日本大腸肛門病学会雑誌
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49 巻 , 7 号
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  • 小川 匡市, 池上 雅博, 下田 忠和
    1996 年 49 巻 7 号 p. 541-549
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    大腸癌をその発育形態により粘膜内隆起性発育を示すPG癌と陥凹性発育を示すNPG癌に分類し, 大腸sm癌40例 (PG : 20, NPG : 20) を対象に, PCNAによる免疫組織染色を行い, 増殖細胞の分布形式および標識率 (PCNA-LI) の検討を行った. (1) 粘膜内部・浸潤部各々におけるPCNA-LIでは, 粘膜内部PCNA-LI (PG-Ca : 46.0%, NPG-Ca : 64.1%) で有意差を認めたが, 浸潤部 (PG-Ca : 45.9%, NPG-Ca : 53.8%) では認めなかった. (2) 粘膜内部を3層に分けPCNA-LIを測定し, 分布様式を上方優位型・下方優位型・全層型に分類すると, PG-Ca : 全層型 (80%), 上方優位型 (10%), 下方優位型 (10%), NPG-Ca : 全層型 (87%), 下方優位型 (13%) であった. NPG-Caは, 10mm以下の小病変から粘膜内癌部で高いPCNA-LIを示し, 増殖形式がPG-Caと異なり, 小病変のうちから浸潤性を有する病変であることが示唆された.
  • 永岡 栄, 豊島 宏, 板東 隆文, 折津 政江
    1996 年 49 巻 7 号 p. 550-553
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    便潜血反応陽性を契機に発見された大腸癌の傾向を明らかにし集検における便潜血検査の意義を考察した. 集団検診, 人間ドックなどで便潜血反応陽性をきっかけに発見された大腸癌症例205例 (集検群) を対象として, 有症状で発見された大腸癌症例539例 (対照群) と臨床病理学的事項を比較した. 集検群の症例は年々増加する傾向にあったが, 対照群の症例数の減少傾向は認められなかった. 早期癌の割合は, 対照群では近位大腸において低くなる傾向を示した (直腸13.2%, 左側結腸16.1%, 右側結腸5.6%) が, 集検群では各占居部位で差を認めなかった (直腸56.3%, 左側結腸60.0%, 右側結腸56.9%). 便潜血検査で発見された大腸癌は比較的早期の殺階の癌が多いという予測どおりの結果が得られたが, とくに右側結腸癌に関しては早期癌発見率の向上が大いに期待できると考えられた.
  • 小田 秀也, 渕上 忠彦, 平川 雅彦, 堺 勇二, 八尾 恒良
    1996 年 49 巻 7 号 p. 554-566
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    当院で虚血性大腸炎と診断した130例を対象に, 狭窄型や再発例を中心に臨床的分析を行った. 発症年齢は平均59.3歳で, 男性は62.0歳, 女性は56.0歳と女性の方が若く, 男女比は45 : 85と女性に多かった. 病型は一過性型は109例, 狭窄型は9例, 不明12例であった. 狭窄型では白血球数, 赤沈値, CRPの炎症所見が一過性型に比し有意に増加し, またその正常化までの期間も遅延していた. 内視鏡所見では狭窄型は縦走潰瘍を有し, 全周性炎症を伴ったものが多く, 治癒までの期間は有意に延長していた. 狭窄型のうち経過観察した5例の狭窄は徐々に改善した. 再発の有無は面接とアンケート調査で115例について調査できた. 再発例は検査にて確認されたもの8例, アンケート回答5例の計13例にみられた.累積再発率は1年後3.8%, 2年後8.5%, 5年後12.1%であった. 再発例は非再発例に比べ, 基礎疾患をもつものが多く, 4例は狭窄型となり, 同部位再発が多かった.
  • 翁 和, 上谷 潤二郎, 森田 博義, 加賀美 尚
    1996 年 49 巻 7 号 p. 567-573
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の長期経過例は大腸癌発生のリスクが高いことが知られている. 今回, 年1回の定期的surveillance colonoscopyでfollow upされている潰瘍性大腸炎症例で, 発症後13年目にS状結腸早期癌 (sm) として診断治療した症例を経験したので報告する. 症例は66歳男性.炎症は再燃寛解型, 左側型で生検にて腺癌の診断時炎症は寛解期であった. 手術標本の病理学的検索ではmoderately differentiated adenocarcinoma, sm, INFβ, ly0, v0, n0であった. 本邦における潰瘍性大腸炎に合併する大腸早期癌報告例39例63病変 (自験例を含む) を集計検討すると全大腸炎型74.3%, 占居部位は直腸とS状結腸を合わせると54.5%.再燃寛解型が最も多く, 肉眼形態は隆起型87.3%, 平坦型4.7%, 陥凹型6.3%であった. 病理組織学的検索では高分化型76.2%, 中分化型9.5%, 低分化型4.8%であった. ここでは, 特に, surveillance colonoscopyが潰瘍性大腸炎に合併する癌の早期診断に有用であることを強調する.
