Zairyo-to-Kankyo
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53 巻, 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 三枝 利有, 黛 正巳
    2004 年 53 巻 5 号 p. 246-249
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    日本における使用済燃料貯蔵の需要が増している. コンクリートキャスク貯蔵は使用済燃料貯蔵方式の候補の一つである. コンクリートキャスクでは, キャニスタと呼ばれるステンレス鋼製の円筒容器に使用済燃料を封入する. キャニスタは潮風環境下に置かれ, 大気応力腐食割れ (ESCC) に対する注意が必要である. ステンレス鋼のESCCによる寿命, 乾湿繰り返しの効果, 等の例が記述されている. 新キャニスタ材料の長期密封機能を確認するための研究が提案されている.
  • 久保内 昌敏, 仙北谷 英貴, 高橋 範夫, 津田 健
    2004 年 53 巻 5 号 p. 258-263
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    不飽和ポリエステル樹脂の耐食性に及ぼす架橋密度の影響を検討した. 架橋密度の異なる不飽和ポリエステル硬化物を, 水および水酸化ナトリウム水溶液に浸せきした. 水の拡散については, 樹脂の重量増加が浸せき時間の平方根に比例したため, Fickの法則を用いて拡散係数を算出した. 架橋密度が大きくなるほど拡散係数は小さくなった. 一方, 水酸化カリウムによる腐食では, 試験片表面に均一な厚さの腐食層が形成した. 腐食深さは, 浸せき時間に対して一次の関係で増加した. この直線の傾きを腐食速度と定義すると, 架橋密度が大きくなるにしたがって腐食速度も大きくなることが明らかになった.
  • 陶 究, 新井 邦夫
    2004 年 53 巻 5 号 p. 264-269
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    超臨界水環境における腐食現象の理解を目的とし, 400℃, 30および60MPaの条件で電解質 (HCl, NaCl, NaOH, H2SO4) 水溶液中におけるH+, OH-濃度とFe2O3, NiO溶解度の計算を行った。その結果, NaCl水溶液はアルカリ性を示すこと, HCl水溶液へのNaCl添加がH+濃度を低下させることが分かった. また, 溶解度は圧力の増加により酸溶液中では増加し, NaClやNaOH溶液中では減少する傾向を示した.
  • 稲木 倫道, 宮田 義一, 永井 崇昭, 朝倉 祝治
    2004 年 53 巻 5 号 p. 270-274
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    新しい防食法として, 亜鉛粉末および黒鉛粉末を混合したセメントを鋼に塗布する方法を考案した. 3mass%塩化ナトリウム水溶液中における浸漬試験を行い, 表面観察および電位測定から, 最適な亜鉛および黒鉛の含有率を決定し, アノード分極曲線から防食が可能になる理由について考察した.
    防食を達成するには, 亜鉛含有率33mass%以上かつ黒鉛含有率10mass%以上のセメントを用いればよいことを見い出した. 従って黒鉛粉末を混合することにより, 亜鉛粉末のみを混合した場合に比べて, 低亜鉛含有率で鋼を防食できることがわかった.
    アノード分極曲線の測定では, 黒鉛含有率を高めるにしたがい, 亜鉛の溶解反応に伴うアノード電流が増加した. これは犠牲アノードとして機能する亜鉛の量が増加するためと思われる.
  • 増田 正孝, 李 恩周, 花田 賢志, 有田 誠
    2004 年 53 巻 5 号 p. 275-278
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    電気化学計測における溶液内電位差の効果についてFEM計算を元に考察を行った. 通常の計測で用いられるルギンキャピラリィによる電位分布の変化, 電極形状による電極表面上での電位電流分布の影響などについて数値解析による理論的考察を行い, 電気化学計測に含まれるこれら溶液内電位差による誤差を評価した. ルギンキャピラリィの最適位置を提案し, 電極形状, 電極間距離による電極表面での電流分布の不均一性について言及した.
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