Zairyo-to-Kankyo
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53 巻, 12 号
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  • 水素の固溶状態
    南雲 道彦
    2004 年 53 巻 12 号 p. 548-553
    発行日: 2004/12/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    Fundamentals of hydrogen behaviors in materials are reviewed with respect to degradation of mechanical properties. The present article is the first part that deals with the states of hydrogen in solid solution. The temperature dependence of the solubility, permeability and technical problems particularly of electrochemical permeation measurement have been explained. The interstitial site of hydrogen and the symmetry of lattice strain have been examined.
  • 熊谷 克彦, 梅村 文夫
    2004 年 53 巻 12 号 p. 560-567
    発行日: 2004/12/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    ステンレスに対する淡水の腐食性を評価する指標としてマハラノビス・タグチ法 (MT法) を用いる手法が瓦井らにより提案され, 淡水中の水質成分から算出したマハラノビス距離により, 腐食性の有無が判定可能であることが示されている. しかし, この手法を用いた場合でも, 実際の腐食事例と一致しない例が確認されるなど, 課題が残されている.
    ステンレスに対する淡水の腐食性には, 水質成分間の交互作用が有意な影響を及ぼすことが経験的に知られている. そこで, 本研究では, 6項目の水質成分 (pH, 導電率, SO42-, Cl-, Mアルカリ度, 全硬度) に加え, 2成分の乗算値を交互作用項目として使用することで, MT法による腐食性判定に,水質成分間の交互作用の影響を考慮する手法を提案し, その有効性評価を行った.
    その結果, 交互作用項目の追加により腐食性判定の際の誤判定数を減少させることが可能であること, さらに, 判定に使用する項目を望大粋性のSN比に基づき選択することで, 現状の淡水データの腐食性を精度良く判定できることが確認された. ただし, 望大特性のSN比に基づき選択された項目は, 必ずしも最適な項目の組み合わせではなく, 腐食メカニズムに基づく評価項目の設定など, 今後さらに検討が必要である.
  • 平野 正義, 小池 良洋, 南 孝男, 牛 立斌, 高久 啓
    2004 年 53 巻 12 号 p. 568-575
    発行日: 2004/12/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    火力発電プラントの毎日起動停止や週末起動停止などの運用により低圧蒸気タービン最終段近傍部のブレード埋め込み部のすき間部では蒸気中に存在する低濃度の腐食性化学種が濃縮して腐食の促進が懸念される. 代表的な低圧蒸気タービン材料について4種類の応力腐食割れ試験と電位測定試験を行い, 応力腐食割れ感受性に及ぼす腐食性化学種である塩化物イオン, 硫酸イオンおよびナトリウムイオンと溶存酸素の複合した場合の影響を評価した.
    ダブルU曲げSCC試験法によるSCC感受性に及ぼす腐食性化学種の影響は, 塩化物イオンが最も高く, 硫酸イオン, ナトリウムイオンの順にSCC感受性が小さくなる. 特に, 溶存酸素と塩化物イオンが共存する場合には, いずれの鋼種ともSCC感受性が顕著に加速される. 不働態皮膜の特性とSCC感受性との間には明瞭な関係があり, 材料中のCr含有量は不働態皮膜の特性とSCC性を支配する. すなわち, Cr2O3の不働態皮膜の生成によってSCC感受性が小さくなることが示唆された.
  • 礒本 良則, 村上 和雄, 津村 敏則
    2004 年 53 巻 12 号 p. 576-582
    発行日: 2004/12/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    炭素鋼の高温酸化モニタリングに関する基礎的研究として, 一つの試みが交流インピーダンス法を用いてなされた. 酸化皮膜成長の加速試験として873Kの高温空気の環境が用いられた. 2つの炭素鋼試験片を薄い雲母板で作られた狭い空間に対向させて, 交流インピーダンス試験が60Hz~1MHzの周波数領域で行われた. 狭い空間の高温空気だけでなく試験片表面に形成された酸化皮膜の抵抗および静電容量は酸化皮膜の成長と共に徐々に変化することが認められた. 皮膜が成長している間, 高温空気の誘電率は一定であった. 一方, 酸化皮膜の誘電率の変化が観察され, 皮膜成長の時間依存性が示唆された. インピーダンス測定によって熱応力により引き起こされた酸化皮膜の剥離現象を捉えることもできた. これらの結果は交流インピーダンスによる高温酸化のモニタリングの可能性を裏付けた.
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