日本大腸肛門病学会雑誌
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52 巻 , 5 号
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  • 鈴木 弘文, 新井 竜夫, 小野 正人, 杉藤 正典, 川島 清隆
    1999 年 52 巻 5 号 p. 379-386
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    Rs以下直腸癌33症例を対象とし, Urodynamic Studyを手術前後で行い臨床症状に対する測定の意義について検討を行った.手術前と後 (6カ月) に尿回数の変化, 尿意, 残尿感, 排尿困難の有無についてアンケート調査を行った.同時に平均尿流率, 残尿量, 最少尿意量, 最大尿意量, 膀胱コンプライアンス, 最高尿道閉鎖圧の検査項目を計測した. (1) 尿回数の変化は, 最大尿意量と膀胱コンプライアンスが関連. (2) 尿意の変化, 失禁, 残尿感の有無は, 残尿量のみが関連. (3) 排尿困難の有無は, 残尿量と膀胱コンプライアンスが関連した.症状別に関連が有意なのは残尿量, 最大尿意量, 膀胱コンプライアンスであり経時的な変化としては術前に比べ減少傾向 (残尿量増加) を示していた.Urodynamic Studyは症状に対する客観的な評価としても有用で, その経時的な変化は回復する過程の有無を推察する一つの方法として意義のあるものと考える.
  • 高野 ゆり
    1999 年 52 巻 5 号 p. 387-393
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    大腸腺腫の癌化過程におけるbcl-2遺伝子, p53遺伝子の発現およびアポトーシスとの関連性について腺腫, 腺腫内癌腺腫部, 癌部を対象として比較検討した.bcl-2遺伝子と, P53遺伝子発現はLSAB法により検討し, アポトーシスはHE染色とTUNEL法によりapoptotic index (AI) を用いて評価した.bc1-2遺伝子発現は腺腫37.9%, 腺腫部45.0%, 癌部10.0%と癌部において有意に低率であり, 腺腫の異型度別検討では軽度異型腺腫14.2%, 中等度異型腺腫35.3%, 高度異型腺腫66.7%であった.p53遺伝子発現は腺腫16.2%, 腺腫部20.0%, 癌部75.0%と癌部において有意に高率であった.一方, AIは腺腫5.89±2.37, 腺腫部5.07±2.75, 癌部2.17±0.88であった.bcl-2遺伝子発現率とp53遺伝子発現率は癌部において逆相関を認め, 変異型p53遺伝子によるアポトーシス抑制作用が癌化の一つの要因であることが示された.
  • 藤川 亨, 高野 正博, 黒水 丈次, 辻 順行, 豊原 敏光, 石橋 憲吾
    1999 年 52 巻 5 号 p. 394-401
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    狭窄性裂肛に対するsliding skin graft法の有用性を, 臨床症状と直腸肛門内圧測定検査より検討した.対象は1994年1月から1996年12月までの3年間に, 当院でsliding skin graft法を施行した狭窄性裂肛患者34例 (男17例, 女17例) である.コントロールとして, 便通異常がなく, 直腸肛門部病変のない大腸ポリープもしくは大腸癌術前患者83例 (男42例, 女41例) を用いた.比較検討項目は, コントロール群と患者群の術前・術後1カ月における肛門管最大静止圧, 肛門管最大随意圧, 機能的肛門管長である.さらに患者群の術前と術後1カ月における肛門管最大静止圧, 肛門管最大随意圧, 機能的肛門管長も比較検討した.また手術1カ月後と1年後における臨床症状の改善度を検討した.以上の検討の結果, 1カ月後の臨床症状は, 痛み, soiling, 便秘の各1例を除きすべて改善した.さらに1年後では全例の臨床症状が改善した.直腸肛門内圧測定の比較検討では, 男性17例の術前肛門管最大静止圧値平均151.2cm H2Oは, コントロール群平均115cm H2Oより有意に高く, 術後値平均95.4cm H2Oは有意に低かった。女性17例の肛門管最大静止圧も, 男性と同様の傾向を示した。肛門管最大随意圧, 機能的肛門管長は男女とも術前値とコントロール群, 術後値とコントロール群, 術前値と術後値のいずれの比較でも有意な差は認めなかった.以上より, 狭窄性裂肛群は, 肛門管最大静止圧がコントロール群と比べ高値の傾向にあり, sliding skin graft法により有意に低下し, 臨床症状も著明な改善を示した.したがって, sliding skin graft法は, 狭窄性裂肛に対し, 物理的かつ機能的肛門狭窄を解除する有効な手術法と思われた。
  • 中崎 晴弘, 渡辺 正志, 長谷部 行健, 鈴木 康司, 大城 充, 瀧田 渉, 瀬尾 章, 下島 裕寛, 船橋 公彦, 辻田 和紀, 小林 ...
