放射性廃棄物を地下に処分したときの炭素鋼などの廃棄物含有金属と廃棄物に含有される NO
3–の化学的相互作用のモデル化を,混成電位の概念に基づき行った.炭素鋼は処分施設の金属製構成要素および金属性放射性廃棄物の例として選定した.炭素鋼の腐食に伴う NO
3–の還元反応は,NO
3– → NO
2– → NH
3 なる逐次反応と見なし,この反応及び水の還元による電流が,炭素鋼がマグネタイトになる酸化電流とバランスするとしてモデル化した.この速度論的モデルの入力パラメータは,電気化学測定実験及び浸漬試験により決定した.本モデルを用いた解析により,NO
3–共存下における浸漬実験の結果を説明することができた.
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