専門医としての「肛門科」の存在意義を語る前に,わが国には既に「肛門科」という呼称は既に消えていく運命にある.その原因は「肛門科医」である私たち自身が,専門医としての誇りと危機感を持っていなかったからである.
1940年3月に第1回日本直腸肛門病学会が「肛門科医」によって創立されたが,私たちにはその時代の「肛門科医」が持っていた熱い情熱が欠如しているのであろうか.もし,私たちにも先人たちのような情熱があると信じている.
2008年に厚生労働省が「広告可能な診療科名の改正」を告示した時が好機であったかもしれないが,今でも遅くはない,危機感を持って厚生労働省や日本専門医機構に「肛門科」の重要性を訴えることが焦眉の急と考える.
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