Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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ISSN-L : 0917-0480
58 巻, 12 号
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展望
論文
  • 境 昌宏, 世利 修美
    2009 年 58 巻 12 号 p. 434-440
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    マウンドレス型孔食を再現するために,15種類の人工淡水中で銅管を1年間自然浸漬した.幾つかの試料では,浸漬開始から約1週間で表面の大部分あるいは一部が茶褐色に変色した.淡水中に約1週間浸漬することで形成されるそのような茶褐色領域を銅の「初期皮膜」と呼ぶ.初期皮膜の形成は,塩化物イオンを含む試験水中で顕著であった.1年間の浸漬試験で,マウンドレス型孔食が発生した試験水は,40 mg SiO2/L,50 mg SO42−/L, 10 mg Cl/L,10 mg HCO3/Lを含んでいた.孔食発生箇所は初期皮膜の境界であった.シリカと塩化物イオンを含む試験水中に銅管を1週間浸漬することで,初期皮膜を意図的に生成させた.カソード還元により初期皮膜は亜酸化銅からなりその厚さは約400 nmと判明した.初期皮膜付き銅管と受入まま銅管とのガルバニック対でガルバニック試験を行った結果,初期皮膜付き銅管から受入まま銅管へとガルバニック電流が流れた.この結果より,初期皮膜境界上に発生したマウンドレス型孔食は,初期皮膜部と初期皮膜が存在しない部分とのマクロセル形成によるものと考えられる.
  • 鳥羽 和宏, 川野 浩二, 酒井 潤一
    2009 年 58 巻 12 号 p. 441-447
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    NH4HSによる腐食は,高濃度では異常な速さで進行する.特に,ある濃度を越えると急激に腐食が進行する特徴があり,局所的な過冷却なども考慮した,防食面からの機器の解析・設計が望まれる.特に当環境を含む水素化脱硫装置,水素化分解装置等高圧設備では,腐食漏洩により大事故に至る可能性があるため,設計段階での防食面の配慮が必要である.そこで,水素化脱硫装置付帯の廃水ストリッパーでのNH4HSによる腐食事例を基に,シミュレーションを適用した腐食解析を実施し問題を解決するとともに,防食設計の手法を確立したので,その内容を報告する.
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