日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
52 巻 , 6 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 浅野 道雄, 森 武生, 高橋 慶一, 安野 正道
    1999 年 52 巻 6 号 p. 473-478
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    大腸癌に併発した閉塞性大腸炎について, 発症時期を遡及的に推測し, 誘因・臨床経過を明らかにするため, 本症を伴った大腸癌切除例17例について検討した.肛門側の腫瘍の環周度が1/2周性以下の症例が2例あり, 必ずしも閉塞を伴っていなかった.潰瘍性病変の形態を, 肉眼的に広汎型・不整形型・線状型・その他に分類すると, 病変の長さは広汎型, 不整形型, 線状型の順に短く, 病理組織学的にも急性期から慢性期の所見を呈したことから, この順に癩痕化, 短縮するものと思われた.急性で一過性の腹痛・下血・嘔吐・白血球増加などを閉塞性大腸炎の発症時期とみなすと, 発症から手術までの平均時間は, 広汎型・不整形型・線状型の順にそれぞれ2日, 16.6日, 37.5日であった.症状の発症に先立ち浣腸・術前の前処置 (ブラウン変法) ・下剤内服が行われていた症例が3例あり, 人為的な腸管への刺激が閉塞性大腸炎を誘発する可能性が示唆された。
  • 山名 哲郎, 大矢 正俊, 石川 宏
    1999 年 52 巻 6 号 p. 479-488
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    中部・下部直腸癌に対して低位前方切除+J型結腸嚢再建術が施行された31例を対象に, 術前術後に直腸肛門機能検査を施行したうえで, 術後の排便機能を経時的に調査し, 臨床的・生理学的因子と術後排便機能との関連を分析した.平均排便回数は術後6カ月4.3回/日, 12カ月3.4回/日で, 軽度便失禁は6カ月69%, 12カ月64%, 便意促迫は6カ月45%, 12カ月39%, 便排泄困難は6カ月46%, 12カ月24%に認められた.術後6カ月では肛門管最大静止圧 (MBP), 直腸最大耐容量 (MTV) の低下が認められたが, 12カ月では術前値と有意差はなかった.術後のMBPの低い例で排便機能不良例が多かった.臨床的因子・術前の生理学的因子と術後排便機能との間の単変量・多変量解析により, 術後の便失禁は年齢, 性別, 骨盤内自律神経温存度, 術.前放射線照射の有無, 術前のMBP・直腸感覚閾値・MTVからある程度の予測が可能と考えられた.
  • 石井 要, 藤村 隆, 谷口 桂三, 坂東 悦郎, 宮下 知治, 道輪 良男, 藤田 秀人, 西村 元一, 三輪 晃一
    1999 年 52 巻 6 号 p. 489-494
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    今回著者らは, 虫垂カルチノイドのうち稀な杯細胞カルチノイドを1例経験したので報告する.症例は90歳, 男性.主訴は右下腹部痛.右下腹部に4cmの腫瘤を認めたものの画像上ははっきりとせず経過観察となった.その後, 出血性胃潰瘍にて緊急手術を施行した際に回盲部に腫瘤を認め回盲部切除術を施行した.回盲部の切除標本では, 虫垂全体に硬い腫瘤を認め, 著明な壁肥厚と腫瘤による盲腸内腔に狭窄がみられた.病理組織学的には, 虫垂全体に多量な粘液産生を伴う杯細胞とクロモグラニン陽性の内分泌細胞が混在しており, 虫垂原発の杯細胞カルチノイドと診断された.本腫瘍は通常のカルチノイドに比べて比較的悪性の経過をたどることが多く, 組織学的悪性度は癌に近いものと考えられるため, 適切な治療法と十分病理組織学的な検討および経過観察が必要である.
  • 滝沢 健次郎, 丸田 守人, 前田 耕太郎, 内海 俊明, 藤崎 真人, 高橋 孝行, 千葉 洋平, 潮田 隆一
    1999 年 52 巻 6 号 p. 495-498
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    動脈瘤の腸管穿破は動腫瘤の合併症の1つであり, 頻度こそ少ないがひとたび発症した場合は致死的な状態になることが多い.下血で発症した回結腸動脈瘤腸管穿破に対しtranscatheter arterial embolization (TAE) により止血し得た1例を経験した.症例は80歳の女性で, 入院前日突然大量の下血があったが放置し, 翌日多量の下血があり転倒し搬送入院となった.緊急大腸内視鏡検査でバウヒン弁より持続的な新鮮血出血が認められたため, 血管造影検査を施行した.造影では回結腸動脈瘤を認め, 動脈瘤より回腸末端部に血管外漏出を認められたためTracker 18 microcathetelを用いてゲルフォーム細片 (1mm角) 数個によるTAEを施行した.TAE後の選択的上腸問膜動脈造影では同結腸動脈瘤は消失し, TAEを行った分枝の末梢領域は側副血行路により良く描出されていた.その後下血は止まり, 9日目に退院となった。
  • 山田 恭司, 前田 壽哉, 千佐 俊博, 福田 六花, 野崎 久充, 牧角 良二, 四万村 司, 丹生谷 直樹, 吉岡 輝史, 奥村 権太, ...
