日本大腸肛門病学会雑誌
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56 巻, 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 長浜 孝, 櫻井 俊弘, 古賀 有希, 蒲池 紫乃, 平井 郁夫, 佐藤 茂, 真武 弘明, 松井 敏幸, 八尾 恒良
    2003 年 56 巻 6 号 p. 273-278
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Crohn病 (CD) に対するprednisolone (Predonine®; PSL) の適切な初回投与量を検討した.
    対象 : 外来通院中にPSLが投与されたCD患者45例, 84回のPSL治療.
    方法 : 症状別に初回1日投与量と経時的累積症状消失率を算出した.
    成績 : 下痢ではPSL初回投与量0.5mg/kg以上 (初回投与量 : 28.3±6.0mg/日) の群が有意に高率, 早期に症状が消失したが (p<0.006), 0.75mg/kg以上投与しても有意差はなかった (p=0.140). 腹痛では0.75mg/kgから1.03mg/kg(30.0±5.8mg/日)の群が有意に高率, 早期に症状が消失していた. 食欲不振・全身倦怠感, 発熱, 関節痛・結節性紅斑は0.24mg/kgから0.49mg/kg未満(30.0±5.8mg/日)の群とそれ以上の量の群とで累積症状消失率に差はなかった (p=0.818).
    上記成績に考察を加え, PSLの初回1日投与量は, 下痢に対しては30mg, 腹痛には35mg, 食欲不振・全身倦怠感, 発熱, 関節痛・結節性紅斑には15~20mgを目安とし, 体重, 活動指数によって増減するのが適切と考えた.
  • 秦 史壮, 八十島 孝博, 西森 英史, 江副 英理, 本間 敏男, 野村 裕紀, 古畑 智久, 木村 康利, 川崎 浩之, 柳内 良之, ...
    2003 年 56 巻 6 号 p. 279-283
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    上皮内pagetoid spreadを伴った直腸肛門部の悪性黒色腫の1例を経験したので報告する. 症例は65歳女性で, 平成13年4月, 内視鏡で直腸病変を認められ当科に紹介入院となった. 手術は腹会陰式直腸切断術を行った. 病変は30×17mmで病理組織は悪性黒色腫, sm3,ow (-) , aw (-), ew (-), ly1, v1, n1,腫瘍細胞はメラニン顆粒を持ち, 腫瘍辺縁の肛門管重層扁平上皮内にpagetoid spreadを伴っていたが, 切除断端は陰性であった. 本例の腫瘍細胞は, 免疫染色でHMB-45 (+), S100(+)と悪性黒色腫に特異的な所見を示した. 黒色腫はまれにpagetoid spreadを伴う例があるので, 切除範囲は慎重に決定すべきである.
  • 小原 則博, 宇賀 達也, 前田 潤平, 宮田 昭海, 山川 正規, 河合 紀生子
    2003 年 56 巻 6 号 p. 284-288
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    人工肛門に発生した大腸癌 (人工肛門癌) の2例を報告する. 症例1は44歳男性. 14年前に直腸癌で直腸切断術を施行した. 人工肛門の皮膚―粘膜移行部に腫瘍が出現し, 急速に増大したため, 受診した. 生検にて腺癌と診断され, 広範囲腹壁切除を伴う人工肛門切除術を施行した. 病理組織学的には粘液癌を伴う高分化腺癌で4cmにおよぶ腹壁浸潤を認めた. 症例2は66歳女性. 子宮癌切除後の放射線治療を受け, 24年前に放射線直腸炎を併発し人工肛門を造設した. 人工肛門の粘膜―皮膚移行部に腫瘍が出現し受診した. 生検にて腺癌と診断され, 腹壁切除を伴う人工肛門切除術を行った. 組織学的には高分化腺癌で1.5cmの腹壁浸潤を認めた. 人工肛門癌の発生はまれであるが, 同部に腫瘍性病変が発生することに留意すべきと考えられた.
