Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
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ISSN-L : 0917-0480
59 巻, 1 号
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展望
論文
  • 後藤 宏明, 守屋 進, 内藤 義巳, 山本 基弘, 藤城 正樹, 斎藤 誠
    2010 年 59 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 2010/01/15
    公開日: 2010/06/29
    ジャーナル フリー
    飛来塩分量や凍結防止剤の散布量が多い地域の橋梁に耐候性鋼材が適用された場合,保護性さびが形成されずに層状はく離さびが生成する事例が見られる.そのような異常さびが生成した耐候性鋼材を塗装により補修する検討を行った.その結果,塩分を含んださびは電動工具で確実に除去することは困難であり,さびに含まれる残存塩分の影響により,補修塗装した塗膜は十分な防食性を発揮できないことが明らかとなった.
  • 本岡 隆文, 加藤 千明, 山本 正弘
    2010 年 59 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2010/01/15
    公開日: 2010/06/29
    ジャーナル フリー
    沸騰硝酸溶液中のステンレス鋼の腐食に与えるクロムとバナジウムイオンの影響を,腐食に伴うイオン価数分布の時間変化に着目して検討した.V(V)及びCr(VI)を含有する沸騰硝酸溶液中でのSUS304ULC鋼の腐食挙動を腐食試験,腐食電位測定,溶液分析により調査するとともに,沸騰硝酸溶液におけるV(V)とCr(VI)の生成速度を測定した.SUS304ULC鋼に対する腐食作用はV(V)よりCr(VI)で強かった.Cr(VI)含有沸騰硝酸溶液では,腐食進行とともにCr(VI)濃度は減少し溶液の腐食作用は弱くなった.一方,V(V)含有沸騰硝酸溶液では,V(V)濃度は腐食進行しても初期濃度を保持し,溶液の腐食作用は一定に維持された.沸騰硝酸環境では,還元体からのV(V)の生成速度は速く,Cr(VI)のそれは遅かった.V(V)含有沸騰硝酸溶液中では,ステンレス鋼腐食にともなうV(V)の消費速度よりもV(V)の生成速度が速いため,V(V)濃度が一定に保持され,ステンレス鋼は定常速度で腐食した.Cr(VI)含有沸騰硝酸溶液中では,Cr(VI)の消費速度よりもCr(VI)の生成速度が遅いため,Cr(VI)濃度は減少してステンレス鋼の腐食速度が低下する傾向を示した.
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