日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
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59 巻 , 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 石井 正之, 結縁 幸子, 山口 茂樹, 森田 浩文, 齊藤 修治, 大田 貢由, 森本 幸治, 奥本 龍夫, 橋本 雅彦
    2006 年 59 巻 7 号 p. 367-372
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する肛門管近傍の下部直腸癌症例を正確に診断することはIntersphincteric resectionの適応決定に重要である.今回われわれは直腸切断術症例の病理組織所見と術前MRI所見を対比し,外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の診断にMRIが有用であるか検討した.方法:直腸切断術を施行した26例を対象とした。病理組織学的に腫瘍先進部から外肛門括約筋内側縁までの距離を測定し,1mm以下の場合を外肛門括約筋近傍浸潤と定義した。MRIT2強調画像において外肛門括約筋浸潤に関する診断基準を定め,組織学的所見との対比を行った.結果:組織学的に外肛門括約筋近傍浸潤例は7例,括約筋内浸潤例は2例であった.MRIによる括約筋内浸潤あるいは近傍浸潤診断は感度89%,特異度82%であった,結語:MRIは外肛門括約筋に浸潤あるいは近接する直腸癌の診断に有用である.
  • 横溝 肇, 瀧井 康公
    2006 年 59 巻 7 号 p. 373-377
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/03/03
    ジャーナル フリー
    当院における144例の肉眼的他臓器浸潤(Si・Ai)大腸癌症例について検討し,他臓器浸潤大腸癌の治療方針決定の一助とすることを目的とした.主病巣の切除は115例に施行されたが,癌の他臓器浸潤の肉眼的・組織学的診断の一致率は49.6%であった.病理組織型では低分化腺癌・粘液癌にSi・Ai症例が多く,一致率も高かった.Si・Ai大腸癌の生存率をみると,根治度の高い例の予後が良好であった.根治度A症例における生存率をSS・SE・A1・A2症例の根治度A症例と比較すると,n0・n1症例では差がないものの,n2~3症例ではSi・Ai例の予後が不良であった.組織学的他臓器浸潤例において検討するとew(-)例がew(+)例より予後良好であった.Si・Ai大腸癌では積極的に合併切除を考慮すべきであるが,n2~3症例では手術療法のみでは不十分であると考えられた.
  • 高橋 賢一, 舟山 裕士, 福島 浩平, 柴田 近, 小川 仁, 西條 文人, 長尾 宗紀, 羽根田 祥, 渡辺 和宏, 工藤 克昌, 神山 ...
    2006 年 59 巻 7 号 p. 378-384
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)の手術例における腸管外合併症の種類と頻度手術前後の経過について当科経験例を対象に検討を行った.UC233例中103例(44.2%),CD233例中99例(42.5%)に腸管外合併症が認められた.UC,CDともに胆石症が最多で,各々28例(12.0%),29例(12.4%)であった.その7割は術後に発症し,CDでは小腸型で有意に多かった.CDに特徴的な合併症としては微量元素・ビタミン欠乏症が20例(8.6%)に認められた.UCでは末梢関節炎,壊疽性膿皮症,ブドウ膜炎が各々20例(8.6%),16例(6.9%),7例(3%)に認められた.壊疽性膿皮症とブドウ膜炎は大腸全摘術後に改善することが多かったが,関節炎は逆に悪化または新たに発症することが多かった.UC,CDの外科治療では手術が各腸管外合併症に与える影響をよく理解することが重要である.
  • 角 賢一
    2006 年 59 巻 7 号 p. 385-389
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は48歳,男性.高熱ならびに全身の紅斑を主訴に当院受診入院となった.陰嚢の腫大,潰瘍,蜂窩織炎(フルニエ壊疽)を指摘され,陰嚢切開にて軽快退院となった,貧血が持続するため精査施行し,骨髄異形成症候群(MDS, RA type)と診断された.フルニエ壊疽再燃加療中,腸管穿孔をきたし緊急手術となった.回腸に多数の穿孔部を認め回盲部切除をした.術後,消化管精査にて,大腸小腸に多発するpunched out ulcerならびに散在するアフタ性病変を指摘された.口腔内にもアフタ性病変指摘され,腸管Behcet病と診断された.在宅高カロリー輸液に移行し現在も加療中である.
    フルニエ壊疽の原因は,MDSによる易感染性と腸管Behcet病による陰部潰瘍によるものと推定された.MDSとBehcet病の合併例は本邦報告36例であった.
  • 竹林 正孝, 豊田 暢彦, 野坂 仁愛, 若月 俊郎, 鎌迫 陽, 谷田 理
    2006 年 59 巻 7 号 p. 390-394
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    今回われわれは結腸結腸瘻および空腸結腸瘻を同時に形成した下行結腸癌の1例を経験したので報告する.症例は73歳女性.左下腹部腫瘤と貧血を主訴に来院した.下行結腸癌および消化管内瘻形成疑いと診断し手術を施行した.開腹すると,腫瘍は横行結腸に浸潤し,さらにトライツ靱帯から40cm肛門側の空腸にも浸潤し一塊となっていたため,結腸左半切除術と空腸部分切除術を施行した.切除標本では,腫瘍は下行結腸原発で壁外性に浸潤し,横行結腸粘膜と空腸粘膜に瘻孔を形成していた.病理組織学的には中分化型腺癌でリンパ節転移は認めなかった.大腸癌による消化管内瘻形成はまれであり,なかでも結腸結腸瘻と空腸結腸瘻の合併例は初めての報告である.
  • 藤井 眞, 田中 康博, 齋藤 哲也
    2006 年 59 巻 7 号 p. 395-398
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    消化管原発の悪性末梢神経鞘腫(MPNST)はまれであり,中でも大腸原発MPNSTは少ない.今回,直腸原発悪性末梢神経鞘腫の1手術例を経験したので報告する.
    症例は71歳女性.便秘を主訴に近医を受診し,直腸に腫瘤を指摘され,当科に紹介された.CT・MRI検査にて内部に壊死をともなう直腸原発の腫瘍で,子宮への浸潤および右水腎症を認めた.内視鏡下生検結果は神経鞘腫であったが,悪性を強く疑い,開腹術を施行した.直腸前壁を中心とする腫瘍で,子宮,腟,右卵巣に直接浸潤し,右尿管を巻き込んでいた.隣接臓器合併切除をともなう低位前方切除術を行った.切除標本の病理組織学的所見では,深部では細胞密度が高く異型に富み,悪性末梢神経鞘腫と診断された.術後12カ月の現在再発兆候なく健在である.
  • 2006 年 59 巻 7 号 p. 399-425
    発行日: 2006年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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