日本大腸肛門病学会雑誌
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57 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 廣澤 知一郎, 板橋 道朗, 吉田 孝太郎, 小川 真平, 木山 智, 亀岡 信悟
    2004 年 57 巻 2 号 p. 57-60
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    (目的)上腸間膜動脈(SMA)の分岐形態を明らかにし,右結腸動脈(RCA)の有無,Bauhin弁からの距離,腫瘍径がBauhin弁温存手術の適応因子になり得るかを検討した.(対象と方法)1988年から1999年まで結腸右半切除術を施行した占居部位Aの症例93例を対象とし,RCAの有無が回結腸動脈(ICA)領域のリンパ節転移に関与するかを検討した.またICA領域のリンパ節転移症例とICA以外の転移症例の腫瘍-Bauhin弁距離,最大腫瘍径との関係を調べた.(結果)結腸右半切除術を施行した93例中ICA領域の転移症例は23例(25%)あり,この中でRCAが独立してSMAより分岐する症例は18例(78%)であった.またICA転移症例23例とICA以外の転移症例8例の腫瘍-Bauhin弁距離,最大腫瘍径との関係はそれぞれ有意差を認めなかった.(結語)RCAの有無,腫瘍-Bauhin弁の距離,腫瘍径でBauhin弁温存術の適応を決定するのは危険であり,個々の症例でのsentinel lymph nodeの把握が必要と思われた.
  • 黒阪 慶幸, 桐山 正人, 西島 弘二, 伊藤 博, 伊井 徹, 竹川 茂, 小島 靖彦, 渡辺 騏七郎
    2004 年 57 巻 2 号 p. 61-65
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は67歳女性で,下腹部痛を訴え来院した.右下腹部に鶏卵大の腫瘤を触知し,注腸と大腸内視鏡検査で,2型の盲腸進行癌と診断した.腹部CTでは右骨盤腔上部に径4cm大の充実性腫瘤を認め,D3郭清をともなう結腸右半切除術を施行した.摘出標本では2型の進行癌と癌に衝突する径2cm大の滑らかな球形腫瘤を認めた.病理組織学的に盲腸癌は中分化腺癌でH0P0ss n0 stageIIであった.また衝突腫瘤は束状に配列し錯走した密に増殖する紡錘形細胞より構成され,免疫組織学的にsm-actinとS-100蛋白には陰性,c-kitとCD34には陽性を示しbenign GIST(Cajal cell type)と診断された.自験例は,盲腸癌によると考えられる多発肝転移再発を来たし術後13カ月目に癌死した.
    自験例は消化管粘膜細胞由来の大腸腺癌と間葉系のCajal cell由来とされるGISTが衝突した稀な症例と考えられ,若干の文献的考察を加え報告した.
  • 松本 寛, 藤井 久男, 小山 文一, 向川 智英, 島谷 英彦, 児島 祐, 安川 十郎, 武内 拓, 中島 祥介
    2004 年 57 巻 2 号 p. 66-70
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.1993年12月15日進行胃癌のため幽門側胃切除術,D3郭清を施行した.腫瘍は胃体下部から幽門小弯に存在する3型胃癌,t3(se),n0,P0,H0,stageIIであった.組織所見は低分化腺癌,ly1,v0,ow(-),aw(-)であった.外来通院中2001年8月よりCA19-9が徐々に上昇してきた.2002年1月18日大腸内視鏡検査にて上行結腸からS状結腸にかけて5~30mm大のIIa様ないしIsp様の隆起性病変を多数認めた.病変は発赤調で比較的大きいものには表面にびらん,白苔をともなっていた.病理組織学的検査で,粘膜下層を中心に低分化腺癌の増殖を認め,胃癌の大腸転移と診断した.全身検索で多発性骨転移,腹腔内リンパ節転移も認められた.頻度は稀であるが,胃癌術後は転移性大腸癌も念頭に置き,定期検査を行う必要がある.
  • 新関 浩人, 道家 充, 中村 文隆, 加藤 健太郎
    2004 年 57 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.アルコール多飲により入退院を繰り返していた.飲酒後に腹痛に嘔吐・下痢を訴え,ショックとなり近医へ救急搬送.脱水に対し輸液を開始したがショックから離脱できず,翌日に当院紹介となった.腹部CTで肝内門脈から腸間膜静脈・脾静脈・脾内に連続するガス像を認め,麻痺性イレウスを呈していた.腸管壊死による門脈ガス血症を疑い,緊急手術を施行した.開腹すると,胃から直腸まで,さらに胆嚢が壊死していた.上腸間膜動脈の拍動は触知し,非閉塞性腸管虚血症と診断した.切除不能と判断し閉腹,術直後に死亡した.
    非閉塞性腸管虚血症に合併した門脈ガス血症の本邦報告例は,自験例を含め21例であった.死亡は5例で,予後は腸管壊死の範囲に相関していた.門脈ガス血症の原因検索で術前に非閉塞性腸管虚血症と診断することは困難であるが,脱水・ショック状態にあることや動脈硬化性疾患の既往が参考になると考えられた.
  • 小泉 信一郎, 柴田 香織, 竹村 清一, 佐々木 一晃
    2004 年 57 巻 2 号 p. 76-80
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    消化器症状をともなわない10~20歳台の痔瘻症例の中で,痔瘻治療経過よりクローン病(以下CD)を疑い,精査にて本症と診断した4例の肛門病変初発型CDを報告する.症例の年齢は,13歳から28歳(10歳台3例,20歳台1例)であった.4症例とも初回痔瘻治療時肛門病変にCDを疑う所見を認めず,消化器症状なども認めなかった.また痔瘻はいずれもIIL型で,瘻管切除標本の病理検索で肉芽腫を認めたことや,術後の再発,遷延治癒が本症の診断の契機となった.10歳台の痔瘻では7例中3例がCDにともなう病変であり,若年者肛門疾患の治療に際しては,CDを念頭に置くことが重要である.
  • 前田 耕太郎, 丸田 守人, 花井 恒一, 佐藤 美信, 升森 宏次, 松本 昌久, 小出 欣和, 松岡 宏次, 岡本 規博, 勝野 秀稔, ...
    2004 年 57 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は51歳の女性で,3回の分娩後13年間の腟および子宮の脱出を主訴に来院した.排尿障害および尿失禁,便秘,軟便時のsoilingも認めた.腟および子宮は腟口より約10cm突出し,肛門括約筋は分娩時の会陰裂傷のため前方で約1/4周断裂していた.排便造影ではrectoceleを認めた.腟,子宮,膀胱脱,rectoceleおよび肛門括約筋断裂による括約筋不全の診断で,腟式子宮全摘出術,前腟壁形成術,anterior levatorplasty,肛門括約筋形成術を施行した.術中,肛門近傍まで下垂した腹膜を認めたためperitoneceleと診断し,余剰の腹膜を切除縫縮した.両側附属器の切断部は最深部の腟断端に固定し,腟を通常の位置に戻した後,腟側壁の裏側を深部から5カ所肛門挙筋に固定した.術後経過はほぼ良好で,症状も消失し,術後半年後の現在,腟・子宮・膀胱脱の再発もない.
  • 2004 年 57 巻 2 号 p. 86-119
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
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