日本大腸肛門病学会雑誌
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55 巻, 3 号
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  • 早期診断,手術適応決定の指標としてのSIRSの有用性とPMXの効果
    加瀬 肇, 柴田 祐充子, 斉藤 直康, 鷲沢 尚宏, 葛西 宏彦, 瀬尾 章, 菊池 誠, 小林 一雄, 寺本 龍生
    2002 年 55 巻 3 号 p. 129-135
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    目的:壊死型手術症例の臨床的特徴,早期手術適応決定におけるSIRSの有用性,術後PMXの有効性を検討した.対象と方法:壊死型手術症例13例の臨床的特徴を一過性型20例と比較検討した.さらに入院時SIRSスコアー,術前SIRS陽性率を算出し,手術適応の判定に有用であるかを検討した.また術前術後のAPACHE IIスコアの推移を生存群11例と死亡群2例で検討した.さらにPMXの有効性を検討するために生存群の術後SIRS陽性期間,術後APACHE IIスコアーの推移をPMX施行群5例,未施行群8例で比較検討した.(結果)壊死型は高齢者で基礎疾患を有し,入院時にSIRSを呈する症例に発症していた.手術適応の判定にSIRSの有無,持続期間は有用であった.PMX群では術後SIRS期間の短縮やAPACHE IIスコアの早期低下がみられたが,術前APACHE IIスコアが高値の症例には無効で,早期診断と手術適応決定が望まれる.
  • 特に術後血行性再発の高危険因子としての意義
    松本 浩
    2002 年 55 巻 3 号 p. 136-144
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌60例(Dukes A:5例,B:28例,C:15例,D:12例)を対象に,還流静脈血中のCYFRA21-1(以下,シフラ)を測定し,同時採取した還流静脈血CEA,病理学的因子および術後再発との関係から,その臨床的意義を検討した.還流静脈血中のシフラはCEAとの問に相関は認められなかったが,病理学的因子では,CEAと同様に壁深達度,リンパ節転移,肝転移,ly因子において有意に高値を示した.また血行性転移の低危険群と高危険群の弁別に微小血管密度,還流静脈血シフラ値,末梢血CEA値を用いて線形判別分析を施行した結果,高値の判別成功率が得られた.さらに大腸癌47例の予後検討では,高危険群4例中3例に血行性再発が認められ,シフラは大腸癌の予後判定のうえで有用なマーカーの一つと考えられた.
  • 板野 聡, 寺田 紀彦, 堀木 貞幸, 遠藤 彰, 大多和 泰幸
    2002 年 55 巻 3 号 p. 145-150
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸肛門部に発生し周辺粘膜に浸潤をきたした悪性黒色腫(以下,本症)の手術例を経験したので報告する.症例は,67歳の男性,主訴は血便.精査にて肛門縁から1.5cmの直腸肛門部に,腫瘤の一部と周辺粘膜に黒色を呈するIsp型ポリープを認め,本症を疑い同部より生検を行った.生検で本症と確定診断し,腹会陰式直腸切断術を行った.切除標本のポリープ部は深達度sm3,周辺粘膜部は深達度mであり,リンパ節転移は認めなかった.術後3カ月を経た現在,再発の兆候を認めず,経過観察中である.本症は稀な疾患で,早期にリンパ行性,血行性に転移をきたすため予後が極めて不良である.予後の改善には,早期診断と適切な外科的治療の確立が必要である.
  • 梅枝 覚, 廣 純一郎, 成田 公昌, 岩永 孝雄, 毛利 靖彦, 北川 達士, 松本 好市, 木村 光政, 鈴木 康弘
    2002 年 55 巻 3 号 p. 151-157
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    症例は58歳の男性.2000年3月,粘血便,肛門痛を主訴に近医を受診した.大腸内視鏡検査で,直腸に多発性,不整形の潰瘍を認めた.生検では形質細胞の多い非特異性直腸炎の診断であった.4月に鼠径部リンパ節腫大あり,生検で肉芽腫性リンパ節炎と診断された.9月,粘血便,肛門痛,全身倦怠感増強にて来院入院した.肛門周囲,陰嚢に肉芽腫様皮膚病変を認めた.大腸内視鏡検査で直腸潰瘍直腸炎を認め,経肛門的超音波検査,CT,MRIで直腸壁の全周性の壁肥厚を認めた.梅毒反応(RPR定量)は128倍以上,梅毒反応(TPHA定量)は40,960倍,FTA-ABSIgMは5倍希釈(1+)であり,梅毒性直腸潰瘍,直腸炎と診断し治療を開始した.治療後3カ月で病変,血清抗体の陰性化を認めた.今回,直腸内視鏡検査での多発性不整形潰瘍および,経肛門的超音波検査,CT,MRIでの直腸の全周性全層性の肥厚は,梅毒性直腸炎に特徴的な所見と思われた.
  • 藤田 秀人, 桐山 正人, 川村 泰一, 伊井 徹, 竹川 茂, 小島 靖彦
    2002 年 55 巻 3 号 p. 158-163
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸mp癌54例を増殖形態と肉眼型から分類し,リンパ節転移頻度,治療成績との関連を検討した.増殖形態はnon polypoid growth type(NPG)とpolypoid growth type(PG)に2分類し,肉眼型は腫瘤型,中間型,潰瘍型に3分類した.増殖形態はNPG29例,PG25例に分類され,最大径に差はなかったが,深達度はNPG癌がPG癌に比して深かった.mp癌のリンパ節転移頻度は28%で,占居部位別には結腸で20%,直腸で38%であった.リンパ節転移頻度と増殖形態,肉眼型との明らかな関連性は認められなかったが,第2群リンパ節転移陽性の2症例はいずれもNPG癌であった.また,直腸では潰瘍型で,逆に結腸では腫瘤型でリンパ節転移頻度が高かった.治癒切除症例52例中の直腸癌4例に再発を認め,全例NPG癌であり,肝転移再発の1例が潰瘍型,局所再発の3例は潰瘍型が2例,中間型が1例であった.大腸mp癌においては,直腸NPG癌の生物学的悪性度の高いことが示唆された.
  • 福長 洋介, 東野 正幸, 西口 幸雄, 谷村 槇哉, 田口 伸一, 岸田 哲, 西川 正博, 尾方 章人
    2002 年 55 巻 3 号 p. 164-165
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 55 巻 3 号 p. 166-173
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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