    1999 年 52 巻 6 号 p. 499-504
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    皮膚筋炎は癌腫の高危険群とされ, 種々の癌腫との合併が報告されているが, 癌手術後の皮膚筋炎の病勢は軽快するとの報告としないとする報告がある.今回著者らは, 皮膚筋炎に合併した大腸癌肝転移症例で, 大腸手術, 肝手術と段階をおって皮膚筋炎の症状が軽快した1例を経験した.その後再発し, 2年間の経過を観察したが, 癌の病勢とともに皮膚筋炎症状も推移する傾向があった.1990年以降の皮膚筋炎に合併した大腸癌手術症例の報告例は自験例を含め検索し得た限りでは17例で, 1例を除き, すべての症例でなんらかの術後皮膚筋炎症状の軽快が見られている.
  • 萩本 龍伸, 王寺 恒治, 中田 和孝, 瀬尾 充, 岡田 光男, 冨田 昌良, 山田 豊, 岩下 明徳
    1999 年 52 巻 6 号 p. 505-511
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 女性.2週間前に突然, 腹痛・嘔吐が出現し, 症状持続するため, 5月7日当院入院.小腸X線検査で回腸に求心性の管状狭窄を区域性に認めた.狭窄症状は改善せず, また2回目の小腸X線検査においても狭窄がさらに進行していたため, 回腸部分切除術を施行.切除標本は全周性の狭窄, 壁の肥厚を区域性に認め, 組織学的には全周性にUI-IIの潰瘍と著明な線維化, 担鉄細胞の出現を多数認め, 病理組織学的にも虚血性小腸炎に合致した.本邦における虚血性小腸炎の報告は少なく, 従来の報告例を集計しその臨床像の特徴を明らかにした.
  • 幸田 圭史, 柳沢 和彦, 金澤 伸郎, 谷口 英樹, 深尾 立
    1999 年 52 巻 6 号 p. 512-518
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    60歳, 男性.膀胱三角, 右尿管口, 精嚢, 直腸Raに浸潤した進行S状結腸癌に対し, neobladder作成と, 結腸一肛門管吻合により, stomaを作成しない広範囲骨盤内臓摘除術 (pelvic exenteration) を施行, 良好な術後QOLを得た.両側内腸骨動脈切除, 側方郭清を伴う超低位前方切除術, および膀胱前立腺切除術において, DSTによる結腸一肛門管吻合を施行, さらに回腸を用いたneobladderを作成し外尿道口に吻合した.多数のドレナージチューブを応用し, 各吻合部の安静を確保した.とくにtube cecostomyと経胃的イレウス管により, 術後14日間, 排便排ガスの抑制が可能であった.さらに骨盤内吻合部の固定, および骨盤死腔炎の防止目的に, 大網を骨盤内に誘導, 固定した.患者は合併症なく, 術後23日目に退院.術後半年時点で尿, 便失禁は認めず, 良好な術後QOLが得られている.適応を選択し, 積極的に考慮されるべき術式と考えられた.
  • 辻 順行, 高野 正博, 黒水 丈次
    1999 年 52 巻 6 号 p. 519-523
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    平成5年9月から平成7年12月までに当院で手術を行った痔核173例の中で, 強度疼痛が発生した48例を対象として分析を加え以下の結果を得た. (1) 内痔核症例の48/173症例27.7%に発生した. (2) 非嵌頓症例における術後の強度疼痛の発声頻度は20.1% (29/144症例) で, 嵌頓痔核では48.3% (14/29症例) であり, 両者間で有意差を認めた (排便時に生じた5例は除いた43例で分析).したがって術後の疼痛からは急性期を過ぎてから手術も行ったほうがよいと思われた. (3) 疼痛と肛門内圧 (静止圧) との関係をみると, 肛門内圧が正常よりも高い症例の中に強度疼痛の発声頻度が有意に高かった.したがって術前, 内圧検査で高い制止圧が得られた症例では内括約筋切開を加えた方が良いと思われた. (4) 術後の強度の疼痛は89.6%が術当日と術後1日目の2日間に発生した.以上より術前に静止圧が高い症例や嵌頓痔核の症例では術後の疼痛が強いことが予想され, 術後持続的な鎮痛剤例えば持続的皮下注入法の投与を術当日と術後1日目の2日間に限って投与した方がよいと思われた.
  • 友近 浩, 中村 悟, 藤井 俊哉, 石原 廉, 木村 浩三, 佐藤 滋美, 川上 和彦, 松田 保秀
    1999 年 52 巻 6 号 p. 524-528
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    低位筋間痔瘻に対する括約筋温存術式は形態・機能の保存を主眼に置いた術式であるが, より高い根治性との両立をはかるべく諸家によりさまざまな工夫が加えられてきた.現在当院では基本術式として, 二次口側から原発巣を切除し, 一次口からの導管の切除に際しては内括約筋の欠損を最小限とし, 原発口切除部を縫合閉鎖しておくという方法をとっている.内括約筋の欠損が僅かな症例においては一次口部の再建を行わずとも瘻管再形成をきたしにくいことより, 著者はあえて内括約筋内の導管を切除せず, 無傷の同筋を衝立として残存させる方法を40例に試みたが, 原発口を縫合閉鎖せずともほぼ満足のゆく成績を得ている.肛門機能温存の点からも合目的的な術式と考えられる本法について紹介する.
  • 宮田 美智也, 家田 浩男, 川瀬 恭平, 三浦 由雄, 太田 章比古
    1999 年 52 巻 6 号 p. 529-530
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 宮田 美智也, 家田 浩男, 川瀬 恭平, 三浦 由雄, 太田 章比古
    1999 年 52 巻 6 号 p. 531-532
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 52 巻 6 号 p. 533-540
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 52 巻 6 号 p. 541-579
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
feedback
Top