  • 浜口 洋平, 小尾 芳郎, 和田 浄史, 藤井 義郎, 千葉 泰彦, 山内 毅, 高橋 利通, 林 嘉繁, 鬼頭 文彦, 福島 恒男
    1996 年 49 巻 7 号 p. 574-579
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    LH-RH agonist (Zoladex) による内分泌療法と放射線療法の併用により縮小した腹腔内デスモイド腫瘍の1例を経験 : したので報告する. 患者は23歳男性. 19歳時にガードナー症候群の診断で大腸全摘, J型回腸嚢肛門吻合術を施行した. 平成5年1月腸閉塞で手術となり, デスモイド腫瘍と診断された. 術後, tamoxifen1日40mgを90日間投与したが効果なく, 平成6年6月20日入院となり, 腹部CTで最大径16×15cmのデスモイド腫瘍を認めた. 入院後LH-RHagonist (Zoladex) 皮下注射3.6mg/月×2回計7.2mg, 放射線照射計30.4Gyを施行したところ, 腫瘍は皮膚と痩孔を形成し, 壊死組織が大量に排出され10×7cmに縮小した (縮小率71%). 抗エストロジェン剤による内分泌療法は, 初回治療が無効であっても他の薬剤が有効な症例も多く, 複数の薬剤を試みるべきと考えられた.
  • 吉田 典行, 金沢 匡司, 水沼 廣, 渡辺 文明, 佐藤 久芳, 菊地 洋一, 安藤 善郎, 土屋 敦雄, 阿部 力哉, 盧野 吉和, 元 ...
    1996 年 49 巻 7 号 p. 580-589
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    1967年から1990年までに大腸疾患でストーマを造設され6カ月以上経過した症例に対し郵送法による無記名アンケートを行い, 評価可能な191例を対象としストーマケアの実際と社会復帰状況ならびにオストメートが現在かかえている身体, 精神状況における問題点を解析し考察を加えた. 内訳は男性115例, 女性76例で, 平均年齢は各々64.3歳および64.7歳であった. 原疾患は直腸癌が183例 (95.8%), ストーマの種類は単孔式が180例 (94.2%) と圧倒的に多かった. 92.2%のオストメイトのストーマケアは自立していたが, 69、1%は何らかのスキントラブルを経験していた. 洗腸施行は21.5%にしかすぎず64.0%は自然排便法であった. ストーマ装具購入価格に対する不満が31.0%と多く保険診療での経済的負担の軽減が望まれた. 何らかのトラブルの際の相談相手を医師とする者が69.1%と多くこの信頼に答えるべく, オストメイトとの一層の信頼関係の確立が重要であると思われた.
  • 友近 浩, 小出 欣和, 諏訪 智治, 佐藤 滋美, 喜多 宏人, 中井 勝彦, 松田 保秀, 川上 和彦
    1996 年 49 巻 7 号 p. 590-595
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    肛門病変合併Crohn病症例25例の肛門病変 (裂肛5例, 低位筋間単純型痔瘻6例, 低位筋間複雑型痔瘻6例, 高位筋間型痔瘻1例, 坐骨直腸窩型痔瘻6例, 分類不能型痔瘻1例) について検討した. 25例中24例が肛門病変を初発としていた. 裂肛については全身管理を怠らねば, 保存的治療で満足すべきQOLが得られるが, 複雑な痔痩に進展していく場合があり注意を要する. 筋間痔瘻に対しては原則として通常の痔痩に準じた治療方針に従って手術を行っているが, 治癒遷延をきたしやすく, seton sutureを第一選択としてもよいと考えられる. 坐骨直腸窩型痔瘻については通常とは異なった病因も想定され, 治療に難渋する症例が多く, 当院において括約筋温存手術を行い得た症例はない. いずれにせよ肛門病変の特異な形態・経過が本病発見の端緒となることが多く, その点, 日常診療において肛門病変を伴うCrohn病に遭遇する機会の多い肛門科医はとくに留意しておかねばならない.
  • 1996 年 49 巻 7 号 p. 596-606
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 49 巻 7 号 p. 607-639
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
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