    1999 年 52 巻 5 号 p. 402-408
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    大腸癌肝転移103例について検討した.大腸癌原発巣の根治度Cを1群, 根治度A, Bで肝切除不能例を2群, 根治度A, Bで肝切除例を3群とした.それぞれの群で肝動注化学療法の有無により非動注例をa群, 動注例をb群とした.1-a群20例, 1-b群7例, 2-a群16例, 2-b群15例, 3-a群28例, 3-b群17例であった.肝転移発見時からの2, 3, 5年生存率1群は19.3%, 0%, 2群で41%, 5.1%, 0%, 3群で77.2%, 65.8%, 51.7%と有意に肝切除群の成績が良好であった.1-a群と1-b群での累積生存率に有意差はなく, 根治度Cでは肝動注化学療法の意義は認められなかった.2-a群の2, 3年生存率は8.7%, 0%, 2-b群は77.4%, 11.1%と有意に動注群の成績が良好であった.3-a群の3, 5, 7年生存率は47.8%, 37.2%, 0%, 3-b群は92.9%, 74.5%, 49.7%と肝切除例の予防的動注化学療法群の成績が良好であった.大腸癌肝転移の治療として積極的に肝切除を施行し, さらに肝動注化学療法を併用することが予後の改善に寄与すると思われた.
  • 小金井 一隆, 木村 英明, 篠崎 大, 福島 恒男
    1999 年 52 巻 5 号 p. 409-414
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    ステロイドによる大腿骨頭壊死を合併した潰瘍性大腸炎 (UC) の3例を経験した.症例1は24歳, 女性, 症例2は30歳, 男性, 症例3は55歳, 女性.症例1, 2は全大腸炎型, 症例3は左側大腸炎型で, いずれも再燃緩解を繰り返し, ステロイド投与が行われた.UC発症後15, 31, 48カ月で大腿痛が出現し, 大腿骨頭壊死と診断された.症例1, 2はその後もステロイドが投与され, 総投与量は9.8g, 11gとなり, 当科初診時には歩行障害があった.大腸全摘, 回腸嚢肛門管吻合を行い, ステロイドを中止したが, 骨変化は非可逆で, 症例1は右側の人工骨頭置換術を行った.症例3は総投与量が30gであったが, 大腿骨頭壊死の診断後ステロイド投与を中止し, 現在までUC, 大腿骨頭壊死とも保存的に治療している.大腿骨頭壊死は患者のQOLを著しくそこなう疾患であり, ステロイド使用症例ではその発症に十分注意し, 発症後は速やかに治療法の変更が必要である.
  • 遠藤 則之, 柏木 宏, 小西 文雄, 金澤 暁太郎
    1999 年 52 巻 5 号 p. 415-418
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    症例は18歳の男性。5歳時から精神発達遅滞の既往があった.平成4年5月より当科において, Peutz-Jeghers症候群の診断で加療していたが, 平成7年2月より貧血を認めた.平成7年8月14日, 小腸ポリープからの出血を疑い, また全消化管のポリペクトミーを目的に手術を施行した.全身麻酔下に開腹し, 経口的および経肛門的に全消化管内視鏡検査を行った.さらに内視鏡的摘除と外科的摘除を併用して, 直径5mm以上のほとんどのポリープを摘除することができた.本症例のように, 消化管ポリープ, 特に小腸ポリポージスのクリアランスを目的にした, 開腹下内視鏡下摘除および外科的手術も一つの選択と考えられる.
