大腸癌転移リンパ節を転移様式により節内限局型と節外浸潤型の2群に分類し経過予測因子としての意義を検討した.対象は1977年から1990年までに手術が施行された盲腸から下部直腸までの原発性大腸癌492例中,原発巣が切除され,所属リンパ節の病理学的検索が行われた451例である.肝転移率は,節内限局型6/52(11.5%),節外浸潤型49/145(33.8%)と有意差がみられた(p<0.01).5年生存率は,節内限局型62.3%,節外浸潤型26.0%と有意差をみとめ(p<0.01),治癒・非治癒別の生存率は,治癒症例では,節内限局型64.3%,節外浸潤型40.9%と有意差がみられたが(p<0.05),非治癒症例では,節内限局型45.0%,節外浸潤型3.3%で有意差は認められなかった.転移リンパ節を節内限局型,節外浸潤型に区別することは,経過予測,肝転移予測因子として重要な指標である.
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