  • 加川 隆三郎, 坂田 晋吾, 多田 正晴, 関岡 敏夫
    2003 年 56 巻 6 号 p. 289-293
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    トラフェルミン(フィブラストスプレー)は, ヒト遺伝子組換え体で産生されるヒト塩基性線維芽細胞増殖因子 (basic fibroblast Broth factor : bFGF) を主成分とする世界初のサイトカイン外用治療薬である. この薬剤は, 血管内皮細胞, 線維芽細胞膜等上に存在するFGF受容体に特異的に結合, 直接的に血管新生作用, 肉芽形成促進作用, 表皮形成促進作用を発現させる. 今回, 痔瘻手術後に治癒遷延(術後2カ月~1年3カ月)を生じた12症例にトラフェルミンの投与を試みたところ, 11症例は2週間以内に完全治癒した. またseton法による坐骨直腸窩痔瘻, 骨盤直腸窩痔瘻10症例の治療に, この薬剤を計画的に併用療法として使用することにより, 治療期間の大幅な短縮が可能であった. トラフェルミンにより, 近い将来, 肛門疾患治療法に大きな変化が訪れることが予想された.
  • 島谷 英彦, 藤井 久男, 小山 文一, 向川 智英, 中川 正, 松本 寛, 武内 拓, 中島 祥介
    2003 年 56 巻 6 号 p. 294-298
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1987年から1996年までの10年間に当教室で経験した原発性大腸癌初回手術症例483例のうち, m癌31例を除いた452例を対象とし, 他臓器癌重複例を非重複例と比較検討した. 452症例中, 重複癌は56例 (12.4%) に認められた. 大腸癌先行群では, 過半数 (58.3%) が5年以上の間隔で第2癌が発生していた. 重複, 非重複両群間で性別, 年齢, 大腸癌家族歴および癌家族歴の有無に有意差は認められなかったが, 重複群では遺伝性非ポリポーシス大腸癌 (HNPCC) が有意に多く, 多発癌も多い傾向にあった. 他臓器癌の部位は胃が最も多く, 占拠部位は重複群では右側大腸に多い傾向が認められた. 粘液癌は重複群でやや多く認められた. 累積生存率に差は認められなかった. 大腸癌術後のフォローアップには再発の早期発見と共に重複癌の早期発見にも留意し, 積極的な癌検診の受診の指導をする必要がある. 明らかなHNPCC症例だけでなく, 右側結腸癌や多発癌も重複癌発生の危険群と考えられた.
  • 藤田 昌久, 南 智仁, 高橋 直樹
    2003 年 56 巻 6 号 p. 299-303
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    過去20年間に当科で経験した結腸軸捻転症50例について臨床的に検討した.捻転部位はS状結腸が40例,盲腸が7例,横行結腸が3例であった.正診率はS状結腸では85%と高く,横行結腸で33%,盲腸で29%と低かった.横行結腸と盲腸ではいずれも注腸で捻転部位の診断が可能であった.腹膜刺激症状の無いS状結腸22例,盲腸2例に大腸内視鏡が施行され,それぞれ16例,1例に内視鏡的整復が可能であった.内視鏡的整復後再発した6例を含む37例に開腹術が施行され,32例に腸管切除が施行された.本症は長期臥床の高齢者や神経精神疾患患者に好発するため,腹膜刺激症状の無い場合には大腸内視鏡を施行し,捻転部の粘膜所見により内視鏡的整復あるいは緊急手術を選択するのがよいと思われた.
  • 打越 史洋, 伊藤 壽記, 水島 恒和, 松田 暉
    2003 年 56 巻 6 号 p. 304-305
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 永田 浩一, 遠藤 俊吾, 日高 英二, 梅里 和哉, 石田 文生, 樫田 博史, 田中 淳一, 工藤 進英, 北之園 高志, 櫛橋 民生
    2003 年 56 巻 6 号 p. 306-307
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 56 巻 6 号 p. 308-316
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 56 巻 6 号 p. 317-323
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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