  • 稲葉 征四郎, 塩見 尚礼, 小道 広隆, 中田 雅支, 池添 清彦, 牛込 秀隆
    1999 年 52 巻 5 号 p. 419-423
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    症例は36歳の女性.後腹膜に浸潤した進行下行結腸癌でリンパ節郭清を含む下行結腸切除後の局所再発に対して, 再手術を施行したが局所の再再発をきたしたため, 再再発部に対し放射線治療と25回のMTX/5-FU交代療法を施行したところ, 再再発巣の著明な縮小を見たため再再切除を行うことができた.放射線治療や化学療法の重篤な副作用や合併症を見ることなしに, 初回手術より5年経過した現在も再発なく健在である.3回の手術を含む集学的治療によって長期生存が得られた若年者結腸癌症例を経験した.進行大腸癌の治療にあたっては他臓器浸潤を疑う場合, 浸潤臓器の合併切除が必要であり, かつ術後の局所再発の早期診断に努め, 再発が確認された場合には積極的集学的治療と再手術を施行すべきである.
  • 横井 公良, 山下 精彦, 田中 宣威, 石川 紀行, 瀬谷 知子, 大秋 美治, 管 隼人, 恩田 昌彦
    1999 年 52 巻 5 号 p. 424-430
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    直腸Gastrointestinal stromal tumor (GIST) の1例を報告する.症例は67歳.女性, 残便感を主訴に当院を受診す.注腸, 大腸内視鏡, CT, MRIおよび吸引細胞診で, RbRaの約7cm大の平滑筋肉腫と診断しMiles手術を施行した.病理組織学的にはHE染色でspindle cellがほとんどを占め, 核は紡錘形でmitosisも認めたため平滑筋肉腫を強く疑ったが, 免疫組織化学的検索を行ったところ, Vimentin陽性, SMAおよびDesmin陰性, S-100蛋白およびNSEも一部を除き陰性, またCD34およびc-kitともに強陽性であることから筋原性, 神経原性のいずれの方向にも分化していない未熟な間葉系細胞が主体を占めており, GISTと診断した.過去11年に消化管の筋原性, 神経原1生腫瘍は941例あり, 直腸は71例報告されている.その71例中免疫組織化学的検索がなされているのはわずかに9例であり, その9例の中にも現在の概念に一致しない診断をされている症例がみられることから, 消化管の粘膜下腫瘍の中にGISTが少なからず含まれていると思われる.GISTの診断には免疫組織化学的検索が必須であることと, 臨床医, 病理医の啓蒙が必要と思われた.
  • 渡辺 賢治, 渡辺 元治, 増田 英樹, 大野 英樹
    1999 年 52 巻 5 号 p. 431-439
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    痔核の保存的療法は, 局所の血液循環を促進し, 循環障害の改善が重要とされている.今回温水洗浄便座を用いて, 温水で肛門を洗浄し, 肛門粘膜下の血流の変化について常温水と比較検討した.血流量はレーザー・ドップラー法を用いて, 相対的な血流量で比較した.結果は, 常温水では洗浄中の血流量のみ有意な増加を認めた (<0.01) のに対し, 温水による洗浄では, 洗浄前後および洗浄中の血流量の変化のいずれも有意に増加した (p<0.05, p<0.01).また, 洗浄前後と洗浄中の血流量の変化率については, いずれも温水のほうが常温水より有意に血流量の増加を認めた (P<0.01).このことより内痔核や裂肛の原因とされている局所循環障害の改善を目的とする保存療法として, また術後の創傷治癒を促進させる方法として温水による肛門の洗浄は有用だと考える.
  • 加川 隆三郎, 斎藤 徹, 宮岡 哲郎, 南 亮
    1999 年 52 巻 5 号 p. 440-442
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 52 巻 5 号 p. 443-450
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 52 巻 5 号 p. 451-471
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
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