日本大腸肛門病学会雑誌
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59 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 多変量解析を用いて
    角田 明良, 中尾 健太郎, 神山 剛一, 平塚 研之, 成田 和広, 山崎 勝雄, 渡辺 誠, 鈴木 直人, 大中 徹, 谷崎 仁俊, 保 ...
    2006 年 59 巻 4 号 p. 181-185
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌におけるリンパ節転移個数の予後規定因子としての有用性を検討した.1981年から2000年までに経験した大腸癌症例のデータベースよりstage IIIa,IIIbを抽出した.生存率の比較はKaplan-Meier法とLog-rank testを用い,多変量解析はCox regression modelを適用した.stage IIIa126例,stage IIIb78例,計204例が解析の対象となった.リンパ節転移個数は,深達度がse(a2)以深で有意に多数であり(P=0.0003),大腸癌取扱い規約におけるリンパ節転移分類(n因子)がn1,n2,n3になるに従って有意に多くなった(P<0.0001).生存率の比較では,5年生存率は深達度(P=0.011),リンパ節転移個数(P=0.012)で有意差が認められたが,n因子では有意の差が認められなかった.多変量解析ではリンパ節転移個数のみが選択され(P=0.038),リンパ節転移個数が4個以上では遠隔成績が不良であった.リンパ節転移症例の予後はn因子に依存せず,リンパ節転移個数が予後を規定する因子であった.
  • 辻 順行, 辻 大志, 辻 時夫
    2006 年 59 巻 4 号 p. 186-191
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    平成15年4月から16年3月までの期間に側方と前方のIILSに対して,針型電気メスを使用して温存術(電気メス温存法)を行った48例を対象とし,以下の結果を得た.1.再発は4例(8.3%)で,従来の温存術(89例)では7例(7.9%)であった.従来の方法による温存術が少ない傾向にあったが,両群間で有意差はなかった.2)次に手術の簡易性の基準として手術時間で電気メス温存法と従来の温存術を比較した.従来の温存術の手術時間は16~31分で平均21分であった.しかし電気メス温存法では原発口の確認後は同部の焼却のみで原発口の処理が終了するために原発口の処理に要する手術時間が大幅に短縮し,しかも症例間の差も認めず,手術時間は7~12分平均10分で従来の方法に対して有意に短かった(p<0.05).3)熱による影響を調べるために治癒期間で従来の方法と比較すると,従来の方法では25~45日で,平均治癒日数は35日であった.一方電気メス使用による方法は27~46日で平均治癒日数は37日で,両群間で有意差は認めなかった.
  • 外山 栄一郎, 杉原 重哲, 堀地 義広
    2006 年 59 巻 4 号 p. 192-197
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸肛門部に発生するGastrointestinal stromal tumor(GIST)は,比較的稀な疾患である.今回われわれは,本症に対する外科的切除を2例経験したので報告する.症例1は68歳女性.主訴は下血.大腸内視鏡検査で直腸に中心に潰瘍を形成する粘膜下腫瘍を認め,生検でGISTが疑われた.経肛門的腫瘍切除を施行したところ,摘出腫瘍は3.0×2.0cmで,組織学的にmitotic indexは30/50HPF,免疫染色ではKIT(+),CD34(+)であった.症例2は86歳女性.下血,肛門痛を主訴に近医受診.直腸診にて表面平滑な腫瘤を触知し,CT,MRIで骨盤腔内に径6cmの腫瘍を認めた.直腸の間葉系腫瘍を疑い,腹会陰式直腸切断術を施行した.CD34,KITともに陽性でリンパ節転移は認めなかった.
  • 岡本 規博, 前田 耕太郎, 佐藤 昭二, 千賀 省始, 佐藤 美信, 細野 竜司, 勝野 秀稔
    2006 年 59 巻 4 号 p. 198-202
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は53歳の男性で,排便時出血と便の狭小化を主訴に当院を受診した.直腸肛門指診にて,肛門縁より7cmの直腸前壁に2/3周性の腫瘍性病変を触知した.直腸肛門鏡による肉眼所見では2型腫瘍が疑われた.大腸内視鏡検査では浅い潰瘍底をともなう,地図状の立ち上がりの低い,易出血性の腫瘤性病変が認められた.肉眼的に悪性腫瘍は否定的で,病理組織学的に悪性所見は認められなかった.病変の形態と分布,梅毒定性および定量反応(slide法,TPHA法,FTA-ABS法)陽性などの所見より梅毒性直腸炎を疑ったが,直腸生検でのTreponema Pallidumの証明はされなかった.しかしsexually transmitted dis-ease(STD)の可能性を念頭におき,診断と治療を兼ねた駆梅療法により,潰瘍病変の速やかな治癒を確認したことで本症例は梅毒性直腸炎と診断した.
  • 宮澤 智徳, 岡本 春彦, 谷 達夫, 飯合 恒夫, 畠山 勝義, 本間 照, 杉村 一仁, 青柳 豊
    2006 年 59 巻 4 号 p. 203-207
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    ステロイド(以下SH)依存性の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)3例に,虫垂瘻からのSH antedrug注入療法を施行したので報告する.症例1 21歳女性.腰椎麻酔下に虫垂瘻を作製しSH antedrugのフルオシノニド(以下FLU)注入療法を行った.緩解導入・維持が可能となり,25カ月後に本法を中止しその後も緩解を維持している.症例2 24歳女性.本法にてSH全身投与を中止できたが,施行後24カ月後に末梢関節炎を発症したためSH全身投与を再開した.症例3 25歳男性.本法を6カ月施行したが,狭窄病変により薬剤分布に差が生じ十分な効果が得られず,免疫抑制剤の投与を必要とした.考察:本法は,全大腸炎型UCに対する局所療法として十分な効果があり,管理が容易で在宅療法が可能であること,副作用が少ないことなどの利点から,ステロイド依存性UCに対する治療法として有用であると考えられた.
  • 勝野 秀稔, 前田 耕太郎, 松本 昌久, 花井 恒一, 佐藤 美信, 升森 宏次, 小出 欣和, 青山 浩幸, 船橋 益夫, 犬飼 健太郎
    2006 年 59 巻 4 号 p. 208-209
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2006 年 59 巻 4 号 p. 210-225
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2006 年 59 巻 4 号 p. 226-237
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2006 年 59 巻 4 号 p. 238-250
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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