやや高いという問題がある.一方,痔瘻の古典的治療法もさまざまな改良が加えられ,中国の明時代に薬線療法や枯痔釘(散)療法が痔瘻根治術として完成した.これらはlay open法やcoring out法と原理は同じで,薬線療法のうち結紮法は,今もseton法やKshara Sutra法として残っている.従来,筆者らはこれらの古典的治療法を外来で実施,根治性と機能温存に対して良好な成績を収めてきた.最近の痔瘻の外来手術819例のうち古典的治療法を実施したものは253例で,seton法(薬線,枯痔釘の併用例を含む)182例(72.0%),薬線療法(Kshara Sutraを含む)57例(22.5%),枯痔釘療法14例(5.5%)であった.平均治癒日数は42.7日,治癒遷延例は3例(1.2%),再発例は4例(1.6%)であり,肛門の変形や機能不全の訴えは3例(1.2%)であった。
  • 高野 正博
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1121-1128
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    肛門疾患の外来処置には安全性,無痛性,操作の簡便さなどが要求されるが,それと同時に有効性,永続性の点で優れていることも大切な要因であろう.本文では,痔核,裂肛に対する硬化療法,結紮療法,内括約筋側方切開,肛門拡張術,結紮切除療法の効果とその永続性を調べるため,大腸肛門病センター高野病院にて13年前,すなわち1982年にこれらの処置を受けた362例を対象として調査した.その結果,全症例の改善度をみると,永続効果のあったもの50.6%,再発し保存療法を受けたもの19.9%,再発し再度外来処置をうけたもの19.3%,再発し根治術をうけたもの10.2%となっている.外来処置後再発までの期間は3年10カ月となっているが,再発・保存療法で4年9カ月,再発・再処置で1年9カ月,再発・再手術で3年9カ月と差がある.処置別に再発率および有効期間をみると,硬化療法で50%3年,結紮療法で8%8年2カ月,硬化・結紮療法併用で42%3年2カ月,内括約筋側方切開で0,局麻拡張で17%9年2カ月,痔核根治術で42%7年2カ月となっている.以上,外来処置はその適応を選び,適切な手技を行えば,少なくとも50%に永続効果が見られ,後ほど再発・再治療を要した症例でも3年10カ月は症状がなかった,
  • 武藤 徹一郎
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1129-1136
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の病因,病態,治療の最近の知見について概説した.病因は完全に解明されてはいないが,数々の免疫系異常に加えて各種サイトカインの関与が明らかにされ,腸内細菌叢,多核白血球,ロイコトルエン,neuropeptideなどが粘膜炎症の持続に係わっていることが分ってきた.これらの炎症に関与する因子に対する抗体を用いて,その作用を個別に抑制しようという新しい治療法が実験段階で始められており,その1つであるleukocytapheresisの臨床試験が開始されている,また長期経過例においては癌サベイランスの実施が必要であることも明かになってきた.
  • 渡辺 晃
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1137-1143
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班では,平成4年,妊娠にっいての指導など,潰瘍性大腸炎とクローン病の検査法を含めたプラクチカルな問題への対応にっいて「検査法も含めた患者の取扱い方(managemant)指針案」を作成し,発表している.ここでは2,3のコメントを加え,潰瘍性大腸炎の章の全文(付表合併症を除く)を紹介した.この指針案は,従来研究班から発表されている診断基準案や治療指針案でも不十分な,盲点ともいえる部分を補ってくれるものと期待される.また平成5年には,妊娠例について,第3回アンケート調査成績を発表している.ここではその成績を紹介した。妊娠時期の選定や妊娠中の治療方法の向上により妊娠の疾患に対する影響は少なくなってきており,またサラゾピリンやプレドニンも普通の投与量であれば奇形児を生ずる危険性はほとんどないように思われる.
  • 樋渡 信夫, 早川 知彦
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1144-1152
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎に対する内科的治療の最近の話題について解説した。5-ASAに関しては,従来から投与されてきたサラゾピリンに代わって,より副作用が少なく,局所に高濃度に放出されるような製剤が開発されてきた.本邦では5-ASAをエチルセルロースでコーティングした徐放剤であるペンタサが,サラゾピリンとの二重盲検群間比較試験で有意に有用性が認められ,現在申請中である.中等症~重症例に対してステロイドパルス療法,白血球除去療法が試みられ,いずれも有効性が報告されている.顆粒球吸着療法を含めて,今後のcontrolled trialの成績を待ちたい.欧米では腸管から吸収されにくく,初回肝循環で代謝され,レセプターとの親和性が高い新しいステロイド剤が開発され局所療法として試みられている.さらに最近の病因・病態の研究の進歩に伴い,エイコサノイド阻害剤や免疫調節剤が開発され,臨床試験が進行中である.
  • 松井 敏幸, 八尾 恒良
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1153-1161
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の長期予後は最近の分析によれば,著しく改善されつっある.また,新たな問題点も指摘されつつある.本稿では,潰瘍性大腸炎の長期経過を最新の本邦論文と欧米論文に基づいて総論的に記述することを目的とした.とくに(1)長期経過:再発率,長期予後,社会復帰度,QOL,手術率,死亡率と死亡原因,(2)再発の季節性,再発原因,(3)長期的な病変範囲の推移,(4)癌併発率とそのサーベイランスの4項目について述べた.
  • 畠山 勝義, 酒井 靖夫, 須田 武保, 島村 公年
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1162-1168
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    本邦で現在広く用いられている,厚生省特定疾患・難治性炎症腸管障害調査研究班の診断基準案における難治性潰瘍性大腸炎の定義,治療指針案における手術適応を示し,自験難治性潰瘍性大腸炎の手術症例のretrospectiveな解析より,その手術適応を検討した.難治性潰瘍性大腸炎の手術例は,大部分が再燃緩解型で,再燃や入院回数も多く,全罹患経過期間の約80%の期間を治療に要しており,5年以上経過してから手術を受けた症例が約半数を占めており,またステロイドによる副作用の発生頻度は総投与量が10,000mgを越えると高くなっていた.根治性が得られ,悪性化の危険性がほとんどなく,かつ自然排便機能も比較的良好に維持できる術式(結腸全摘+直腸粘膜切除+回腸嚢肛門吻合術)が確立された現在,難治性潰瘍性大腸炎の手術適応も拡大されつつあるが,本稿では自験例の検討よりその手術適応について現在の著者らの考えを述べてみたい.
  • 福島 恒男, 山内 毅, 山本 雅由, 鬼頭 文彦, 高橋 利通, 小尾 芳郎, 杉田 昭, 篠崎 大
    1995 年 48 巻 10 号 p. 1169-1175
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎に対する外科治療は大腸全摘,回腸人工肛門,結腸全摘,回腸直腸吻合,大腸全摘,回腸嚢肛門吻合術などが行われているが,最近は大腸全摘回腸嚢肛門吻合術が一般化し,数多く行われている.この術式も肛門管を温存する変法もあり,これらの利点,欠点について要約した.
  • 1995 年 48 巻 10 号 p. 1176-1205
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 48 巻 10 号 p. 1206-1236
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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