灌注排便(洗腸)の実態と洗腸患者の灌注排便法に対する認識,評価についてアンケート調査を行った.対象は,オストメイト91人で洗腸経験者は92.4%で,5年以上洗腸例は62.4%,洗腸施行例の76.5%が60歳以上と高齢で,82.4%が常時洗腸を行っており,多くのオストメイトが洗腸継続を前提とした排便管理を念頭においた不安を感じていた.病院以外で洗腸指導例が8%以上あり,情報提供の不十分さが示唆された.洗腸間隔は,91.8%で1回/1~3日の頻度で,男性は女性に比し,毎日洗腸の頻度が多い傾向にあり,1回/2日であった頻度は有意に少なかった(p=0.002).注入液量は500~1000mlが63%と最も多く,1,000ml以上も15.3%存在し,注入速度100m1/分以上例も多かったが,トラブルもなかった.女性はガス音を男性に比し有意に気にした.とくに非常時に対する不安が注目された.洗腸法の実態,利点・欠点,患者の不安などを認識し,指導と情報提供が必要と考えられた.
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